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2011年の記録男となった錦織圭、お疲れさまでした!

November 8, 2011 Paris Masters:

残念でした。錦織圭は自分のテニスができないまま、パリのマスターズの初戦でスタコフスキーに敗退してしまいました。

日曜日にスイスインドアーズ決勝。試合後すぐバーゼルからパリに飛んで火曜日に1回戦。移動するだけでも疲れるのに、このスケジュールは過酷なものがあります。疲れがみえたプレーは仕方がなかったと思います。

バレンシアで優勝したグラノエールと準優勝のモナコも、一日だけの休みで今日1回戦を行います。ホントにプロはきびしいですね。しかしフェデラーはシード選手ですので1回戦はBye(不戦勝)でちょっとゆっくりできます。ここがノーシードの選手との大きな違い。

スタコフスキー def 錦織:6-4 6-3

圭君が敗退してしまった試合は、細かくどこが悪かったという分析は書きたくないですし、また読みたくないと思いますので、できるだけ簡単に感想を述べてみたいと思います。

一言でいうとフィジカルとメンタルの疲労が敗因だったように思います。フィジカルはいうまでもなくバーゼルで決勝戦をやったすぐ後の試合ですから、疲労度は相当なもの。メンタルは決勝進出という偉業を達成した疲労感と心の空洞。よくある成功の後にやってくる沈んだ気持ちとでもいいましょうか。

案の定、バレンシアで優勝したグラノエールが、今第1セットを3-6で落としてリタイアをしてしまいました。決勝にすすんだ彼は、圭君同様に休む暇なくパリへの移動で疲れきっていたのでしょう。過酷な世界です。圭君がリタイアしなかっただけでもラッキーだったかもしれません。バレンシアで準優勝したモナコも今日試合にでますが、彼がどのようなプレーをするのか興味があります。どうかリタイアになりませんように。

それにしても連戦連勝を続けてきたジョコヴィッチの心身のタフさには、今さらながら驚かされます。

第1セット

圭君は最初から元気のないループボール(スピンを強くかけてループを描くようにして打つショット)が多かったです。これはアグレッシヴなショットではなく、ときどき混ぜて相手のリズムを崩すときに使いますが、多様するとディフェンスショットになってしまいます。

最初のサーヴィスゲームで、BH(バックハンド)のループボールが出てしまって、すでにBP(ブレークポイント)を迎えてしまった圭君。切れの悪いショットが続いていますが、辛うじてブレークされずに守りきりました。

スタコフスキーのサーヴがものすごくよくなってきました。率は65%くらいですが、BPでエースかウィナーをとってセーヴすることができるのが、圭君との大きな違い。

圭君のサーヴはそれほど悪くないのですが、サーヴで得点がとれるほどではなく、毎回ラリーを続けなければならないのが辛いところです。このような選手はカウンターパンチャー的なテニス(相手のボールをカウンターすることに重点をおき、アグレッシヴに攻めない)では負けてしまいます。

圭君はじっくりとラリーを続けてから、チャンスでウィナーを・・・といったテニスをしているうちにスタコフスキーにリズムを与えてしまい、どんどん彼の調子がよくなってきました。

第7ゲーム(3−3)スタコフスキーのサーヴ
しかしようやく圭君はスタコフスキーを左右に振りながらウィナーを狙うテンポが速くなってきました。アグレッシヴなショットでスタコフスキーにエラーをおかさせてブレークに成功。

第8ゲーム(4−3)錦織のサーヴ
しかしよく圭君はすぐブレークバックされてしまう悪い癖(?)があります。今回も3度つまらないエラーをおかして、15−40で簡単にブレークバックされてしまいました。これでは相手にプレッシャーを与えることができません。

第9ゲーム(4−4)スタコフスキーのサーヴ
こんなゲームは観たことがありません。圭君は何と7つもBPを逃してしまってブレークチャンスを失ってしまったのです。
BPでスタコフスキーはサーヴィスウィナーをとってくるとんでもない選手です。こんなにサーヴがすばらしい選手だったとは!

彼のサーヴをみているとブレークするのは至難の技に思えてきます。圭君にとってはすごいプレッシャー。エラーをおかしてブレークされてしまっては、ブレークバックはむずかしいので、慎重にならざるを得なかったと思いますが・・・

第10ゲーム(4−5)錦織のサーヴ
圭君がネットラッシュを続けてスタコフスキーにプレッシャーをかけるのはよいのですが、どうもネットポジションとヴォレーがまだ練習不足。ヴォレーのミスが多いのが気になりました。でもこれは練習を重ねればうまくなるはず。圭君が失敗を恐れず、ネットにやってくる努力はとてもよい傾向だと思います。

第2セット

第1ゲーム(0−0)で圭君がブレークしたかと思えば、すぐ第2ゲーム(1−0)でブレークバックされてしまう展開。圭君のショットがあまいので、調子が出てきたスタコフスキーに揺さぶられている感じがします。

第6ゲーム(2−3)どうもなんか調子がでないなあ、という感じで30−30でシャンク(ボールをうちそこなって高くあげてしまう)してしまった圭君。BPではスタコフスキーのリターンエースを食らってブレークバックされてしまいました。

しかし圭君のサーヴは72%でよいのですが、スタコフスキーのリターンがよくなってきたのでしょう。52%しか得点できていません。

スタコフスキーはサーヴもストロークも安定し、圭君を左右に揺さぶる余裕がでてきました。第9ゲーム(3−5)では2度BPになりながらブレークチャンスを落としてしまった圭君。40−40から一挙にスタコフスキーはアグレッシヴにネットラッシュをして、2度ともヴォレーで決めてしまって勝利を勝ち取りました。

センターコートで何かイヴェントをやっているのでしょうね。音楽がガンガンとなって、アナウンサーの声がうるさい!よくこんなうるさいところで試合をしなければならないのがちょっとかわいそうでした。

圭君にとっては不甲斐ない試合だったと思いますが、いかに勝ち続けることがむずかしいか。またそれをやり通さなければランキングを維持できないトップランカーたちのすざましい競争の世界に一歩近づいただけでも、この試合はプラスだったと思います。

圭君、お疲れさまでした! テニスファンにとっては一生忘れることのない、歴史的を共有できた一週間でした。
テニスファンへの最高のプレゼントをありがとう!

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