World Tennis News Magazine 世界のホットなテニスニュース・選手の近況・試合の分析を満載した画期的なブログマガジン

アンディ・マリーが上海マスターズ優勝でフェデラーを追い越して3位へ

October 16, 2011 Shanghai Masters

マリーdefフェレール:7-5 6-4

予想された通り、アンディ・マリーがフェレールを破って上海マスターズ優勝し、タイトルをディフェンドしました。これでフェデラーとマリーの順位が入れ替わってマリーが3位、フェデラーが4位となります。

フェデラーは2003年7月から8年3ヶ月間守ってきたトップ3ともお別れとなってしまいました。

アジアのサーフェスはかなり速いサーフェス。バンコックに始まって、東京、上海と連続優勝を遂げたマリーは、ハードコートでは今や世界一(ジョコヴィッチの腰がまだ回復していないので)強い選手になってしまいました。

Photo: Getty Images

ディフェンドに支えられたマリーのPressure Cookerテニス

プレッシャークッカーとは圧力鍋のことですが、表現として使う場合は、プレッシャーを与えストレスがたまってしまう状況をさします。マリーのテニスの本質は、デフェンスでじわじわ攻め、圧力鍋の中に相手を閉じ込めて、どんどんプレッシャーを与えるプレッシャークッカーのようなテニスです。

しかしアジアのトーナメントでは、マリーのプレッシャークッキングのスピードが速くなりました。しかもクッキングの温度が高まり、アグレッシヴなクッキングスタイルに変化。この新しいクッキングスタイルでマリーは次々に相手選手を料理してしまったのです。

錦織圭との準決勝の第1セットのマリーの1stサーヴは82%の高率。しかもポイント獲得率は何と100%という異常なサーヴの強さをみせたマリーも、さすがに第2セットでは50%までにサーヴの確率が下がってしまっていました。しかしマリーはこの第2セットで錦織を6−0で破っています。

錦織圭の足の故障も原因だったと思いますが、マリーはサーヴでフリーポイントをとらなくても、余裕を残しながら勝てる強さをみせてくれました。

決勝では、マリーのサーヴは63%で、彼の今年の平均59%を優っていましたが、おどろくほどよいサーヴを打っていた訳ではありません。しかしフェレールのサーヴが悪すぎました。44%ではいつブレークされてもよい低率なので、自身にプレッシャーがかかってきます。試合では結構主導権をとっていたフェレールでしたが、どうしてもこのプレッシャーのために、ぎりぎりを狙うショットを打たざるを得ず、エラーを重ねてしまいました。

フェレールのエラーは30、マリーは29で数からいえば変わりませんが、マリーのウィナーがフェレールの2倍の24です。マリーよりもアグレッシヴなプレーをしたフェレールのウィナーがわずかに12となってしまったのは、マリーがことごとくフェレールのウィナーをカウンターショットしてしまったからです。これもフェレールにとっては大きなプレッシャーです。

ウィナーも返されてしまう。サーヴも入らない。これではメンタルの男と呼ばれるフェレールでも勝てません。第1セットの第11ゲーム(5−5)では固くなってしまって3度のエラー。最後はダブルフォルトでブレークを許してしまったフェレールは、そこからついに回復することができませんでした。

「勝つテニス」が備わってきたマリー

私がマリーが近々GSタイトルをとれると実感したのは第1セットの第12ゲーム(6−5)です。サーヴが武器でない選手は絶対にGSタイトルはとれません(ナダルは例外ですが)。しかもサーヴィスエースやサーヴィスウィナーを打って肝心なポイント(たとえばブレークポイント、ゲームポイント、マッチポイント)をとれることが必須条件となります。今日のマリーのサーヴはそれほど調子がよいというものではありませんでした。

しかしマリーは最後の2ポイントをエースで決め第1セットを勝ち取りました。サーヴの確率が高くなくても、重要なポイントでマリーはサーヴでとることができたのです。マリーは記者会見で以下のように語っています。

ベストなことは試合に勝ったことです。今日のテニスは決して最高のテニスとは言えなかったけれど、勝つことができました。そしてサーヴは重要なときによいサーヴを入れることができました。すべての球を追いかけ、すべてのポイントを全力で戦いました。もし勝ちたいのなら、このことを毎回やらなくてはならないのです。

トップ50の選手がベストのテニスをすれば、No.1選手を打倒することができるほど、今のテニス界の選手層は厚くなってきています。(マヤーがナダルを破ったのがよい例です)しかしトップ選手はいつも最高のプレーができるわけではなく、7割の力でも勝てる技と冷静なメンタルと戦略が必要です。そして重要なポイントをエラーで落とさない。エースでポイントを取る。

フェデラーとナダルのライヴァル時代が長く続いたのも、ジョコヴィッチとマリーにはまだ「勝つテニス」が備わっていなかったからだと思います。

今週は僕は驚異的なテニスをやったわけではなく、出来としてはまあまあ満足のいくものだったと思っています。ただ正しいことをやり、相手を困らせることができて優勝することができましたが、もっとベターなプレーができたはずだという気持ちがあることは確かです。

マリーはこのマスターズでは、強敵ジョコヴィッチ、フェデラー、ナダルが欠けてしまった決勝でしたので、究極的に試されることはなかったと感じているのでしょう。これからのマリーの課題は、プレッシャークッカーのクッキングスピードと温度を高めていくこと。それが自然にできるようになれば、マリーがグランドスラムのトロフィーを掲げる日は時間の問題だという気がします。

サーヴの悪さが命とりとなったフェレール

第2セットの第1ゲームですでにブレークされてしまったフェレールは最悪の33%のサーヴでした。マリーの2度のダブルフォルトで、第2ゲームをブレークバックすることができましたが、しかしサーヴが3割台では第3ゲーム守ることはできず、またもやブレークされてしまいました。

毎サーヴィスゲームでBPと戦わなければならないフェレール。BPの数も第2ゲームだけで6つも迎えてしまい、サーヴィスゲームの弱さが最後は命とりとなりました。

マリーと呼ぼう運動
これからどんどんマリーが勝っていくことが予想されます。そして人気も上がってくるでしょう。来年はマリーは楽天ジャパンオープンに来てタイトルをディフェンドするはずです。そこで皆さんにお願いがあります。

今までMurrayの発音の仕方を表記してマリーと呼んでもらう運動を展開してきましたが、日本ではマリーと書いているのは時事通信くらいなもの。(時事通信の記事を掲載している新聞はマリーです)

Wikipediaがマレーですし、スポーツナビのテニス、テニス365など、テニス専門メディアまでがマレーと呼んでいます。しかも楽天ジャパンオープンのサイトでもマレーと書いてます。

イギリス人が読むと:

アメリカ人が読むと:

このようにイギリス人が読んでもマリー、アメリカ人が読んでもマリーです。しかも上海で中国人の若い子たちが「マリー!」と大声で応援していましたので、中国でも マリーと呼んでいますね。なのに、日本だけが「マレー!」と呼んで、楽天オープンのチャンピオンを応援するのは、ちょっとアンディに失礼だと思います。

そこで来年来てくれるアンディに失礼にならないように、「マリーと呼ぼう運動」を強化していきたいと思っています。とりあえずマレーと書かれたコメントは、マリーに訂正して掲載させていただきますのでご了解のほどお願いいたします。

 

 

No related posts.

UA-6754709-2