January 16, 2012 Australian Open:
グランドスラムの放送はアメリカでは2つのチャンネルで一日中放送するようになりました。ライヴはESPNで夜7時から翌朝7時まで。録画は引き続き朝7時から夜7時までテニスチャンネルで。つまり24時間ぶっ通しで観戦できるのです。テニスファンにとってはこの2週間は天国です。
トミッチをトミックに呼び方を変更
今までトミッチと呼んでいましたが、これからはトミックに変えることにしました。昨年まではクロアチアの呼び方で解説者たちはトミッチと発音していたのですが、本人が英語の読みのトミックに変更したということで、私も変更することにしました。
名前を英語読みに変更することは一般でもよく行われています。スペルは同じですが英語読みにするのです。夫も名字のスペルは同じですが、読み方を英語風に変えています。それはいちいち説明するのが煩わしいだけでなく、スペルの過ちをおかす原因ともなり、始めは他人の名前を呼ばれているように思いますが、しばらくすると慣れてきます。
トミック def ベルダスコ: 4-6 6-7(3) 6-4 6-2 7-5
前号でトミック勝利の予想を行いましたので、どうなることかとハラハラの5セットでした。ベルダスコは予想通り最初のシード選手の敗退となってしまい、しかも勝てていた試合だけに本当に気の毒でした。会場全体が熱狂的にトミックを応援する中で、4時間11分を孤独に戦い続けなくてはならず、せっかくオレンジのカラーできめた派手なテニスウェアーも浮き上がっていました。
減量してスピードも増し、ショットも安定したきたベルダスコだったのですが、一日も早くこの悪夢を忘れて活躍してほしいと願っています。
第1セットはベルダスコのアグレッシヴなプレーで、圧され気味なトミックはディフェンシヴなプレーで第9ゲーム(4−4)でブレークされたままブレークバックできず。
第2セットではトミックは徐々に固さもとれ徐々に調子が上がってきました。しかしベルダスコが主審からコートサイドコーチングを受けているとウォーニングを受けました。「あれは応援ではなく文章を言っている」という主審の判断にベルダスコが抗議したために試合が一時中断。
主審に抗議するベルダスコ
このためにトミックの集中力が途切れたのか、コロッと0−40でブレークされてしまいました。しかしすぐにブレークバックに成功。タイブレークではトミックは疲れのせいかエラーが目だち、セットを落としてしまって絶対絶命の2セットダウン。
これで勝負がついた感じでしたので、観戦に気が緩んでしまって居眠り。肝心の第3セットと第4セットを見落としてしまったのですが、最終戦の第5セットの後半でハッと目が覚めました。
第5セットの第11ゲーム(5−5)でベルダスコのサーヴです。ベルダスコは15本目のエースをきめて40−30のゲームポイントへ。ベルダスコのエラーが目だってくる一方、トミックはウィナーでポイントを獲得してベルダスコをブレーク。試合は4時間を経過しています。トミックは身長は196cmもあるノッポ選手ですが、まだ19歳でひょろっとした頼りなさそうな体格。彼は炎天下でよくがんばり通しました。
第5セット(5−5)から勝利まで
第12ゲーム(6−5)トミックのServing for the matchです。トミックが冷静であれば焦っているベルダスコを破れるはず。サーヴもよくなりベルダスコのリターンがコートの外へ。40−15でトミックのマッチポイントとなりました。しかしトミックはヴォレーをネットにかけて40−30に。しかしまだマッチポイントが残っています。最後にトミックが見事なフォアハンドのダウンザラインウィナーで決めて勝利を勝ち取りました。
トップ選手に対して2セットダウンから逆転するのは奇跡的なこと。スタミナと経験はベルダスコの方が格段上であるにもかかわらず、彼が勝つことができなかったのは、トミックの調子が上がってきたことと同時に、焦りやすいベルダスコにエラーが目だってきたこと。しかしトミックの最大の勝因は会場の熱狂的な応援だったと思います。トミック自身も「どうして勝ったのか分からない。彼らの応援で最後まで頑張ることができた。」と応援が勝利の鍵だったと語っていました。
トミックの2回戦の対戦相手はクエリーです。昨年は怪我が続き不運なシーズンとなってしまったクエリーですが、2日間でトミックの疲労が回復すれば、自信を得たトミックが勝つと思います。トミックが勝っていけばオーストラリアンオープンも盛り上がってきますので、ぜひ3回戦のドルゴポロフまでは勝ち残ってほしいと願っています。
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トミックの記者会見から(要約)
今日は多分今までの試合の中でベストの試合だったと思う。2セットダウンからカムバックするのは本当に大変なことだった。もし相手が他の選手だったら負けていたかもしれない(微妙な発言ですね。ベルダスコの最大の敵はメンタルであることが知られていますので、冷静な選手だったら負けていたかも。)
僕のどこにエネルギーが残っていたのか分からないが、第1と第2セットは勝てる試合だったので、勝てるという確信が僕のエネルギー源になったと思う。
クーヨンでも試合が終わってから僕はジムで20分くらい走っていた。この炎暑で4時間以上もプレーするにはフィットしていなければ不可能なこと。でも今日はさすがに走らないけれど。
ベルダスコは左利きなので彼が僕のBH(バックハンド)に打ってくると返球がものすごくむずかしかった。2回戦はクエリーで右利きだからこの点はベター。
会場で応援が多いと嬉しいが、負けてくると一人一人会場を去っていくのを見るのは辛い。でも勝ちだすと戻ってきてくれるけれど。
今日は異なった自分をみてもらうことができたと思う。(トミックはイージーゴーイングで真剣さが足らないとロッドレーヴァーからも批判されたことがあります。)この暑さでしかも2セットダウン。それに選手の中でも最もフィットしているベルダスコに逆転することができたメンタルがもてたことは嬉しい。
僕は第3セットでわざと試合を断念してしまった振りをした。ベルダスコはこれでストレートに勝つことができると油断したと思う。でもこれは僕の作戦だった。案の定ベルダスコに油断がでてきて、そのときに僕はブレークすることができた。(19歳とは思えないしたたかなゲームマンシップ!)それからは彼は少し固くなってショットも決まらなくなってきた。(このコメントに対してベルダスコは違った見方をしていますのでご覧ください。)
GSで2セットダウンからカムバックすることは最もむずかしいこと。昨年のウィンブルドンでも2セットダウンからアンドレエヴに勝った。最後まで諦めずに戦えばどんな苦境に陥っても勝つことができると信じている。若いときにこのような逆転した経験をもつことができたのは幸いなことだ。将来はどんな苦しい状況にあっても諦めないで、最後には勝利を勝ち得ることができるようになれると思う。
僕は元No.1のヒューイットのプレーを観て育ってきた。彼はどんな不可能なときでも絶対諦めない。そして不可能なことを可能にしてしまう選手だった。これは自身を最後まで信じる信念から生まれると思う。今日の僕も自身を決して疑わなかったので勝利を得ることができたと思う。
ベルダスコの記者会見から(要約)
トミックが第3セットで試合を諦めたようなふりをしたのは彼の作戦だったというのは、今だから言えることだ。あのとき確かに彼は下を向いてボールを打とうともしなかったが、僕はそんなことは信じなかった。僕は第2セットの途中からお腹が痛くなってきて、思ったプレーができなかった。(確かに痛そうな顔をしていました)だから2セット目が終わったときにトイレに行ったのだ。
もし僕が彼を第3セットでブレークしていたら、彼はあのままダウンして僕のストレート勝ちになっていたと思う。僕は決して彼の勝利をけなしているのではない。彼のサーヴがよくなって第3セットから強くなってきたのは本当だ。ただ僕に腹痛があったことも事実だ。
しかし第4セットの2−5でお腹の痛みがなくなってきた。それ以降は痛みもなく100%の状態でプレーすることができたが、ときはすでに遅すぎた。トミックはすでに勝てるという自信に満ちていた。これは僕が彼に自信と希望を与えてしまったことが原因だった。
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もしあのときに腹痛がなければ・・・といった言い方は言い訳にきこえます。トミックはトミックで足のマメが痛そうでしたし。選手はどこも故障がない状態で試合をするのは稀なこと。途中で具合が悪くなったり、転倒したりして負けてしまうのも試合のうち。まあ悔しい気持ちはわかりますが、ラオニッチにハードでボロボロに負けてしまったとき、「本当のテニスをクレーでしようじゃないか」と捨て台詞をはいたベルダスコを思い出します。
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