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Australian Open Day5 錦織圭がベルダスコに敗退

ベルダスコは確実なショットでエラーを少なくして、いつものウィナー狙いも控え目に、そして堅実なプレーで錦織圭 Kei Nishikori をストレートで破って4回戦進出を決めました。

圭君は第1セットで早くも足に故障が出て(WOWOWの解説では右臀部)メディカル・タイムアウトをとり、体調が心配されましたが、体が温かくなってくることによって痛みが減ったようで、動きもなめらかになり安心しました。それにしてもこの試合は、圭君の足のハンディキャップがあったにせよ、トップ10の選手との差が具体的に明らかになり、そういった意味では貴重な試合だったと思います。

ベルダスコ def 錦織:6-2 6-4 6-3

二人の違い:

サーヴ

ベルダスコのようなトップ10の選手との最も大きな差はサーヴです。ベルダスコはブレークポイントをサーヴィスウィナーで救うことができます。そしてサーヴィスゲームをデュースに持ち込むことなく、サーヴでゲームをホールドすることができる。この違いは大きいと思いました。

ベルダスコの1stサーヴの得点率は73%ですが、圭君は64%。2ndサーヴもベルダスコの59%にくらべて、圭君は33%とかなり低い率です。この%の違いは、圭君はサーヴィスゲームをなかなかホールドすることができず、ブレークされやすいことを示しています。

圭君の1stサーヴは67%で普段よりも高く、2ndサーヴもワイドにキックしてかなりベルダスコを苦しめていましたが、それでも肝心のポイントをサーヴでとれていません。今後の課題はサーヴの確率を上げるだけでなく、質の向上が問われますが、ナダルも長い間サーヴの確率は7割以上をとっても、なかなかサーヴでポイントをとることができませんでしたが、最近の彼のサーヴの向上は目を見張るものがありますので、圭君もできないことはない!頑張ってほしいと思います。

フォアハンド

ベルダスコも圭君も武器はフォアハンドです。前回のマヤー戦では、マヤーのショットがそれほど厳しくなく、圭君にフォアハンドのウィナーを打つ機会がありましたが、ベルダスコのショットは深く跳ね、しかも左右に圭君を振って、なかなか圭君にウィナーを打たせてくれません。しかもチャンスがあっても、圭君は肝心のポイントでフォアハンドのエラーがあり(力んでしまってロング)ウィナーとなるチャンスを逃しています。

ベルダスコのフォアハンドは強烈なスピンがかかって圭君はカウンターがむずかしい。特にバックハンド側に入るとあまいカウンターショットしか打てずに、ベルダスコに叩かれてました。

圭君は緊張と体の故障もあってか、なかなかアグレッシヴに攻撃できなかったのが残念でした。問題は圭君がギアをアップさせると、ベルダスコもギアアップしてくること。しかもベルダスコは余裕のあり、どんどんギアアップして圭君にプレッシャーを与えてきます。これははやり実力の差が出ていた試合だったと思います。

バックハンド

圭君のショートクロスコートのバックハンドが決まってウィナーを2本とりました。昔からバックハンドは得意なのですから、もっとダウン・ザ・ラインでウィナーが打てるようになれば強いと思います。ベルダスコのバックハンドは確実でしかもダウン・ザ・ラインが決まっていましたので、圭君はどちらに攻められるか予測しなければならず、立ち止まってしまうポイントもかなりありました。

錦織圭がトップ10に勝つには:

ベルダスコのようなトップ10に勝つには、圭君がパーフェクトなコンディションであり、スーパーショットを打ち放ちつづけてプレッシャーを与えていかなければなりません。しかしこれはほとんど不可能ですので、後は予期できないショットで攻めるしかないと思います。2008年のデルレイビーチでブレイクを倒して優勝できたのは、まさにこの予期できない撹乱作戦でした。今回は気持ちが引いていたせいか、意表を突くショットが少なく、かなりパターン化したショットメイキングでベルダスコにはプレッシャーがありませんでした。

圭君の武器はフォアハンドと足です。今日はその一つの足が思うように動かなかったことが、彼にゲームをさせてくれない大きな原因となりましたが、もう一つの武器であるフォアハンドもミスのためにポイントがとれずに終わってしまいました。どんなポジションからでも打ち込めるフォアハンドが打てれば、圭君はトップ10を倒せる日がやってくると思います。

すでに36位のマヤーに勝っているのですから、圭君の目標である「トップ50」が実現する日は近いと思います。

以下は試合のメモから拾ってみました。

第1セット:2−6

最初のサーヴが圭君。しかし緊張のためか、第1ゲーム(0−0)ですでに簡単に15−40でブレークされてしまう苦しいスタート。「なんだ、こんなに簡単にブレークできるのか」と思ったのか、ベルダスコはまたもや第3ゲーム(0−2)でいとも簡単に0−40でダブルブレーク。圭君の足が動いていない。

盛んにジャンプをしながら体をほぐそうとする圭君は、やっと第4ゲーム(0−3)でベルダスコのヴォレーのエラーでブレークバック。しかし第5ゲーム(1−3)ですぐベルダスコにブレークバックされてしまうというブレーク合戦。圭君は足を組んでストレッチをしている。やはり足の調子がよくない様子。

第1セットのあとトレーナーを呼んで、ロッカールームへ。どうも足の付け根が痛い模様。新しくコーチとなったギルバートが強調していたのは、「まず圭のフィジカル面を強くしなければならない」という点でしたが、早くも彼の心配していたことが起こってしまった?

第2セット:4−6

マッサージで足が少し楽になったのか、圭君の動きがシャープになってきた。圭君のタイムアウトでリズムを失ったのか、ベルダスコのショットに乱れが生じ始めるが、ウィナーは狙わず、堅実なプレーでサーヴィスゲームをホールド。

圭君はどんどんアグレッシヴなプレーを展開し、第3ゲーム(1−1)ではサーヴの入りもよく、2度もサーヴィスウィナーをとって、40−0でホールド。 マヤー戦で大成功をおさめた「ワイドサーヴで相手をコートの外に出し、オープンコートにウィナーを打つ」パターンはベルダスコにも有効に働き、ポイントがかなりこのパターンでとれるようになった。

第7ゲーム(3−3)までブレークなし。しかしエラーを犯さないベルダスコは堅実にポイントを獲得し、ラリーを続けてチャンスボールを待って、ウィナーをとってブレークに成功。

圭君がギアアップしてアグレッシヴになってベルダスコを攻めるが、ベルダスコもギアアップ。余裕のあるプレーでブレークさせてくれない。

第3セット:3−6

ブレークチャンスがあったのに圭君はチャンスが生かせなかった。最初のチャンスは第2ゲーム(0−1)バックハンドのウィナーやドロップショットでポイントを稼ぐ圭君は、ベルダスコの15−40でブレークチャンス。しかし彼のサーヴがよくショートリターンを打ってしまって叩かれ30−40。しかしまだブレークチャンスのある圭君は、フォアハンドを出してしまってブレークチャンスを逃してしまった。これはもったいないエラー。

第6ゲーム(2−3)で最後のブレークチャンスとなった40−BPでも、圭君はフォアハンドをロングしてしまって、ブレークチャンスを失う。かなり気持ちの上で焦りがあるみたい。

第5ゲーム(2−2)で圭君のフォアハンドのエラーでブレークされてしまった圭君は挽回できず、最終ゲームとなった第9ゲーム(3−5)でも、圭君のフォアハンドのエラーでマッチポイントを失ってしまった。

試合の感想

トップ50に入るには、サーヴの強化とともに、確実に入れることのできるフォアハンドが必要。しかし足を踏ん張ることができなければ(特に右利きにとっては、フォアハンドは右足の重心をおき軸となるので心臓部)ショットに狂いが生じるのも当然で、今日の試合は圭君にとってアンラッキーでした。しかし体のコンディションがよければ、1セットくらいはとれていた内容でしたので、圭君は確実にゲーム展開がうまくなってきていると思います。ギルバートのコーチングのもとで、どれだけ圭君の潜在能力が開花できるか、これからがますます楽しみです。

これから数日仕事で日本に行き、そのあとはサンホセ大会(2月7日)に向けて準備にかかるとか。その後は2年前に優勝したデルレイビーチ(2月21日)が待っています。十分体を休めてほしいですね。

圭君、お疲れさまでした!

錦織圭の記者会見より
今日はリターンを普段に比べて多くミスってしまった。ベルダスコはものすごく重い球を打ってきて、しかも高くバウンドしてしまう。彼とプレーするのは本当にむずかしかった。

ナダルのときもそうだったけれど、重いトップスピンで、バックハンドに高く入ってくるトップスピンのフォアハンドはむずかしい。

(ギルバートのコーチングについて)サーヴの%を上げること、グラウンドストロークを安定させること、といったことなど注意されてます。

ベルダスコの記者会見より(要約)
2回戦のティプサレヴィッチの試合でスローにスタートしたために、彼によいプレーをさせてしまった失敗を繰り返さないためにも、今日は最初から強気で100%の気持ちで、よく走りハードに打った。

圭はトレーナーを呼んでメディカルタイムアウトをとったので、今日の彼は100%ではないと思った。だから僕にとっては有利な状況で速い試合の展開をこころみた。圭はどんどん調子がよくなってきたようだけれど、僕のプレーがよくて彼のゲームをさせなかったと思う。

(錦織圭に対する作戦は?との質問に)初めて対戦するので特別な作戦はなかったが、彼が勝ったブレイクやフェレールの試合は観た。圭のゲームはフラットで速い展開を狙うがそれほどのスピンはないように思った。僕が心がけたのは、よいサーヴをうち、フラットやスピンのサーヴをミックスすること。フォアハンドのスピンを効かせて彼のバックサイドに高く跳ねるショットを打つこと。そして彼を走らせること。No?

今日は僕のメンタルの(勝利の)日だった。でも圭はフィジカルに100%でなかったので無念だったと思う。

Day 5 Day ハイライト

Day 5 Night ハイライト

【Day 5: 1月21日】
Rainbow Dot Pictures, Images and Photosベルダスコ def 錦織:6-2 6-4 6-3
★フェデラー def マリース:6-3 6-3 6-1
★ジョコヴィッチ def トロイツキ:6-2 リタイア(胃痛)
★ベルディフ def ガスケ:6-2 7-6(3) 6-2
★ロディック def ハーセ:2-6 7-6(2) 6-2 6-2
★ヴァヴリンカ def モンフィス:7-6(4) 6-2 6-3
★アルマグロ def ユビチッチ:6-4 7-6(8) 6-3
★ロブレド def スタクホフスキー:5-7 6-2 6-4 6-2

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