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マドリッドマスターズ:錦織 vs リバ戦から学ぶ(技術編)

リバ Riba def 錦織: 6-2 6-4

マドリッドのマスターズは、錦織圭がWCをもらって出場したのですが、残念ながらリバに初戦で敗退してしまいました。WCの選手は初戦で負けるとポイントをもらうことはできません。

リバ錦織圭がバルセロナで彼のリタイアで勝ってしまった選手です。圭君は第1セットを6-2でとりましたが、リバの調子がすでに悪かったかもしれず、「あの試合の経験だけではリバを判断できない」と前号で書きましたが、その通りになってしまいました。

圭君は46位でゴールまであと一歩となりましたが、プロジェクト45の壁はなかなか破るのがむずかしいのは、これからはトップ30の選手に勝っていかなければならず、今回のように自身よりランキングの低い選手に敗退してしまうことは避けなくてはなりません。

リバはランキング76位で、圭君が落ち着いてプレーすれば負けるような選手ではないのですが、彼はクレーコートのスペシャリストでしかも地元のスペイン人。マドリッドのクレー(速くて高くバウンスする)を熟知した勝利でした。

圭君は5月3日のブログで以下のように述べています:

「悔しい敗戦になってしまいました。

自分のしたいことができず、かたくなってしまいました。
相手はほとんどのボールをまわり込みフォアで高いところに打ってき、サーブが良かったです。

その割に僕はサーブが入らず

ここは標高が高いのでサーブが入らないとブレークするのが難しく、嫌な展開でした。
相手のいいプレーに押されてしまい、自分はなにをすればいいのか、

どうしたら相手を崩せるのかが分らなくなり負けてしまいました。

嫌な負け方でしたが気持ちを切り替えて次の試合に臨みたいと思います。」

練習ではサーブは良くなってきてるのに試合で入らないのは慣れが必要なのかもしれません。

とにかくたくさん練習しないといけません。」

ここで赤文字の2点に注目したいと思います。

相手はほとんどのボールをまわり込みフォアで高いところに打って・・・

これはナダルが特によく使うプレースタイルですが、私もアッシャーのコーチングでフォアに回り込むプレーを習っています。普通ならバックハンドで打つショットです。しかし回り込む時間があるときは、後方に下がりながら回り込んでフォアハンドで打ち込みます。

クロスオーヴァーで回り込みフォアハンドで打つ

なぜフォアに回り込むのか? 相手にとっては、インサイドアウトとダウン・ザ・ラインのどちらに打ち込まれるのかわからず、しかもフォアですのでウィナーが打ち込めるメリットがあります。

ここで重要なのはクロスオーヴァー Crossover と呼ばれるフットワークです。ナダルのステップをご覧になってください。早くポジションにつくことができ、しかも勢いがつきますのでショットにパワーが生まれます。このクロス(クロスオーヴァーの省略)は今日のテニスには不可欠なフットワークです。

シャフルはオールドスクールのフットワーク。クロスで試しに大股気味にできるだけ早くポジションにつく練習をしてみてください。早くヒッティングポジションにつくことができれば、パワーを溜め込みウィナーを打つことができます。

打った後は、従来はシャフルでセンターに戻っていましたが、これをクロスに変えます。できるだけクロスを使うことによって、クロスに慣れていくだけでなくリズムが生まれます。

その割に僕はサーブが入らず

圭君の1stサーヴの確率は63%で、確率からいえば決して悪いものではありませんでした。問題はサーヴの質でした。圭君の2ndサーヴがよく狙われるので、たぶん質を落として1stサーヴの入りを上げたと思うのですが、1stサーヴの確率を上げなければとしきりに強調していたギリバートの作戦だと思います。

クレーではあのサーヴの新星ラオニッチもエースがなかなかとれません。ロディックもあっさり初戦で敗退していますので、1stサーヴはむしろスピードではなく、スピンやプレースメントが問題になります。

多種のサーヴで相手を混乱させる

いつも同じサーヴが打てるとは限りません。圭君のサーヴはどんどんよくなっていくようですが、普段のサーヴが打てないときはどうするのか? プランBを用意しておく必要があります。撹乱作戦でいろんなサーヴをマスターしていれば、スライス、キック、ワイド、ボディー、とチョイスは広がっていきます。

自身の武器が入らない時や、相手が自分より強い時など、最も有効な作戦は相手の予想をくつがえすプレーです。これをするにはいろんなショットをマスターする必要がありますが、サーヴもしかり。圭君の1stサーヴの確率は63%でリバの64%と変わりません。しかし違いはポイント確率の低さでした。

圭君のポイント確率は44%で、この低さでは1stサーヴの意味がないのです。リバは77%もポイントを取っています。パワーとスピードで勝負できなくとも、プレースメントと豊富な種類のスピンのコンビネーションでサーヴをとることができます。クレーではスピードを落として、サイドスピンを効かしてもっとワイドに切れるサーヴで相手をコートの外に出すワイドサーヴを使ってもよいと思います。

圭君もブログで「練習でサーヴがよくなってきているので・・・」と書いてますので、今後を期待したいと思います。

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