World Tennis News Magazine 世界のホットなテニスニュース・選手の近況・試合の分析を満載した画期的なブログマガジン

マリーの棄権の可能性:フェデラーのマリーに対するきびしい発言

November 22, 2011

昨日のロンドンファイナルズでフェレールに4-6 5-7のストレートで敗退してしまったアンディ・マリーでしたが、第1セットが終わったあと、メディカルタイムアウトをとり、左の股の筋肉をマッサージを受けました。この筋肉は練習中に痛めてしまったもので、マリーが最も心配していたことでした。

「グランドスラムや地元のファイナルズでなければ出場していなかった。」と敗退後の記者会見で語ったマリーは、周りの反対を押し切った出場だったようです。

Photo: PA

怪我のために練習もろくにできなかったと語るマリーは、最初からフラットな感じで、ぎくしゃくしたプレーをしていました。エラーの連発。怪我や練習不足による自信の喪失が原因していたとしても、フェレールの執拗なカウンターパンチはマリーを挫くに十分で、たとえマリーが第2セットを取ったとしてもしぶといフェレールに勝つことはむずかしかったと思います。

イギリスで解説を担当しているボリス・ベッカーとグゼツキーは、コートに登場したアンディをみて、「今日のアンディはどうも元気がない」と彼のコンディションをすでに見抜いた解説をしていたそうです。

マリーの敗退の理由をすべて故障のせいにはできませんが、やはり大きな敗因の一つであったことは確かです。ルールでは水曜日に予定されているベルディフ戦直前まで、棄権するのかどうかの決断を下す必要はありませんが、マリーが棄権すると、フェデラーの3位奪回のチャンスは大きくふくらんできます。

もしマリーが棄権した場合は、ランキング9位のティプサレヴィッチがサブとしてマリーのスポットに入ることになります。アジアを征服してきたマリーにとって、地元でベストコンディションで戦えないのはとても残念なことだと思います。

フェデラーのマリーに対する発言について

フェデラーはマリーのアジアの3連勝(バンコク、東京、上海マスターズ)の快挙に対して、以下のような発言をして、いろいろメディアに取り沙汰されていますので、その背景を説明したいと思います。

マリーがやったことを過小評価するわけじゃないけど、アジアは最強のトーナメントっていえるかい? 僕やジョコヴィッチがいなかったし、しかもラファが早退してしまっているんだよ。

これはずいぶんマリーに対して失礼な発言だと思います。記者会見で公に発言する言葉ではありません。もし誰かがフェデラーのフレンチオープンの優勝に対して「ラファがいなかったからラッキーだったよ。あの優勝は。」と記者会見で言えばどうでしょう。仲間同士では許される発言でも、公にメディアに向かって言ってはならない言葉です。

フェデラーのこの発言をどう思うか?という質問にマリーはこのようにコメントしています。

僕がたぶんロジャーをイライラさせているのかもしれない。でもトーナメントで誰がフィットしていて、誰がフィットしていないかは問題ではない。3週間連続でトーナメントに勝つのは大変むずかしいことだ。それをやり遂げるのはとてもタフなことで、今までどれだけの選手が成し遂げたか。

しかも僕は東京ではラファを決勝で倒している。彼はNo.2の選手だ。上海ではフェレールが相手でNo.5だ。

しかしどうしてマリーは「ロジャーをイライラさせているのかもしれない」と発言したのでしょうか?

その理由は多分二つあるように思います。

(1)バーゼルのWCをリクエストしたこと

マリーは「トーナメントの数を減らすべきだ」という意見を記者会見やTwitterで主張してきました。そのマリーが突然バーゼルにWCをリクエストしてきたのです。

フェデラーはバーゼル大会のときに、かなり厳しくバーゼル紙でマリーを批判しました。 フェデラーの言い分は、普段トーナメントを少なくせよと言っていながら、なぜ突然WCをリクエストしてくるのか?

マリーにWCを与えたことによって、スイス人で最初にWCをもらったチウンディネリはせっかくのWCをあきらめなければなりませんでした。最終的にWCをもらったのは、錦織、ヤング、マリーの3人でしたが、出場直前にマリーが怪我をしてWCをキャンセル。結局予選から上がってきたチウンディネリがラッキールーザーとなって、皮肉にもマリーの穴を埋めることになったのです。

(2)フェデラーの3位を狙うマリー

「今年のゴールは3位」と公言してはばからないマリーは、フェデラーにとってあまり気持ちのよい存在ではないことは確か。ジョコヴィッチとナダルの地位は不動なのですから、フェデラーを蹴落とすのが僕のゴールだと言われているようなもの。

マリーが3位になった週は10月17日です。マリーは7825ポイント。フェデラーは7780ポイントで二人の差はわずかに45ポイントとなりました。3位を確定するために、バーゼルもしくはバレンシアに出場すれば、少しでもフェデラーとの差を離すことができ、しかもパリへのウォームアップになるとマリーは考えたのでしょう。

マリーはまずバレンシアにWCをリクエストしましたが却下されてしまいました。バーゼルは地元の選手を犠牲にしても、ジョコヴィッチ、フェデラー、マリーのトップ4が出場すればチケットの売り上げが保証されたようなもの。トーナメントはビジネスです。バーゼルのWCを責めることはできません。

またマリーのWCリクエストについても、選手は怪我などで刻々と事情が変わってくるのですから、トーナメントを少なくせよと主張する選手が、WCをリクエストするのはおかしいと単純に批判はできません。

私がフェデラーの言動に対してきびしい記事を書くと、またフェデラー妄信ファンからおしかりを受けそうですが、あえて記事にしたのは、私のロジャーに求めるスタンダードは高いのです。

「ロジャーよ、あなたは今年も人気No.1に選ばれた永遠のチャンピオンです。マリーが3位になろうが、WCをもらおうが、まだGSタイトルもとれないで苦闘している若輩が吠えることに対して、同じように吠え返してはチャンピオンが泣きます。堂々とコートで勝負をして、後輩たちに真のチャンピオンの姿をみせてやってください。」

(更新)

ファイナルズでは、トーナメントが始まる前に、記者たちがこれぞと思った選手を取り巻いてインタビューをする機会をもうけます。そのときにマリーのアジアの3連勝についてどう思うか?との質問がフェデラーに投げかけられたようです。

しかし、フェデラーが続けて語ったことがどうやらカットされて報道されたように思います。

フェデラーの以下のようなコメントをみつけました。

アジアを3連勝したのはすばらしいが、だからといってマリーがトップになれるということではない。

今のマリーはグランドスラムがどうしてもとれなくてストレスがたまってしまった頃よりは、いろんなアップダウンを経験してきて、かなりリラックスできるようになってきている。マリーはいつでもGSをとれる選手だと思っているし、2012年は彼にとってよい年となるだろう。今のテニスはほんのちょっとしたマージンで変わってしまうクレージーなスポーツなんだから。

フェデラーのアジア連勝に対するコメント(別にだからといってトップなれるということじゃない)に対して、マリーのカウンターパンチが実にスマートでした。

Hopefully, I will get a chance to play against him this week and we can let our tennis do the talking.

今週、彼とテニスをするチャンスがくることを願っているよ。テニスを通してこの話の続き(マリーがトップになれるのかどうか)ができるからね。

✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ✦

ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします♡

No related posts.

UA-6754709-2