(編集しなおして更新しました。またDay 1 からDay 8までの記事すべてにハイライトのビデオを貼りましたのでご覧ください。)
オーストラリアン・オープン(全豪オープン)で最大のアプセットがありました。ランキング4位のソダリン Robin Soderling が、46位のアレクザンダー・ドルゴポロフ Alexandr Dolgopolov に敗れてしまったのです。
ドルゴポロフ、舌を噛みそうな名前です。彼のことを何度か以前に書いたことがありますが、昨年のUSオープンでコートで試合をしている彼をみて、ああ女子の試合か、と思って側を通り過ぎようとしたことがありました。しかし対戦相手はフェレールです。うん???
ドルゴはヘアスタイルはポニーテールですし、雰囲気が柔らかく体つきも中性的。一瞬男?女?といった不思議な雰囲気の22才のウクライナの青年が、ごつい巨人のソダリンをやっつけていく様子は、牛若丸が軽くひょいっと五条大橋の欄干を飛び渡って、弁慶(ソダリン)を翻弄していくようで、とっても面白かったです。(ごめんなさい!ソダリンファン)
友達の間ではアレックスと呼ばれているドルゴは、最近はニュージャージーに住んでトレーニングを行っていると昨夜聞いてまたびっくり。私はいつもニュージャージーでテニスをしていますので、今日もコートセンスのクラブに出かけますが、ひょっとしてコートセンスと関係ある選手かもしれません。ジョコヴィッチはコートセンスで昨年の夏トレーニングを受けていますし、ドルゴについて聞いてみますね。
ドルゴはウクライナの選手ですが、英語が達者でほとんどアクセントがありません。これもびっくりです。父親は元プロテニス選手で、 フレンチオープンの決勝者、Medvedevのコーチをしていましたので、生まれたときからコートで育ってきたテニスのサラブレッドです。
小さいときから父親をコーチとしてテニスを学び、2年前までは父親と一緒にツアーを回っていましたが、親子の間が険悪になり(当然だと思いますが)、2009年からコーチをオーストラリア人のジャック・リーダーに変えています。24時間一緒にいつも行動しなければならず、亀裂がおき始めた父親との関係も今では修復して、ドルゴのテニスは着実に才能を開花し始め、昨年はATPの新人賞の候補にも上がりました。
ドルゴポロフ def ソダリン:1-6 6-3 6-1 4-6 6-2
5セットの試合でしたが、試合時間はわずかの2時間あまりで、印象としては3セットくらいでした。しかも中身が濃い試合でしたので、あっという間に時間が経ってしまったという、エンターテイメント性の高い内容でした。
何しろドルゴは引き出しが多く、ショットも変化球をなげてくるので、見飽きることはありません。このドルゴポロフvsソダリン戦は、海外での反応はきわめて良好で、ソダリンを破ったビッグアプセットが話題を呼んでいますが、特にドルゴのプレースタイルが注目を浴び、全豪オープンで最もホットな選手になってしまいました。
彼のプレースタイルは、一言でいえば「とてもクリエイティヴ」。その意味ではマリーにプレースタイルは似ていますが、ドルゴは炸裂するフォアハンドだけでなく、バックハンドでもウィナーがとることができ、ディフェンスからオフェンスへの転換が実に見事です。しかも似ているマリーとQFで対決しますので、これは絶対見逃せない試合となります。
第1セットはドルゴはサーヴが入らなくて、ソダリンのウィナーに圧倒されてしまいましたが、第2セットから徐々にギアを上げ、第3セットでは全くソダリンを受け付けずウィナーを取りまくっていました。
サーヴ
トスから打つまでのモーションが速く、なかなか予測ができないサーヴです。ソダリンと変わらない平均190kmのサーヴは、モーションに無駄がありません。しかも確実でダブルフォルトが少なく、ソダリン戦ではわずかに2つだけでした。今のテニスは、並のサーヴを打っていると、絶対トップ50にはなれず、ドルゴが2年前は300番台だったランキングが、トップ50のランキングまでジャンプしている理由が、まずサーヴのよさにあります。
フォアハンド
炸裂するフラットな爆弾フォアハンドが打てるだけでなく、ディフェンスをフォアハンドのチップでしのぐことができます。普通はあまりすすめられないショットなのですが、このフォアハンドのスライスは、深くてソダリンが攻撃できないショット。とにかく、フラット、両スピン、ドロップショットなど自由自在な技術と、クリエイティヴな発想で、意表を突いたショットメイキングをしてくるので、実に楽しいテニスです。
バックハンド
ソダリンが一番困ったのは、ドルゴのバックハンドでした。スライス、フック、サイドスピンを突然打ってくるので戸惑ってしまいます。ワイドのクロスコートに見事にウィナーを決めることができるだけでなく、ダウン・ザ・ラインにもウィナーを打つ事ができ、ソダリンは予測がむずかしく足が止まってしまってました。
ネットプレー
自然にネットに前進することができるのは、やはり小さいときからコートで育っているせいでしょうか。ヴォレーも実にうまいのです。コートポジションも自由自在。ベースラインにへばりついた選手でないことだけは確かです。
足の速さ
驚異的な速さで球にたどり着いてカウンターショットを打つことができます。ですからソダリンはウィナー級のショットを打っても返ってくるので、5セット目はプッツンで2−6で終了。
リターン
この試合で最もすばらしいと思ったのは、ドルゴのリターンです。「サーヴがよく読めた」と言っています。予測するのがうまいらしく、足の速さと予測力でヒッティングポジションに早く入ることができ、普通ならソダリンのウィナーとなるショットでもカウンターショットを打ってソダリンをいらつかせました。
ウィナー
なぜドルゴのテニスが面白いかというと、バーンと決まるウィナーが多く、ウィナーを50もとっています。ソダリンは34。しかしエラーの数は、ソダリンは51もおかしてしまっていますが、ドルゴは23で、ソダリンよりも28も少ないのです。つまりアグレッシヴな攻撃にもかかわらず、エラーが少ない。これは見事でした。
Day 8 Day ハイライト
Day 8 Night ハイライト
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