September 19, 2011 Davis Cup
デイヴィスカップ Davis Cup のプレーオフの結果がでました。この試合で勝った国がワールドグループに加わることになるのですが、日本、スイスがワールドグループに昇格しましたね。おめでとう!
多くのテニスファンは、そこで来年の対戦カードがどのようになるのか? 大変気になるところです。ここでデ杯のプレーオフについて説明したいと思います。[private]
ワールドグループ・プレーオフとは?
ワールドグループ・プレーオフとは、ワールドグループの1回戦敗退8カ国と、グループ1の2回戦勝利8カ国、計16カ国がワールドグループ入りを狙って行われるノックアウトトーナメントです。このプレーオフで勝った8カ国が翌年のワールドグループのメンバーとなります。
グループ1からワールドグループ・プレーオフに出場するには
3地区(アメリカ、アジア/オセアニア、ヨーロッパ/アフリカ)で行われる地区別トーナメントで、3月の1回戦、7月の2回戦に勝たなくてはなりません。
日本の場合はアジア/オセアニア地区の1回戦のフィリピンを3−1で倒し、2回戦のウズベキスタンを4−1で倒し、めでたくプレーオフの出場権を獲得しました。
スイスは、ヨーロッパ/アフリカ地区の1回戦はBYEで不戦勝。2回戦のポルトガルを5−0で倒してプレーオフ入りを遂げました。
グループ1の8カ国がプレーオフに出場できるわけですが、その内訳は、アメリカから2カ国、アジア/オセアニアから2カ国、ヨーロッパ/アフリカから4カ国となります。
アメリカ地区:カナダ、ブラジル
アジア/オセアニア地区:日本、オーストラリア
ヨーロッパ/アフリカ:イスラエル、イタリア、南ア、スイス
ワールドグループの1回戦で敗退した8カ国がプレーオフに
以下の8カ国が3月の1回戦に敗退しました。
チリ、インド、ロシア、チェコ、ルーマニア、ベルギー、クロアチア、オーストリア
プレーオフの対戦カードは、国別ランキングの上位8チームと下位8チームが対戦するように抽選(Draw)によって決められます。9月のプレーオフの詳しい結果はここをクリックしてください。
今年はフェデラー、錦織圭、及びトップクラスの選手が参加して多いに盛り上がりました。ストリーミングのおかげで、少しはデ杯のプレーオフの雰囲気が味わえるようになったことは感慨深いものがあります。一挙にデ杯が身近なものになってきましたね。
以下の8カ国がワールドグループ入りを果たしました。
日本(def インド)
スイス(def オーストラリア)
チェコ(def ルーマニア)
ロシア(def ブラジル)
カナダ(def イスラエル)
クロアチア(def 南ア)
イタリア(def チリ)
オーストリア(def ベルギー)
日本 def インド:4−1
インドのNo.1デヴァーマンが故障で不調。しかも重要なラバー4でデヴァーマンが欠場となった時点で日本の勝利は決定したようなものでした。錦織圭の相手は、ランキング453位のVardhanで、本来ならスイスイと勝てる相手だったはず。しかし驚いたことに彼のプレーはエラーがなく、圭君と互角に戦っているのです。もうびっくりしてしまいました。これほど男子プロの奥が深いとは!
第1セットは手こずっていた圭君でしたが、リズムに乗り出しかなりリラックスしてきた様子で、第2セットと第3セットはスムーズに勝利。圭君はシングルス2勝をあげて、今回も大きく日本に貢献しました。詳しい試合の経過は日本テニス協会の記事をご覧ください。おめでとう!日本チーム!
スイス def オーストラリア:3−2
フェデラーが久しぶりに出るというので話題を呼んだプレーオフのハイライトでした。フェデラーはフェデラー。いくら準備が足らなくても、試合中に調整してしまうことができるのは、王者の貫禄でした。第4ラバーで18歳のトミッチと戦いましたが、彼に1セット落としています。昨年トミッチの試合を生観戦したことがありますが、何かのらりくらりとした感じで面白くなかったのですが、彼いわく「僕はいつでもパワーショットを打つことはできる。でもそれじゃ面白くないんだ。いろんなショットをミックスして相手を翻弄するのが面白いんだ。」楽しみな選手が出てきました。
ヴァヴリンカは足が腫れていたということですが、よく故障を抱えながらヒューイット戦の5セットを頑張りました。それに最後の第5セットは5−3で日没サスペンションという最悪の事態になってしまったにもかかわらず、月曜日もフォーカスを緩めず、6−3でラバー5を勝利で飾ってワールドグループ進出を決めました。
Wow-rinak! ワオー!リンカ!とスイスのバーゼル紙が絶賛。フェデラーのすざましい応援ぶりも印象的でした。
カナダ vs イスラエル:3−2
カナダに新しいヒーローが誕生しました。私が絶賛している21歳のポスピシルがラオニッチの代わりに大活躍。シングルス2勝、ダブルス1勝でカナダに勝利をもたらしました。
ポスピシルについてはモントリオールのマスターズで記事にしましたのでご覧ください。両足が痙攣、足を引きずりながら最後まで戦った壮絶なチェラ戦は忘れることはできません。まだ少年のようなホスピシルのどこにあの燃えるような魂がひそんでいるのか、これからの活躍が楽しみな選手です。
日本27年ぶりの快挙ということですが、恥ずかしながら、こちらにお邪魔するようになってから初めて、デ杯の存在も、日本が27年前に一度はワールドグループにいたという事実も知りました。
改めて報道のなさを残念に思います。
今日の朝日新聞朝刊で、珍しくテニスの話題が大きめに出ていました。普段は何も扱われていませんから、ちょっと驚きました。せっかくですから、ありがとうございます、もっと書いてくださいってメールしようと思います。
意外とメールの効果って大きいので、多くのテニスファンがどんどんメールをメディアに送れば絶対もっと取り扱いが違ってくると思いますね。頑張ってください。
ヴァヴリンカはデ杯でヒューイットに勝った後、Twitterでコーチとの関係終了と流したそうですね。ロジャーの元コーチを雇って調子を上げたと思ったのですが、何かあったのでしょうか。
(from tennisnakama: Sorry your comment was in Spam.)
ヴァヴリンカはコーチに今までいろんなことを教えてもらってとても感謝している。とFacebookでコメントを残していますが、その理由については書いていません。喧嘩別れとかいった感じではないようです。また新しいコーチについてもまだ分かっておりません。
http://www.facebook.com/StanislasWawrinkaOfficial
勝たなくてはいけない試合でキッチリと錦織は勝ってくれました。16日の杉田も良く頑張ってくれました。試合的には杉田の勝利が大きかったですね。
NHKくらいが急遽錦織の試合を放映してくれるかな、と思ったのですが、OAは無かったようです。27年ぶりの快挙の割に新聞記事もあまり大きくなくて寂しかったですね。