(チリッチのビデオを更新しました)
マリン・チリッチ Marin Cilic がザグレブ大会で優勝しました。全豪オープンでは惜しくもマリーに敗退しましたが、1月のチェンナイ優勝。全豪SF。ザグレブ優勝。一年前のデルポトロのような勢いでランキングを駆け上っています。現在ランキング10位。デルポトロと誕生日が数日しか違わないチリッチは、徐々にデルポトロ(5位)との距離を縮めつつあります。
チリッチが世界に初めて注目されたのは、2008年全米オープンです。4名のティーンネージャーの写真が映し出され、次世代を担うティーンセンセーションとして幾度もTVで紹介されました。チリッチ19才、錦織選手18才、デルポトロ19才。グルビス19才。
2008年全米オープン時の4人のランキングと今週のランキングです。
デルポトロ(17位)(今週5位)
チリッチ(24位)(今週10位)
グルビス(40位)(今週98位)
錦織(126位)(今週641位)
あれから1年半が経ちました。
デルポトロはすでに昨年全米オープンのタイトルをとりスターダムに。
圭君は日本のスーパ−スターとしてプロジェクト45が華々しく世界に紹介されましたが、残念ながら肘の故障で昨年の3月のインディアンウェルズ以来リハビリ中。
グルビスは彼の容姿と裕福な生い立ち、豪快なフォアハンドですでに多くの女性ファンをつかむスターパワーがありましたが、コンシスタンシーに欠け実力がなかなか発揮できないでいます。
その4人の中でもっとも地味な存在だったのはマリン・チリッチMarin Cilicです。当時ランキングがすでに24位の高いランキングだったにもかかわらず、性格が大人しい上に、コーチのボブ・ブレットが輪をかけてローキーであるため、他の3人のように華々しい脚光を浴びることはありませんでした。
しかしこのローキーがよかったのだと思います。他の3人はそれぞれに期待されるところが大きく、プレッシャーと戦わなければなりません。チリッチはクロアチアの新人として母国の期待は大きかったのですが、まだ国際的に知名度が低かったのです。
そんな地味なチリッチが世界に注目を浴びたのは、昨年の全米オープン。アンディ・マリーとのR16です。マリーは不意打ちをくらったように、チリッチの攻撃に対応することができず、7-5, 6-2, 6-2 でチリッチが圧勝したのです。アグレッシヴなフォアハンド。確実なバックハンド。豪快なサーヴ。いくらマリーの足でもチリッチのウィナーの嵐には追いつけません。このおとなしい20才の青年のどこからこのようなアグレッシヴなラリーが展開されるのか? 世界のテニスファンはこの目のくりっとしたシャイな青年に目を見張ったのでした。
さてチリッチの成長に欠かせないのが、元ウィンブルドン優勝者のゴラン・イヴァニセヴィッチです。彼がチリッチを発見したのは13才のとき。ひょろっとして今にも折れてしまいそうな少年から、強烈なショットが放たれるのをみて、ゴランはこの子はものになると直感しました。
「クロアチアでは君は埋もれてしまう。イタリアのサンレモでボブがテニスアカデミーをやっているから、彼のもとでトレーニングを受けなさい。僕がボブを説得するから。」
ゴランはチリッチに自分のコーチだったボブ・ブレットのもとでトレーニングをすることを強く勧めました。
ゴランの説得で15才になったチリッチは、プロテニス選手になることをめざしてイタリアに移住することになったのです。
(次号につづく)
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