ジョコヴィッチが2セットダウンからマリーを破って決勝進出(試合詳細)

January 28, 2012 Australian Open:

予想された通りにノヴァック・ジョコヴィッチがアンディ・マリーを破り決勝に進出しましたが、フルセットにわたっての大激戦でした。マリーは2セットリードしていたものの第4セットで息切れ。最終セットの5セット目は2−5から挽回して5−5にカムバックしたにもかかわらず、優勝へのビッグチャンスをまたもや逃がしてしまいました。しかし今までと違ったアグレッシヴなマリーのプレーで、トップ3との距離が急速に縮まってきたように思います。

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ジョコヴィッチ def マリー:6-3 3-6 6-7(4) 6-1 7-5

マリーのアグレッシヴなプレー
マリーはディフェンシヴなプレーで今までに3度もGS優勝を逃しています。ディフェンスの殻を破るためには、エラーを恐れずウィナーを狙うアグレッシヴなプレーをしなければなりません。残念ながら今回も優勝のチャンスを失ってしまいましたが、しかしこの86のエラーの数はエラーを恐れずジョコヴィッチに対抗した結果であって、未来のアグレッシヴなマリーの誕生を予感させる試合となりました。

ブレーク合戦
ベストのリターナーとして知られるジョコヴィッチとマリーの対戦はブレーク合戦となることが予想されていましたが、なんと合計55のBP(ブレークポイント)で、まさにいつどこでブレークされるか分からないスリルのある準決勝となりました。BPをとったものが勝ち。マリーはジョコヴィッチにくらべてもう一つ粘りに欠けていました。

レンドルエフェクト
マリーが変わりました。マリーがGSタイトルをとれない理由に、ディフェンシヴなプレー、メンタルの問題、ネガティヴな態度の3点がよくあげられますが、終始アグレッシヴにプレーをしたマリーは、まず第一の問題を解決しつつあります。メンタルの問題も、マリー自身が記者会見で「今までは強いメンタルに欠けていた」と自認。そして最も顕著な変化はマリーの態度です。ネガティヴな態度がなくなりました。レンドルはコーチになってまだ1ヶ月も経たないというのに、レンドルエフェクトがすでに現れています。マリーの今後の活躍が楽しみです。

第1セット

第1セット(0−0:DjokovicーMurray 太字がサーヴァー)
マリーが固くエラー連続でジョコヴィッチがゲームをホールド。

第2ゲーム(1−0:DーM)長いラリーが始まり二人ともなかなかエラーをおかしません。マリーのドロップショットをジョコヴィッチがアングルヴォレーでウィナー。15−40の2つのBPをジョコヴィッチがエラーでブレークチャンスを逃してしまいました。ジョコヴィッチも緊張している様子。

第3ゲーム(1−1:DーM)ジョコヴィッチのシャンクでせっかくBPとなったにもかかわらずマリーがリターンを出してしまい、ブレークチャンスを逃してしまいました。予想されたブレーク合戦が始まりそうです。

第4ゲーム(2−1:DーM)ダブルフォルトで自滅のブレークをしてしまったマリーですが、この試合ではダブルフォルトが全部で10回もあります。それはジョコヴィッチのリターンがすばらしく、また2ndサーヴをアタックされるのでプレッシャーが大きくのしかかってくるからですが、この数はやはり多すぎます。

第5ゲーム(3−1:DーM)マリーはBH(バックハンド)のインサイドアウトのウィナーを打ちブレークバックに成功。このショットはとてもむずかしいショットですが、エラーを恐れずアグレッシヴに戦うマリーの決意がみなぎるウィナーでした。

第6ゲーム(3−2:DーM)勢い余ったマリーは、今度は過激すぎるウィナーですべてエラーを出し1ポイントもとれずにあっさりとブレークされてしまいました。ここで一気に!という気持ちは分かりますが、まだまだリズムのとれていない第1セットの前半では早すぎるアタックモード。

緊張のためか二人のリズムがまだふらついている状態で、エラーの多いぎくしゃくしたセットとなり、マリーが3−6で落としてしまいました。

第2セット

第1ゲーム(0−0:DーM)マリーがまたもやブレークされてしまいまずいスタートを切りました。

第4ゲーム(2−1:DーM)ショットの方向を変えるのはジョコヴィッチの専売特許ですが、マリーもクロス専門はやめて、ダウンザラインとクロスを混ぜてジョコヴィッチをゆさぶっています。しかしなかなかうまく成功しません。やっと2度目のBPでブレークバックに成功しました。

第6ゲーム(2−3:DーM)ブレークバックで冷静さを取り戻したマリーは、ディフェンスとオフェンスのバランスよく、エラーを少なくしてウィナーをとっていきます。このゲームのマリーは実に落ち着いてすばらしい。マリーのプレーに隙がなくジョコヴィッチは焦ってBHを出してしまって自滅のブレークとなりました。

第7ゲーム(2−4:DーM)ドロップショット、ロブ、スマッシュなど二人の器用なプレーが目だった楽しいゲーム。マリーはダブルフォルトとエースを繰り返しながら、また焦り始めました。FHをネットにかけてブレークバックされてしまったマリー。せっかくブレークしてもすぐブレークバックされてしまうのが問題。

第8ゲーム(3−4:DーM)しかしアレルギーのせいか呼吸が困難になっているジョコヴィッチはなかなか思うようなプレーができず、二人のプレーは相手のミス待ちの長いラリーを繰り返しています。BPでマリーがジョコヴィッチのサーヴをアタックして、ジョコヴィッチはカウンターをロング。マリーのガッツはすばらしくブレークバック成功。いつまで続くブレーク合戦?

第9ゲーム(3−5:DーM) マリーのServing for the Setです。辛抱強くラリーを続ける二人。15−40のBPでマリーがウィナーを狙いましたがネットにかけてしまいました。しかしまだBPが残っています。ジョコヴィッチが勝ち急いでFHをワイドに出してしまいました。これでマリーはブレークを逃れ、最後はサーヴィスウィナーをとって第2セットを勝ち取りました。

第2セットはマリーのディフェンスからオフェンスの移行が速くなり、ショットの組み立てもアグレッシヴになってきました。ジョコヴィッチはまだリズムがつかめないのか不安定なプレーをしています。ここでジョコヴィッチを攻めていけば、マリーは勝てるかもしれません。

第3セット

第1ゲーム(0−0:DーM)第2セットを勝ってイーヴンに戻したマリーに自信がでてきたようです。反対にジョコヴィッチは呼吸困難なせいもあってちょっと疲れがみえてきました。しかし5度もBPを迎えながらブレークを切り抜けたジョコヴィッチはまさにメンタルの男でした。

第3ゲーム(1−1:DーM)第1ゲームでジョコヴィッチをブレークできなかったものの、勝てる感触をつかんだマリーはゲームを一方的にコントロール。ブレークされてしまったジョコヴィッチがもろくみえます。

第4ゲーム(1−2:DーM)しかしブレークしてもすぐブレークバックを許してしまうメンタルの隙がまだマリーにはあります。ここが勝てない大きな理由の一つ。ダブルフォルトや無理なウィナー狙いのエラーでブレークバックされてしまいました。

第5ゲーム(2−2:DーM)マリーのギアが上がってきて、ジョコヴィッチが苦戦を強いられます。必死でディフェンスするジョコヴィッチに余裕のマリー。しかしせっかくのBPをマリーはイージーミスでネットにかけてしまい、ブレークチャンスを逃してしまいました。

第8ゲーム(4−3:DーM)マリーはショットに自信が出てきたのか、ジョコヴィッチを左右に自由自在に振り回しています。立場が逆転したようなテニス。

第9ゲーム(4−4:DーM)マリーの強気のリターンウィナーや、自身のエラーで苦戦するジョコヴィッチ。デュースでマリーのBHサイドのコーナーへ1本。最後にエースをとってやっとゲームをホールドしました。

第10ゲーム(5−4:DーM)エースで元気づいてきたのか、ジョコヴィッチにエネルギーがでてきました。試合は3時間を経過。ジョコヴィッチがリターンウィナーを狙ってきます。BPとなりましたが、マリーはエースでブレークを逃れました。しかしまたBP。結局3度のBPを免れて、マリーはようやくゲームをホールドすることができました。

第11ゲーム(5−5:DーM)今までのマリーならディフェンシヴになるところですが、あくまでもアグレッシヴにジョコヴィッチのサーヴをアタック。焦って勝ち急ぎをするのではなく、ジョコヴィッチのウィナーをすべてディフェンス力でカウンターしたマリーは、長いラリーの末ジョコヴィッチのエラーでブレークしました。

第12ゲーム(5−6:DーM)マリーのServing for the Matchです。このゲームは絶対逃してはならないゲーム。しかし・・・ダブルフォルト、イージーなFHのエラー。固くなってしまったマリーが自滅のブレークを招いてしまいました。まだまだメンタルに穴があいているマリー。

タイブレーク 二人ともウィナーとエラーを交互に重ねる激しい戦いが続きます。セットポイントをジョコヴィッチがリターンに失敗してマリーの勝利。これでマリーのセットカウントは2−1となり、勝利まであと1セットと迫りました。

第4セット

第1ゲーム(0−0:DーM)2セットダウンになってしまったジョコヴィッチがアグレッシヴになり、攻撃のペースが早まってきました。Mはパニック気味でエラーの連続で自滅ブレーク。

第3ゲーム(2−0:DーM)昨年のオーストラリアンオープン決勝が蘇ってきたのでしょうか。どうしてもジョコヴィッチを破ることができないという成功恐怖症?。イージーミスをしてあっけなくダブルブレークを許してしまいました。マリーは疲れてきたのか、それにしてもあまりあっさりしすぎ。この負け方は問題です。

ジョコヴィッチはサーヴィスゲームはすべて40−0という強さ。マリーは第6ゲーム(5−0:DーM)でやっとジョコヴィッチをブレークしましたが、第7ゲーム(5−1:DーM)では勢いにのったジョコヴィッチがすべてマリーのサーヴをリターンエース。0−40で第4セットをポロッと落としてしまったのは、第5セットにエネルギーを残しておくためでしょうか。

第4セットのマリーのあり方にナダルがコメントを残しています。「あれでは勝てない」という批判ですが、次の記事で紹介したいと思います。

第5セット

セットカウント2−2。いよいよ最終セットです。ジョコヴィッチに6−1とモメンタムをさらわれてしまったマリーは果たして挽回することができるでしょうか?

第1セット(0−0:DーM)ジョコヴィッチに火がつきました。強いサーヴィスゲームで40−0でホールド。

第2ゲーム(1−0:DーM)マリーがFHをネットにかけてしまって大きく叫びました。しかし今までのようにボックスに向かって叫んではいませんが(やっぱりレンドルに向かっては怒鳴ることはできません)、かなりフラストレーションが溜まってきている様子。しかしマリーの態度は見違えるようによくなりました。レンドルが表情を変えることなくマリーを見守っています。マリーがエースをとってゲームをホールドしました。二人のサーヴィスゲームはテンポが速くなってきました。

第4ゲーム(2−1:DーM)4時間が経ちました!しかしマリーにも2nd windがやってきたようで、二人は互角の激戦を続けています。マリーも決してディフェンシヴになることなくジョコヴィッチを左右に振ってチャンスを狙うアグレッシヴなプレー。BPもエースで救いました。

第5ゲーム(2−2:DーM)3度のブレークチャンスがありながら、ブレークできなかったジョコヴィッチですが、確かな感触があったようで、BHダウンザラインのミラクルショットが決まりました。この一か八かのラインを突くショットはUSオープンのフェデラー戦でも発揮しましたね。このような恐ろしい確率の低いショットが入ってしまうと、ジョコヴィッチの勢いは止められません。

第6ゲーム(3−2:DーM)じわじわと攻めてくるジョコヴィッチ。辛うじて第4ゲームをホールドできたマリーにも限界がやってきました。2度目のBPでショートボールを叩かれてマリーはブレークされてしまいました。

第7ゲーム(4−2:DーM)完全にマリーがパニック。FH、BH、そして最後はリターンをネットにかけて1ポイントもとれません。

第8ゲーム(5−2:DーM)ジョコヴィッチに余裕がでてきました。マリーの2ndサーヴをアタックしてリターンエースです。これで勝てる!と安心したのか、ジョコヴィッチはイージーなミスで、せっかくデュースにもっていきながらブレークできませんでした。

第9ゲーム(5−3:DーM)ジョコヴィッチのServing for the Matchです。ジョコヴィッチにメンタルの隙ができました。偉いのはマリーです。この隙を逃さずマリーは猛烈な反撃をかけてきました。長いラリーがつづきます。最後の力を振り絞るマリー。40−0でマリーのパッシングショットが華麗に決まりました。1ポイントもジョコヴィッチに与えることなくマリーのブレークです。

第10ゲーム(5−4:DーM)マリーのサーヴが生き返ってきました。ジョコヴィッチはリターンエラーを重ねています。すべて強いサーヴでポイントをとったマリーに「さあこれからだあ!」といったポジティヴなオーラが。

第11ゲーム(5−5:DーM)このゲームが二人の正念場でした。追いつめるマリーは大きな声をだしながらヒットしています。全魂を込めたショットが決まっていきます。落ち着いたマリー。焦ってきたのはジョコヴィッチです。疲れも出てきたようでエラーで15−40になってしまいました。

マリーには2度ブレークするチャンスがあったのですが、リターンをネットにかけてしまいました。しかしまだBP。ジョコヴィッチは賭けにでました。確率の低い危険な賭けです。ジョコヴィッチのFHのダウンザラインがサイドラインに突き刺さったのです。「普通はこういうショットはやらないものだ」とフェデラーに言わせた、クレージーなショットが決まりブレークをセーヴすることができたのです。

3度もブレークされそうになりながらゲームをホールドしたジョコヴィッチ。マリーとの違いは、「絶対勝てる」という信念に支えられたショットメイキング。

第12ゲーム(6−5:DーM)オーストラリアンオープンの第5セットはタイブレークがありません。これからが勝負。マリーは長期戦を覚悟でバナナを食べています。しかし残念ながらマリーは3度のエラーでマッチポイント。ジョコヴィッチはネットラッシュして見事にヴォレーでマッチポイントを獲得し、長い5セットに終止符を打ちました。

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4 Comments

  1. chamamaさんのお気持を考えると心が痛くなります。辛いですよね。

    ファンは選手のいろいろな背景を知っているので、それが報われて欲しい!と強く願いながら応援してますものね。この試合のマリーは素晴らしかったです。何故あのポイントが・・・と悔やまれますが、それを潜り抜けるジョコの強さなのでしょうね。しかしファンにはやりきれませんよね。
    マリーもジョコみたいに1度GSが取れれば、2、3度もある実力ですよね。(ロジャーファンとしてはそれも困りますが)
    chamamaさんがTennisnakamaさんとは違うファン目線からマリーの事を教えてくれて、しみじみしました。

  2. 辛い・・・

    「なぜ勝たない?」途方に暮れているようにみえたレンドル。最終セット、おそらくは試合展開に疲れ果て、それでも毅然とした表情を作ろうとしていたキム嬢の心中を思い図ると辛いです。
    掴めばそこにある勝利を、自分から手放したマレー。
    (彼が負けてくれるまで頑張ろう・・・あっすっぽ抜けた)

    (nickname, mailaddress変更しました)

  3. また負けちゃいました。悔しい、悲しい、残念、怒り。。。色々な気持ちが交錯して、冷静に書けるかどうか。。。お許し下さいね。
    今年の全豪に掛けるアンディの思いは特別な物でした。
    前哨戦のクーヨンで陣営に座るガールフレンドのキムを見た時には、ファン一同驚きました。
    彼女はもう何年も全豪には来ていなかったのです。それが前哨戦からオーストラリア入りしているとは。。。
    そしてもう一人、お父さんが来ていました。ジュディ、キム、パパの並びで座っているのを見た時、ジーンと来ちゃいました。家族揃って応援してもらう事は彼の理想であこがれだったと思います。
    それだけの思いを込めた準決勝でしたが届きませんでした。
    いつもの私ならダメ出しして厳しいコメント残すところですが、今回は褒めてあげたいです。
    一生懸命変わろうとしている姿が切ない程でした。
    ブツブツはじまったかなと思ったら、口を閉じて前を向き。
    叫んで陣営の方見るのかなと思ったら、さっと目を向ける程度でまた前を向く。
    いつものアンディらしくなくて寂しい気がする。なんてファン友達と話したぐらいでした。
    そのような中でも変わらないアンディを見て、笑った事もありました。
    「チャレンジの使い切り」これは笑った。笑い事じゃないですが、他の選手じゃあり得ない事ですよね?アンディeyeは確率低いんです。大抵ゲームの最初の方に使ってしまうのは、自分の感覚のずれをチェックする為に使っているのでしょうか?
    このチャレンジと言うシステムには賛否両論ありますね。
    まだ気持ちの整理が出来ていなくて、今日の決勝を見られるかどうか。。。
    まだシーズン始まったばかりですし、レンドルとの関係もこれからです。
    お楽しみが先に伸びただけと自分を励まし、これからもアンディ絶賛応援です!
    \(>0<)/ がんば~ アンディ・マリー♡

  4. すごい試合でした。
    長い試合でしたが、飽きることなく最後まで釘付けでした。

    2010年ツアーファイナル準決勝 対ナダル戦を思い出しました。
    あの試合は、確か年間ベストマッチの候補に選ばれていたと思います。
    あの時もマリーは負けてしまいました。

    ですが昨年、楽天の決勝では、ナダルをブレイクした後のサービスゲーム、0-40となり、
    「ああ、やっぱりすぐブレイクバックされてしまうのか」という予想を跳ね除け、
    サービスエース3つを放ち、会場を大いに沸かせました。

    心技体といいますが、心も技術も体も、成長のためには長い長い時間が必要なのですね。
    今回は負けてしまいましたが、確かな成長を見せるマリーは、きっといつかGSタイトルがとれると思います。

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