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ナダルのサーヴを直したコーチボラスがナダルを訴訟:映像で比較分析

January 9, 2012 (ビデオ更新:ナダルの最新サーヴとモデルとされるイズナーの比較)

最近のナダルのサーヴはスピードが低下して威力がありません。昔の悪い癖が戻ってきたようで、サーヴィスゲームをホールドするのがむずかしく、ドーハでモンフィスにストレートで敗退してしまいました。

スペイン紙のas.comによると、昨年10月26日にバレンシアの南にあるAlicanteでテニスクラブを経営するオスカー・ボラス Oscar Borras がナダルを訴えたとか。その理由は、2010年のUSオープンのときのサーヴが著しく向上したのはボラスの指導によるもので、「そのことに対して何の認識をも得られないのは不当な扱いである」というもの。

そのボラスがナダルを指導したビデオがみつかりましたので紹介します。ナダルのサーヴについて詳しい分析が加えられていて、私たちのサーヴにも役立つこと請け合いです。

2010年のUSオープンのときです。解説者のマッケンローがナダルをブースに呼んで質問しました。

どうして急にサーヴがよくなったの?その秘訣を教えてくれない?

簡単なんですよ。グリップを少し厚くしただけなんです。

このナダルのコメントですっかり私たちは「へえ〜グリップを変えただけでこんなに変わるもんなの?」と驚いたものですが、これはナダルのいってみれば軽い冗談。あれからよく注意して見てみましたが、グリップは前と同じコンチネンタルです。ではナダルに何が起こったのでしょうか?

実は2009年10月に、ナダルはオスカー・ボラスからレッスンを受けています。レッスンはわずかに90分だったそうですが、プロともなると飲み込みが早く、レッスンの終わりには、すでにナダルのフォームは新しく変わっていました。

このビデオをみていると、私がコーチアッシャーから受けているサーヴのレッスンと全く同じ内容なので驚きました。

話が飛びますが、ジョコヴィッチは2年前の夏、USオープンの前に私の通うコートセンスのクラブでサーヴを直し、彼の今のサーヴが誕生しました。しかしジョコヴィッチはコートセンスのヘッドコーチのカルロスの名をどこにも出しません。だからといってコートセンスはジョコヴィッチを訴えるなんてことは夢にも思っていないはず。ボラスの気持ちは分からない訳ではありませんが、コーチとはそういう存在なのではないでしょうか。

ではまずtennisoxysion.comがボラスからビデオをもらってYouTubeにアップしたナダルのレッスンビデオをご覧ください。場所はマヨルカです。左の時間はビデオのタイムログです。

0~2:36  ビデオの解説(この部分は飛ばしてくださって結構です)

2:37 Before and after

スクリーンを左側を「2010年USオープンのサーヴ」、右側を「2009年のサーヴ」に分けて説明。2009年のサーヴの主な問題点は、トロフィーポジションでトスの手が前によりすぎていること、ラケットを握る腕が伸びきってしまい上がりすぎていること、足がそろっていない、の3点。

3:41 トロフィーポジションでラケットが上がりすぎている従来のフォーム

3:56 Step One: 正しい投げるモーション

まずボールをベースラインから投げる練習。投げるモーションはサーヴのモーションに似ているため、球を投げることによってラケットスウィングを加速させることができる。ラファは練習を重ねていくうちにボールを速く投げられるようになったとすでに効果のあることを認めています。

4:54 Step Two: 問題点を認識

ボラスがコーチトニとラファにYouTubeに載っているラファのサーヴをみせ、どこが間違っているかを説明。ボラスはラファの最大の欠陥はラケットを体から放しすぎることだと指摘。コーチトニはボラスに異論。しかしレッスンを受けているうちにコーチトニもラファもボラスの指摘が正しいことを理解し始める。

6:06 Step Three: 正しい手首のあり方

トロフィーポジションに入るときに、ラファはラケットを握る左手の手首を曲げて下げてしまっていることをボラスは指摘。しかしラファはこの曲げた手首がサーヴをよくしてくれると信じてなかなか納得せず。ボラスは手首を伸ばすことによってモーションが自然となり、ラケットスピードが上がることをことを説明。そして腕を伸ばしきってしまわないで少し曲げることも大切だと強調。(私:かなり基本的なことができていなかったようで驚きました。でもこれはコーチトニの責任なのでは?)

7:10  Step Four:  トロフィーポジションからハーフサーヴを行う

腕を曲げたトロフィーポジションからサーヴの練習。足を使わないで腕の回転モーションだけで打つサーヴで、この練習はラケットのモーションに対する感触を増すことが目的。(これは私も半年アッシャーからやらされました。ものすごく効果的ですので、試合のときにもお試しください)

8:09 コーチトニ自身もこのモーションを練習。徐々にボラスのセオリーが正しいことを認め始める。

8:35  Step Five: サーヴィスラインから練習

サーヴィスラインからできるだけ力一杯にベースラインに向けて打つ。これはパワーアップに有効な練習。あくまでも足をつかわないハーフポジションでの練習。これらのステップを踏んだ練習をすると、力を入れないでパワフルなサーヴを打つことができるようになる。

9:31  Step Six:  トスの腕を正しいポジションに

ラファのトスの腕が後ろにきすぎていることを指摘。体重が後ろにかかりこれではパワーはでない。トスを前方にあげること。サーヴ&ヴォレーの感じでモーションは前に進むことが肝心。

11:08  Step Seven: フットワークのリズム

リズムをつけることによってよいフットワークが生まれる。しかし従来のラファのモーションでは、腕を伸ばし過ぎてトロフィーポジションをとるまでに時間がかかりすぎて、フットワークと噛み合ない。

12:07 卓越したアスリートであるラファは、わずかの90分のレッスンでフォームを改善。

13:00 レッスンの後、コーチトニにイズナーのサーヴがいかに優れているかを説明。ダヴィデンコに敗退したのは、ラファのサーヴがまずかったせいで、よいサーヴを打つことができれば30-40の窮地からも救うことができ、自信につながりよいプレーを生むと説明。

最初はラファやトニの抵抗があったが、レッスンの後はボラスのセオリーが正しいことを認め、チームのムードは大変ポジティヴでよかったとか。

ボラスはラファとトニに指導をする機会を与えてくれたことに感謝。まるで初心者のごとく、最初からやり直すレッスンにラファが従ってくれたこと、そしてトニが反対をせずに理解しようとした努力を賞賛しました。

14:30 結論

2010年のラファの平均サーヴは時速126マイル(時速203km)。しかし2011年の平均サーヴは107マイル(172km)で19マイル(30km)も速度が落ちてしまっている。何が起こったのか? 昔の悪い癖が戻ってしまっている。ではどうすればよいか? ボラスにコンタクトをとり、再びコーチングを受ける必要があり。(ビデオ終わり)

コーチトニはサーヴやストロークのセオリーをどれくらい把握しているのかわかりませんが、ボラスの指摘していることは全く正しいと思います。ベストはボラスと仲直りしてもう一度悪い癖を直してもらうこと。そのときについでに、ファオハンドも改善してほしいのですが。 ナダルはバギーウィップが多すぎて、体重が前にかからないフォアハンドでは、いくらラケットを重くしてもディープな威力のあるショットは期待で きません。ナダルはまだまだ向上できる余地がありますので、いろんなコーチからアドヴァイスを受けてほしいと願っています。

(更新)

ナダルの最新のサーヴ
最近(2011年11月)のナダルのサーヴのスローモーションを見つけました。手首が曲がり、トスの腕の位置が手前すぎ、ラケットの腕が伸びきってしまって、ナダルは昔の悪い癖が戻ってしまっています。

理想的なイズナーのサーヴ
ボラスが模範に示したイズナーのサーヴです。かなり違いがあります。

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