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アンディ・マリーを知る(1)「ボクシングに情熱を燃やす」

November 17, 2011

今年の楽天ジャパンオープンでアンディ・マリーが大活躍して、多くのテニスファンを楽しませてくれました。コートサイドのマナーもよく好感のもてるマリーに、日本でもマリーファンが増えたことと思います。毎年USオープンでマリーを生観戦している私ですが、素顔のマリーに触れる機会があり、彼のイメージが全く変わってしまいました。トップ選手の中で、最も誤解されている選手がマリー。ここで彼の素顔にせまってみたいと思います。

11月15日のイギリス紙 Daily Mailに掲載された興味深いマリーのインタビュー記事を要約してご紹介したいと思います。

アンディ・マリーは大のボクシングファンであることは知られています。彼自身はサンドバッグで練習することはあっても、とてもリングで相手にパンチをくらわせることはできない性分。そんなアンディがなぜ熱狂的なボクシングファンになったのか?

アンディはイギリスローン協会の招待を蹴ってバルセロナのサンチェス・カサール・テニスアカデミーにテニス留学したときの話です。テニスのトレーニングの後は、スペインの子供たちはボクシングのグローブとヘルメットをつけてボクシングを楽しむのだそうです。アンディは彼らの中に入ってボクシングをやることはありませんでしたが、彼らがボクシングをするのを観ていて魅了されてしまいました。

先週のパリマスターズのためにパリ入りを果たしたアンディはさっそく個人的に親しくなったイギリスのプロボクサー、ジョージ・グローヴスのマッチに出かけました。

僕の個人的に知っているボクサーのマッチのときは、彼がパンチを食らうのは見てられない。ものすごく緊張してしまって体が震えてくるんだ。デイヴィッド・ヘイが戦ったときなど、ツーラウンドで僕はいたたまれなくなって外に出てしまったくらいだ。ボクシングは熱中してしまって観戦するのがむずかしいスポーツだけれど、僕にとってはこれほどアドレナリンが湧き出てくるスポーツはない。

テニスと似ているのはリングとコートは二人だけのグラディエーターの世界。その孤独な世界から出れるのは勝利か敗北のみ。

ボクシングを初めて見たのは13歳のとき。マッチとしてはそれほどレベルの高いファイトではなかったけれど、ものすごくスリルがあって興奮したことを覚えている。ボクサーの自己規制、相手の徹底的研究、犠牲、献身的な努力に魅了されてしまった。

ヘヴィーウェイトのヘイがマイアミでトレーニングしているのを見に行くことがあるが、そのジムはヘイのような世界チャンピオンと混じって60歳の女性や子供たちがトレーニングしているんだ。初心者でもチャンピオンでも誰でもがトレーニングできる設備と雰囲気があるすばらしい所だ。

テニスはすべてがきちんとしていてナイスなスポーツ。しかしボクシングはスポーツの本質をコアとするピュアなところが僕は好きなんだ。

グローブをつけてスピードバッグやサンドバッグで練習することはあるけれど、実際に戦ったことはない。トレーニングをやっている仲間と、ファイトクラブをつくって、いつかはリングに立ってみようと話し合っているんだけれど。

Photo: Evening Standard: マリー グローヴス ヘイ

元コーチのギルバートによると、アンディの趣味はテニスの試合を分析することとビデオゲームで、試合の前は必ずビデオで徹底的に対戦相手を研究するとか。しかしせっかく相手を研究しつくしても、実戦で相手がプレースタイルを突然変えて戦ってくる場合があります。

テニスもボクシングも対戦相手よりもより多くの犠牲を払う覚悟があれば勝つチャンスが増してくる。相手より1マイル余分にがんばれば結果がともなってくるはずだ。

酒が飲めずパーティが苦手で一見内向的にみえるアンディから、ボクシングに情熱を燃やすアンディを想像するのはむずかしいものがありあます。コートで感情がコントロールできずネガティヴに走ってしまうこともあるアンディですが、ボクシングを続けることによって、何度ダウンしても立ち上がって戦い続けるファイティングスピリットが血となり肉となって、メンタル的にも強靭なアンディが生まれる日も近いような気がします。

『マリーの知る』は連載していく予定です。

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