ウィンブルドン:2位のフェデラーがシード1の謎

6月16日にウィンブルドンのシード選手の名前が発表されました。男女のシード選手リスト:http://www.wimbledon.org/en_GB/players/seeds.html をみて、おやっ? フェデラーがシード1でナダルがシード2となっています。しかしランキングではナダルが1位、フェデラーは2位。

どうしてランキング2位のフェデラーがシード1になったのか? 今日はウィンブルドンのシーディング・システムを紹介したいと思います。ちょっと他 のグランドスラムとシステムが違うのです。

ウィンブルドンのシーディングとは?

グランドスラムの出場選手の数は128名。その中でシードが与えられる選手は32名です。シーディングの目的は、上位ランキングの選手が前半でかち 当たらないように振り分けるためにつけられますので、シードがつくとまずはランキングの低い選手との対戦がギャランティーされることになり有利となりま す。

通常シーディングは、大会の前週のランキングに基づいて決められますので、例えば来週始まる大会のシーディングは、今週のランキングに基づいて決め られることになります。しかしウィンブルドンのシーディングは違うのです。

ここで今週のランキングとウィンブルドンのシーディングを比較してみたいと思います。左がシードナンバーで右の[ ]が今週 のランキングです。(デルポトロはランキング8位で欠場)

1 フェデラー Roger FEDERER [2]
2 ナダル Rafael NADAL [1]
3 ジョコヴィッチ Novak DJOKOVIC [3]
4  マリー Andy MURRAY [4]
5  ロディック Andy RODDICK [7]
6 ソーダリン Robin SODERLING [6]
7 ダヴィデンコ Nikolay DAVYDENKO [5]
8 べルダスコ Fernando VERDASCO [9]
9  フェレール David FERRER [11]
10 ツォンガ Jo-Wilfried TSONGA [10]

フェデラーとナダルが入れ替わっているだけでなく、ロディックとダヴィデンコも順位が入れ替わっています。ではどのような方法でシーディングが決め られるのでしょうか?

ウィンブルドンは芝という特殊なサーフェスのために、芝が得意な選手を優遇して実力が均衡するように、ウィンブルドン独自のフォーミュラが2002年から採用されています。

ウィンブルドンのシーディング・フォーミュラとは?

(A)大会前週のランキングポイント
今年は6月14日付けのランキング・ポイント

(B)過去一年の芝のトーナメントの総合ポイント
2009年のウィンブルドンと2010年のクウィーンズやハレの大会が含まれる

(C)前々年度の一年間の芝のトーナメント総合ポイントの75%
2008年のウィンブルドンと2009年のクウィーンズやハレの大会が含まれる

(A)+(B)+(C)がウィンブルドンのポイントとなります。

以下がウィンブルドンのポイントの内訳です。

(シード1) フェデラー: 11725
(A) 今週のポイント:8525
(B) 2010 ハレ決勝150 + 2009ウィンブルドン優勝2000 =2150
(C) 2008ウィンブルドン決勝 1400 x0.75=1050

(シー 2) ナダル:10290
(A) 今週のポイント:8745
(B) 2010 クウィーンズQF45 + 2009ウィンブルドン欠場=45
(C) 2008ウィンブルドン優勝2000 x 0.75=1500

ナダルは一昨年ウィンブルドンを優勝していますが、昨年欠場していますので、今週のポイントに加算されるポイントは1545のみ。

しかしフェデラーは一昨年は決勝、昨年は優勝していますので、今週のポイントに加算されるポイントは3200にもなります。

二人の総合ポイントの差は従って1435となりフェデラーが大量の得点差でシード1になります。

ジョコヴィッチとマリーの順位はシードと変わりませんが、ダヴィデンコはランキングが5位ですが、シードは7に下がっています。これは8回ウィンブ ルドンに出場した割には、ダヴィデンコは5回も1回戦敗退という「芝の苦手」な選手で、追加ポイントはわずかの117.5ポイントのみ。

それにくらべて、ロディックはランキングは7位ですが、昨年のウィンブルドン決勝進出などの活躍で1340ポイントも追加され、ソーダリンを抜いてシード5となっています。

(シー 5) ロディック:5850
(A) 今週のポイント:4510
(B) 2010クウィーンズ3回戦 20 + 2009ウィンブルドン決勝 1200 = 1220
(C) 2009 クウィーンズ準決勝 90 + 2008ウィンブルドン2回戦70 =160 (160 x 0.75=120)

(シー 6) ソーダリン:4987.5
(A) 今週のポイント:4755
(B) 2009ウィンブルドン4回戦 180
(C) 2008ウィンブルドン2回戦 70 (70×0.75=52.5)

(シー 7) ダヴィデンコ:4902.5
(A) 今週のポイント:4785
(B) 2010ハレ2回戦20 + 2009ウィンブルドン3回戦 90 = 110
(C) 2008ウィンブルドン1回戦 (10 x0.75=7.5)

さてィンブルドンのドロー発表は金曜18日です。

フェデラー、ナダルの決勝が実現するのか?

また昨年のエピック決勝で惜しくも優勝を逃したロディックが、悲願の優勝をなしとげることができるのか?

全仏連続決勝のソーダリンが、芝でもパワーテニスを発揮することができるのか?

ハレでフェデラーを倒したヒューイットはその勢いで決勝まで進出できるのか?

一体どのようなドローになるのでしょうか。発表が待ち遠しいですね!

1 Comment

  1. tennisnakamaさん
    本当に本当に詳しい解説ありがとうございます!!!!
    女子シードは順当だな~。何て思ってたんですが、男子シードは、何でだろうね!?って思って、友人とも話すも、結局答えも分らず、Wimbledonだからね~と適当に流してたとこに、この適切な解説!!!!!

    本当に感謝:感激です!!!

    ダビデンコが1回戦負け5回もある何て、そちらもビックリしましたが、益々drawが本当待ち遠しいです!!!!!

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