November 13, 2011 Paris Masters Final
ツォンガの決勝進出でパリマスターズにとっては理想的な決勝となりました。パリでは地元の選手を上回るほどの人気があるのがフェデラーです。会場の雰囲気はまるでデ杯というかロックコンサートのような興奮の渦。
フェ デラーとツォンガの過去の対戦記録は、フェデラーの5勝3敗。しかし今年はどうしたわけか、二人の対戦がこのパリで6度目という多さ。ウィンブルドンでは ツォンガが勝ち、USオープンではフェデラーが勝って、今年はフェデラーの3勝2敗となっていますが、さてパリの勝敗は?
Photo: SKY Sports
Federer def Tsonga: 6-1 7-6(3)
第1セット
フェデラーが絶好調ですので、ツォンガが地元の応援でゾーンに入った完璧なプレーができるかどうか? コイントスに勝ったツォンガはレシーヴを選びました。
第1ゲーム(Tsonga vs Federer: 0−0)フェデラーのサーヴ
最初からアグレッシヴに攻めてくるツォンガは、フェデラーを左右に揺さぶってすでに15−40。フェデラーのサーヴが思わしくなく38%の低率。このままだとツォンガの勢いに押されてしまいそうですが、ツォンガのエラーで40−40に回復。
デュースでフェデラーは走りながらBHのクロスの見事なウィナーを打ち放しました。このショットが準決勝でベルディフから何度もポイントを奪ったスーパーショットです。フェデラーは2つのBP(ブレークポイント)を免れゲームを辛うしてホールドしましたが、アグレッシヴなツォンガは危険です。
第2ゲーム(0−1)ツォンガのサーヴ
最初からエースです。2度目もエースとサーヴが好調なツォンガ。しかしフェデラーもツォンガに負けないアグレッシヴな攻めで、リターンウィナーを勝ち取って30−40のBPとなりました。ツォンガは惜しくもネットコードで球を外に出してしまってブレークされてしまいました。
しかしツォンガのサーヴは67%と好調です。大量のアドレナリンで興奮状態にありエラーをおかしていますが、落ち着いてくればフェデラーも油断はできません。
第3ゲーム(0−2)フェデラーのサーヴ
フェデラーはエースを入れますが、ベルディフ戦のときのような圧倒的なサーヴではありません。お互いにエラーをおかしたりウィナーをとったり。しかしツォンガは肝心のポイントで、力が入ってエラーをおかしてしまうのをやめなければフェデラーをブレークするのはむずかしい。
第4ゲーム(0−3)ツォンガのサーヴ
フェデラーがFH(フォアハンド)のダウンザラインでリターンエースをとりました。フェデラーのアグレッシヴなリターンゲームで、ツォンガのエラーをさそって15−40のBP。辛うじてサーヴィスウィナーで40−40に。しかし肝心のゲームポイントをエラーで落としてしまうツォンガは無駄の多いプレーをしています。
フェデラーは3度目のデュースでまたFHのダウンザラインのリターンウィナーをとりました。これは新しい武技ですね。ツォンガはプレッシャーでダブルフォルトをしてしまって、自滅のダブルブレーク。最悪のシナリオとなってしまいました。
第5ゲーム(0−4)フェデラーのサーヴ
2度ブレークしたフェデラーに余裕が出てきました。サーヴの確率だけでなく、質が上がってきて、ほとんどツォンガはリターンができません。できたとしても上げてしまってフェデラーにたたかれて、40−0でフェデラーがあっという間にサーヴィスゲームをホールドしました。
第6ゲーム(0−5)ツォンガのサーヴ
しかし気持ちを取り直したツォンガはまずはエース。フェデラーのドロップショットに追いつきパッシングショットのウィナーで40−0。最後はサーヴィスウィナーで1ポイントもフェデラーに与えることなく、ゲームをホールドする強いサーヴィスゲームです。
第7ゲーム(1−5)フェデラーのServing for the set
ここから挽回するのはほぼ不可能になったツォンガは、一か八かのBHリターンでエースをとりました。しかしラリーになるとツォンガは辛抱強くチャンスを待って、FHインサイドアウトのウィナーを決めて40−40へ。このような確実なラリーができるとよいのですが、ここからがいつもツォンガの問題。さあこれからポイントを取りにいくぞ!とばかり気張ってしまうのが難点でエラーをおかしてしまいます。フェデラーはゲームポイントでツォンガの浮いたリターンを叩いて第1セットを獲得しました。
ダブルブレークで完全にサーヴのリズムを取り戻してしまったフェデラーを崩すのはますますむずかしくなってきました。
第2セット
第1ゲーム(0−0)ツォンガのサーヴ
ツォンガが落ち着いてきたのか、ゲームがそれほど接戦にならず、ゲームがとれるようになってきました。 サーヴがよいのでフェデラーのリターンが浮いてきます。浮いたフェデラーのリターンをネットラッシュしてヴォレーで処理。なかなかよい感じです。
第2ゲーム(1−0)フェデラーのサーヴ
しかしフェデラーも負けてはいません。1stサーヴは75%の確率でツォンガのリターンをことごとく叩いて40−0でホールド。あっという間にゲーム終了です。
第3ゲーム(1−1)ツォンガのサーヴ
まるでサーヴのエグジビションのようなゲーム展開になってきました。ツォンガはなんと3ポイントをすべてサーヴィスウィナーでとりました。リスクを負ったサーヴをしますので、ダブルフォルトもありましたが、ハイレベルのサーヴィスゲームが続きます。
ラリーのない速いテンポの試合がつづき、試合時間は今までにたったの39分。このまま2セットで終わってしまったら本当につまらない決勝になりますので、何とかツォンガにがんばってもらわなければなりません。
第4ゲーム(2−1)フェデラーのサーヴ
ツォンガの悪い癖が出てブレークチャンスを逃してしまった惜しいゲームとなりました。
悪い癖1は肝心なポイントで博打的なショットを打つこと。
30−40と迫ったツォンガはこのBPで信じられない乱暴なリターンを行ったのです。リターンエースを狙ったのでしょうが、どうしてこういう確率の低いギャンブルをするのか理解に苦しみます。
悪い癖2はツォンガはショットの選択です。
ときどき首をかしげるようなショットの選択を行うことがあります。40−40で何でこんなときにドロップショットを?というわけの分からないショットで、当然のことながらエラー。
第5ゲーム(2−2)ツォンガのサーヴ
ツォンガのサーヴは安定した強さで、2ndサーヴでエースもとり、3つのサーヴィスウィナーで圧倒的なサーヴィス力をみせています。
第6ゲーム(3−2)フェデラーのサーヴ
フェデラーのサーヴの確率が58%に落ちてきましたが、ツォンガがエラーを重ねてフェデラーにゲームをプレゼントしてしまいました。今までウィナーでとってきたゲーム展開とは違って、エラーによって助けられたサーヴィスゲームですが、フェデラーの速いテンポの確実なショットメイキングがプレッシャーとなり、ツォンガのフットワークがついていくのが難しくなってきました。
第7ゲーム(3−3)ツォンガのサーヴ
相変わらずツォンガのサーヴは強くフェデラー40−0でゲームをとりますが、問題はリターンゲームです。
第8ゲーム(4−3)フェデラーのサーヴ
フェデラーが目にみえて1stサーヴの確率が悪くなってきました。45%にまで落ちてしまっています。
しかしショットメイキングでツォンガに対抗。二人の緊迫したラリーがつづきます。ツォンガの変わったジャンピングBHのリターンウィナーをとって30−40のBPヘ。そこでまたツォンガがロングに出してしまうエラーでブレークチャンスを逃してしまいました。ここでブレークしなければという意識が強すぎると体が固くなりエラーが出てきます。
第9ゲーム(4−4)ツォンガのサーヴ
二人のレベルが上がり、まるでエグジビションのようなスーパープレーで面白くなってきました。
30−30でツォンガがロブをあげ、フェデラーが後ずさりしてBHで見事なクロスウィナー。
30−40のBPでツォンガがネットラッシュして、BHのすばらしいハイヴォレーでツォンガはブレークから逃れました。
40−40でフェデラーが回り込んでFHインサイドアウトのウィナー。
ツォンガは1stサーヴは62%ですが、ポイント率は89%。フェデラーのサーヴが下がってきていますので、このままエラーを少なくすれば第2セットをとれるかもしれません。
第10ゲーム(5−4)フェデラーのサーヴ
しかしフェデラーのすごいところはすぐに回復してしまうこと。何とすべての1stサーヴを入れて確率100%で40−0でゲームをホールドしてしまったのです。
こういうことがあるので、ツォンガはBPのチャンスは絶対逃してはならないのです。
第11ゲーム(5−5)ツォンガのサーヴ
しかしツォンガのサーヴのレベルは全く落ちません。フェデラーがリズムをとりもどしてきたので、二人のサーヴィスゲームが崩れないので、タイブレークになるはず。
第12ゲーム(6−5)フェデラーのサーヴ
サーヴが戻ってきたフェデラーは全くツォンガのリターンを寄せ付けず40−0でゲームをホールドしました。
いよいよタイブレークです。
フェデラーとツォンガのサーヴの確率もポイント率もほぼ変わらず。こうなると大舞台での経験がものをいいます。一か八かの勝負に出てくるツォンガはエラーで自滅する可能性があります。
やはり予想した通り、ツォンガは2つのエラーで2ポイントを落としてしまってすでに0−4。
ツォンガのサーヴィスウィナーを入れてやっと1ポイント。1−4
しかしフェデラーもエースを入れて1−5
ツォンガのBHをネットにかけるエラーで1−6のチャンピオンシップポイントです。
もうここからは回復は不可能。ツォンガは最後はFHを出してフェデラーの優勝が決定しました。
この試合では多くのポイントがサーヴで決まってしまうゲーム展開でしたので、手に汗を握るラリーの応酬が少なかったことが残念でした。第2セットでツォンガにもチャンスがあったのですが、フェデラーとの差はやはり歴然としていました。
フェデラーの強さは6週間の休みにあり
フェデラーのすばらしさは前記事で書きましたが、パリでは最初の一球から打球音が違っていました。6週間かなりフィットネスに重点をおいてトレーニングしたのでしょう。フットワークとスタミナが一段と向上し、以前はふっとフォーカスが切れてしまう瞬間もありましたが、すぐ回復することができるようになりました。とにかくテニスが久しぶりにできて嬉しい、といった心身ともにフレッシュな状態が、すべてをコネクトして相乗効果を生んでいったのだと思います。
フェデラーの故障については『フェデラーが上海マスターズをキャンセルした3つの怪我とは』で書きましたが、バーゼルとパリの快挙は、思い切ってアジアをやめて6週間の休養に踏み切った勇断の勝利だったと思います。
トップ選手のほとんどが一年の疲れが出て、故障と戦って試合をしています。その中で6週間という大きなプレゼントを心身に与えたフェデラーは、テニスのマラソン選手です。途中で抜かれてもペースを崩さず、最後のゴールでにっこり笑うフェデラー。トロフィーをかかげたフェデラーの目がうるんでいました。私もうっすらともらい泣きです。
ロジャー、バーゼルにひきつづき優勝おめでとう!
では決勝のハイライトをお楽しみください。
~ ~ ~ ~ ~ ~
Children: You spend the first 2 years of their life teaching them to walk and talk. Then you spend the next 16 years telling them to sit down and shut-up. (子育てとは、最初の2年間は歩き方と話し方を教え、次の16年間は、子供に落ち着いて座ることができること、そして口答えをしないで黙っていることができることを教えること。)
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします♡
Related posts:





最近のコメント