October 9, 2011 Japan Open
アンディ・マリーは本当に強くなりました。先週バンコックで優勝したマリーはエネルギーが尽きてしまうどころか、なんとシングルスとダブルスで楽天ジャパンオープンに優勝してしまいました。
しかもナダルとの第3セットは、完璧なディフェンスとオフェンスによってナダルを完封。最終セットをベーグルでしめくくるセンセーショナルなヴィクトリーで楽天オープンの幕を閉じました。
マリー def ナダル:3-6 6-2 6-0
ナダルの敗退は予想できても、ベーグルでの敗退は誰が予想したでしょう。しかもナダルの調子は決して悪くはなかったのですから・・・マリーのプレースタイルが大きく変わりました。第3セットのマリーは、まるで最高調のジョコヴィッチのプレーをみているような錯覚を覚えるほど、完璧な攻守でミスがありませんでした。
第1セット
第1ゲームでナダルはエースを放ち、ネットラッシュをして見事なヴォレーで40−0でサーヴィスゲームをホールドして、マリーに「今日はアグレッシヴにプレーするからね」というメッセージを残しました。そのせいか、マリーは出鼻をくじかれて、第2ゲームですでにブレークされてしまうまずいスタートを切ってしまいました。
ナダルの1stサーヴは100%。しかしマリーの1stサーヴはわずかに17%。マリーはまったくサーヴが入りません。このままではナダルの完勝か? と思えるスタートでしたが、マリーは焦ることなく、いつものようなネガティヴな態度はみせませんでした。
ナダルはバックハンドのスライスを多く使ってマリーにリズムを与えず、しかも両サイドにマリーをゆさぶりながらアグレッシヴに攻めていきます。
しかし第4ゲーム(ナダル vs マリー:3−0)から落ち着いてきたのか、マリーのサーヴが急に入りだしたのです。ナダルのリターンが浮き始めました。ナダルがジョコヴィッチやマリーに劣るのはサーヴィスリターンです。球がつまってショートリターンに終わりがちで彼らに叩かれてしまいます。40−0でポイントをナダルに与えることなく、見違えるような強さでマリーがサーヴィスゲームを勝ち取りました。
ナダルのカウンターショットは、弱点であったショートボールは消え、ディープに入ってマリーを攻め続けます。マリーはまだ立ち上がったばかりという感じでナダルに圧され気味。ナダルは精度の高い攻撃力のある鋭いショットで、マリーを両サイドに振ってエラーを誘っています。
しかし・・・ナダルのサーヴィスゲームがあやしくなってきました。マリーのリターン力はジョコヴィッチに匹敵するほどすばらしく、ナダルの平均的なサーヴではゲームをホールドするのがむずかしくなってきました。
辛うじてブレークポイントをナダルがドロップヴォレーで(実にうまい!)ブレークを免れ、ブレークされることなく、第1セットを勝ち取りましたが、マリーのサーヴは17%から50%に上がり、それだけでなく、ポイント性の高い高質サーヴを打ち始めました。 もしマリーのサーヴ確率がどんどん上がっていけば、ナダルは彼をブレークするのは至難の技になってきます。
第2セット
やっぱり!マリーのサーヴがみるみるよくなっていきます。第1ゲームのマリーのサーヴィスゲームは40−0でエース。サーヴはプレーのバロメーターです。サーヴがよくなると、すべてのショットが良くなってきます。マリーはナダルのBHスライスにも慣れ、マリーのショットにリズムが生まれてきました。エラーが少なくなり、ショットメイキングに自信がでて、狙ったウィナーが確実に入りだしました。
第4ゲーム(ナダルvsマリー:1−2)はナダルのサーヴィスゲームです。今まで辛うじてサーヴィスゲームをホールドしてきたナダルでしたが、ついに3度目のBPでブレークされてしまいました。
第5ゲーム(ナダルvsマリー:1−3)では、0−40から一挙にエース3本を打って40−40に戻したマリーは、サーヴにますます磨きがかかってきました。しかもBHとFHのダウン・ザ・ラインを頻繁に使ってナダルを攻めてきます。これは新しいマリーのプレースタイルです。今まではクロスがほとんどだったマリーは、ジョコヴィッチのようにダウン・ザ・ラインを両サイドに自由自在に打つことができるようになったのです。これは強い!4度もBPになりながら、ブレークを免れたマリーはこのサーヴィスゲームでモメンタムをシフトさせてしまいました。
スタッツも試合の流れを象徴するように、ナダルの1stサーヴはダウンして65%、マリーは69%までアップしてきました。
第8ゲーム(ナダルvsマリー:2−5)では、自信を得たマリーはアグレッシヴにリターンウィナーを狙ってきます。ナダルの2ndサーヴはウィナーをとられてしまっても仕方がない平均以下のサーヴです。かなりのプレッシャーにナダルにエラーが増えてきました。30−40でナダルはBHをネットにかけてダブルブレークされてしまい、第2セットを落としてしまいました。
第3セット
いかにマリーがゾーンに入ってしまって一方的な試合だったか、6−0のスコアがよく示しています。
マリーのサーヴィスゲームは、40−0でホールドしたのが、第1ゲームと第3ゲームの2ゲーム。そしてナダルを0−40でブレークしたのが、第4ゲームと第6ゲームの2ゲーム。つまり4ゲームをナダルに1ポイントも与えることのない圧倒的な強さでした。
特に第3セットでみせたマリーのBHのクロスは、人間の技とは思えないミラクルショットを連発。ナダルがだんだん弱気になるにつれて、マリーのウィナーは逆比例してどこからでも、FHでもBHでも打ってきます。まるでジョコヴィッチの最高時が乗り移ったようなプレーで、ナダルは完全にシャットアウトになってしまいました。
第3セットは今までのラファとの対戦の中で最高だった。ショットも安定していてミスを犯さなかったし、肝心な時には冷静になることができた。
今年の目標はランキングが3位になること。このままの調子を保っていけたらと願っている。
マリーはまたもやフェデラーを脅かす発言をして自信のほどをみせました。
今までにも0−6で負けたことはある。でもあんまりこういうことは起こってほしくはないのだけれど。第3セットのマリーはファンタスティックだった。彼のプレーは信じられないほどのハイレベルで、彼が勝って当然だった。Accept. That’s it.
ナダルはマリーがtoo goodであったことを認めました。しかしそうは言っても、この惨敗ぶりは彼自身にとってもショックだったはず。身体の故障で負けたのではないのですから。トロフィーの授与式で無理矢理に笑顔をつくろうとして歪んでしまったナダルの表情が痛々しかったです。(涙)
それでも「また来ますよ。」と言ってくれたラファ。本当にお疲れさまでした!
マリーは最近風格がでてきましたね。チャンピオンの風格にちかいものがあります。SGまであと一歩ですね。ジョコヴィッチとフェデラーが欠場し、しかもソダリンとモンフィスも欠場してしまう上海マスターズ。またナダルと激ファイナルになってしまいそうです。トップ4がこれだけ接近してくると、ますますテニスが面白く、しかしファンにとっては恐いものになってきました。
単複優勝おめでとう!アンディ!
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