January 3, 2012: Doha
ナダルは昨日の記者会見でラケットを重くしたことを発表しました。この発言で一挙に今日のナダル vs コールシュライバー戦が注目を浴び、解説者も試合中に盛んに重さを変えることの賛否について語っていました。ラケットは同じバボラの AeroPro Driveですが、どれくらい重くしたのか詳しい内容は分かっていませんが、なぜナダルはラケットを重くしたのでしょうか?
私もときどき好奇心から、レッドテープ(鉛のテープ)をラケットのいろんなところに貼ってラケットの重量やバランスを変えてみることがあります。しかし私などの遊びの場合はともかく、プロがトーナメント前に変更することに対して、また肩がまだ完治していない状態で、なぜラケットを重くしなければならないのか?という疑問が湧いてきます。
実はナダルは昨年のUSオープンの後にラケットを重くしたいと望んでいたのだそうですが、スケジュールの関係で実現しませんでした。
新しいラケットがデ杯の後に家に届けられてきて、そのラケットで一ヶ月か最低3週間練習する予定でした。しかし現実には一週間しか練習できず十分な準備ができていないのです。
何をやるにしても最初からパーフェクトなスタートは望めないと思っていますので、シーズンの始めは影響がでるかもしれませんが、僕のテニスの向上に役立つと信じています。
「新しいラケットではコントロールがまだうまくできないけれど、長い目でみればプラスになると信じている。」というナダル。
「重さを加えることによってよりパワフルなショットを打てるようになりたい」とナダルは変更した理由を語っています
ナダルの言うパワフルなショットとはどんなショットをさすのでしょうか?
体重をかけて体ごと前方に向かって打ってくるツォンガは、プロでも最もパワフルなショットを打つ一人だと言われています。しかしナダルはツォンガのようなスピードあふれるフラット気味なショットを打つことはできないと思います。頻繁にバギーウィップで打つナダルのフォームは、強烈なスピンを生むことはできても、スピードのあるフラットなショットはグリップとフォームを変えなければなりません。
ナダルの最大の課題はパワフルなショットではなくディープボールを打つこと、ベースラインから下がらず早めに打つことの2点だと思いますが、確かに重いラケットですと、私の個人的な経験ですが、よりディープなショットを打つことができたように思います。しかし疲れが激しく、ラケットスピードも落ちてしまいましたのでやめてしまいましたが。
アマチュアのレベルですと、ヘヴィーなラケットを使うとスウィングスピードが落ちますが、ナダルのレベルだと影響がないと思います。それよりもナダルが望んでいるような、よりヘヴィーなペースのあるショットを打つことができるようになるかもしれません。
ラケットをヘッドヘヴィーにしたという噂を聞きますが、これはサーヴによい影響が現れるかもしれません。コールシュライバーとのタイブレークの以下のビデオを観ていただい てもお分かりのように、2ndサーヴをアタックされてリターンエースを取られてしまっています。今のナダルにはサーヴの改善が必須なのですが、それにして も2010年のUSオープンで優勝したあのサーヴはどこに消えてしまったのでしょうね。
ナダル def コールシュライバー:6-3, 6-7 (2), 6-3
ナダルはアブダビのエグジビションから新しいラケットを使っていたと思いますが、patchy(安定しない)なプレーだったようです。ナダル自身もドーハは「あまり期待はできないと思う」といったネガティヴなコメントを残しておりましたので、初戦で負けるかも・・・なんて心細い気持ちで観戦しておりました。
しかし嬉しくも予想を裏切って、第1セットでは従来のナダルが蘇ったようなすばらしいプレーをみせ、おお!ラケット大成功!と喜んだのですが・・・
対戦相手のコールシュライバーは今までナダルと7回対戦していますが、一度もナダルを破ったことがありません。しかしハードコートでは、ナダルから必ず1セットをとってきているしぶとい選手です。今日のコールシュライバーは「今日こそ勝ってみせる!」という強い決意があったように見えました。第2セットのコールシュライバーはアグレッシヴにナダルをアタックし始め、ナダルは9割もベースラインから下がってしまうディフェンシヴなプレーで、タイブレークを落としてしまいました。
第2セットのタイブレーク
しかしやはりナダルはナダルでした。第3セットでは落ち着きを取り戻し、アグレッシヴにコールシュライバーにプレッシャーを与え続けてダブルブレーク。6−3で勝利をかちとりました。
ナダルのスタッツをみると1stサーヴは74%の高率。第3セットは83%にも上がっていました。しかもエースが7本です。さっそくサーヴに好影響があったのでしょうか。ストロークは片手バックハンドのスライスがうまくいかなかったようですが、フォアハンドもバックハンドも悪くなかったように思います。
それよりも今のナダルに最も必要なことは「自信」です。自信が薄れるとベースラインから下がってしまい、ショートボールになってしまいます。重いラケットでパワーがでると信じることができれば、それだけでプラス。おまじないでも何でも「自信」につながることはすべてプラスです。新しいラケットで心機一転。頑張ってほしいと思います。
Vamos Rafa!
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