デ杯のATPポイント計算:なぜ錦織が55ポイントで添田が40? 錦織18位のポイント内訳

February 14, 2012 (錦織のランキングポイント計算を更新しました)

コメントで質問がありました。「デ杯では錦織と添田が同じ1勝1敗なのに、どうしてポイントは錦織が55ポイントで添田が40ポイントなのでしょう?」

デ杯にトップ選手のインセンティブをはかって、2009年にデ杯がATPランキングのポイントに加算されるようになりました。しかしポイント加算の歴史は浅く、私たちにはまだ慣れないポイントシステムですので、この機会にクロアチアのカーロヴィッチやドディックの例とともに、デ杯のポイントシステムを学習したいと思います。
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デ杯の結果は日本の2勝3敗となりました。錦織、添田、カーロヴィッチ、ドディックの4人のデ杯シングルスのポイントは以下のようになります。

錦織:55ポイント(1勝1敗)
添田:40ポイント(1勝1敗)
カーロヴィッチ:80ポイント(2勝0敗)
ドディック:10ポイント(0勝2敗)

ここで疑問が湧くのは、同じ1勝1敗なのに、錦織と添田のポイント数が55、40と違うこと。そして2敗しているドディックが10ポイントをもらっていること。

デ杯の公式サイトにポイント計算が説明されています。

ここで覚えておかなければならないのは、ポイントを得ることができるのは、ワールドグループとワールドグループのプレーオフの試合だけであるということ。ワールドグループ2以下はポイントの対象になりません。

錦織は55ポイント
昨年は15ポイント:錦織がデ杯に出場したのはワールドグループ2の7月の2回戦と9月のワールドグループのプレーオフです。ワールドグループ2では勝ってもポイントは得られませんが、9月のプレーオフの2勝はポイント数が加算されます。

上記の表から、プレーオフではファーストシングルスに勝つと5ポイント。セカンドシングルスに勝つと10ポイントが与えられます。錦織は第1日目はセカンドシングルスで勝って10ポイント、第3日目はファーストシングルスで勝って5ポイントを得て、合計15ポイントを獲得しました。

昨年はこのポイントだけしかありませんので、錦織の昨年のデ杯のポイントは15ポイントとなります。しかしこのポイントは9月のポイントですので、今回の2月の試合とは差し替えになりません。

今年は40ポイント:ワールドグループの1回戦は1勝しましたので40ポイントを得ました。昨年は1回戦に出ておりませんので、丸ごと40ポイントが加算されます。

というわけで、昨年の15ポイントに今年の40ポイントが加算され55ポイントとなります。

添田は40ポイント
昨年は0ポイント:添田はプレーオフでラバー5のセカンドシングルスをとりましたが0ポイントです。なぜ?

ラバー(試合)は5つまでありその中で3試合をとると勝利となります。ライヴラバー Live Rubber とはまだ勝敗が決まっていない段階のラバーで、このラーバーで勝利を得るとポイントをえることができます。昨年のプレーオフでは錦織が2−1でラバー4に出て1勝をあげ、3−1として日本に勝利をもたらしました。従って錦織のラバー2とラバー4は勝敗に直接かかわるラバーでライヴラバーとなりポイントを得ることができます。

しかし添田が出場したのは勝敗が決まったあとのラバー5のデッドラバー Dead Rubber です。これは勝ってもポイントが得られず、従って添田の昨年のポイントは0。

今年は40ポイント:1回戦ではラバー1のファーストシングルスで勝ちましたので40ポイントが入りました。ですから添田のデ杯のポイントは40ポイントとなります。

カーロヴィッチは80ポイント
昨年は0ポイント:カーロヴィッチは1回戦で2敗しましたのでポイントは0。それ以後は出場していませんので、昨年のポイントはありません。

今年は80ポイント:錦織、添田を破って2勝していますので40+40=80ポイントとなります。

ドディックは10ポイント
昨年は0ポイント:プレーオフのラバー1のシングルスで敗退しましたのでポイントはありません。

今年は10ポイント:シングルスで錦織と添田に2敗をしましたが、1回戦のファーストシングルスでプレーすると負けても10ポイントがもらえますので、ドディックは10ポイントをえることができました。

今まではデ杯のポイント数が少ないのであまり気にもかけていませんでしたが、今回はいろいろよい勉強になりました。それにしてもややこしいですね!

(更新)

錦織が20位から18位へランキングアップしました。ランキングポイントに加算された30ポイントとは?

錦織選手が20位から18位にアップした直接原因は14位だったソダリンの435ポイントの喪失と、19位だったドルゴポロフの105ポイントの喪失で、二人が転落してしまったことによりますが、錦織は今週は30ポイントのアップとなり、この30ポイントはどこからくるのか調べてみました。

先週の錦織のランキングのポイントは1680でした。今週は1710ポイントとなっています。ではプラスになった30ポイントはどこからくるのでしょう。

カウンタブルとノンカウンタブルのトーナメント

ATPのランキングは、獲得したポイントの多いトーナメント順に18トーナメントがランキングのポイント対象になります。これらのトーナメントをカウンタブルと呼びます。

選手たちは一年に18以上のトーナメントに出場していますので、ポイントの多い順からベスト18のトーナメントをカウントしてトーナメント Countable Tournamentsとして、ランキングのポイントに加えます。

19番目からはノンカウンタブルとされポイント数が加算されません。

以下が錦織の今週の18のカウンタブル・トーナメントの内訳です。ここで注目していただきたいのは、デ杯の55ポイントがATP500に入っていることです。

2012年2月13日ランキングブレイクダウン

18のカウンタブル・トーナメント

以下が今週のランキングのポイントに加算されないノンカウンタブル・トーナメントです。

ノンカウンタブル・トーナメント

カウンタブルとノンカウンタブルにそれぞれ25ポイントが入っています。カウンタブルに最下ポイントとしてウィンストンセーラムの25が入っています。そしてノンカウンタブルには昨年5月のローマの予選の25ポイントが最多ポイントとして入っています。

先週のランキングブレイクダウンをみていないのですが、私の理解するかぎりでは以下の説明が成り立つと思います。

30ポイントがプラスされた理由

錦織の先週のデ杯は昨年の15ポイントのみで、ポイント数が少なくノンカウンタブルに入っていて、ローマの25ポイントがカウンタブルに入っていたと思います。

しかし今週はデ杯は55ポイントとなり、新しくカウンタブルに入りましたので、カウンタブルの最下ポイントのトーナメントがノンカウンタブルに落ちることになります。それがローマの25ポイントだと思います。

つまり今週はデ杯とローマが入れ替わり、デ杯の55ポイントがカウンタブルに入り、ローマの25ポイントが抜けましたので、55−25=30 その差30ポイントが、総合ランキングポイントに加算されたことになります。

デ杯のポイントはワールドグループとワールドグループのプレーオフだけに与えられますので、デ杯のポイント計算は今までやったことがなく、私にとっても学習のよい機会となりました。これであっていると思うのですが、正しく理解したいと思いますので、間違いがあれば指摘してください。ホント複雑で疲れますね。

10 Comments

  1. 添田 Bergamo 負けちゃいましたね。残念。

    デビスカップでかなり疲れてて、そのまま飛行機に飛び乗って欧州ですからちょっと厳しかったですね。

    次で頑張って欲しいですね。

  2. rafa405さん

    選手たちはたぶんよくわかってないと思いますよ。ルールですら理解しないで審判につっかかっている選手がいますので。それにしても英語の説明が不親切なので苦労します。ポイント計算は英語が出来る、出来ないの問題ではなくて、ポイントのおたくでないとわからないみたいです。

  3. tennisnakamaさん 早速疑問にお答えいただき ありがとうございます。
    いろいろ勉強になります。
    ポイントって選手はどのくらい 理解しているのでしょうね。
    私は 英語があまりわからないので ATPのルールブック見ても????? 
    それにしても tennisnakamaさんの 対応の早さには 脱帽です 素晴らしい。
     

  4. comoestamiyasitaさん

    >新聞ではデビスカップポイントじゃなくて、周りが去年のポイントを失ってたなぼたでランクが上がったと書いてありました。<

    確かにソダリンとドルゴポロフの大量ポイント喪失によって、錦織が18位に昇格しましたね。私の記事はデ杯のポイント計算を理解するために書いたもので、ランキングアップとは関係ありませんが、よい機会ですので、デ杯のポイントがどのようにランキングのポイント計算に関係してくるのか? 錦織の1680から1710へと増えた30ポイントはどこからくるのか? を理解するために記事を更新しました。

    日本チームの活躍によって、デ杯ポイントをたっぷり勉強させてもらいました。感謝です。

  5. Bergamoのチャレンジャ-で添田はNO1シ-ドで早速ストレ-トで2回戦に進みましたね。

    大会のスポットライトは添田ですよ。優勝してポイントをガッポリ稼いで欲しいですね。今年のGSは予選に出なくてすみそうですね。

  6. 管理者 殿

    今週の月曜日のランクはデビスカップ分は加算されてるんですか?

    新聞ではデビスカップポイントじゃなくて、周りが去年のポイントを失ってたなぼたでランクが上がったと書いてありました。

    火曜日の朝日新聞に「ないものねだり」というタイトルで編集委員の稲垣さんが書いてました。

    2008年GS初出場前の錦織に「一つだけ願いがかなうとしたら、誰のテクニックを手に入れたい?」と聞いたといころ、答えは「カルロビッチのサ-ブ」という答えが返ってきた。

    今回のデビスカップは日本はカルロビッチにやられた。テニスにおいて「サ-ブ」と「高さ」の絶大な威力を日本のテニスファンは悔しさとともに目撃した。

    ふだんから大男をたちを向こうに回し、俊敏さと戦術の組み立てでハンデイを乗り越えていく錦織の戦いは厳しい。(要旨のみ)

  7. tennisnakamaさん、ありがとうございます。シングルポイントとダブルスポイントが別ってことをすっかり忘れてました(^_^;)。

    goranさん

    >しかし添田が出場したのは勝敗が決まったあとのラバー5のデッドラバー Dead Rubber です。>これは
    勝ってもポイントが得られず、従って添田の昨年のポイントは0。

    ↑これは去年のプレーオフのことかと・・・。

    豪君が早速にイタリアでチャレンジャーに出場ですね。
    カーロビッチとの試合の後で、他の選手のサーヴィスが遅く感じるかもしれませんね(笑)。

  8. >しかし添田が出場したのは勝敗が決まったあとのラバー5のデッドラバー Dead Rubber です。>これは勝ってもポイントが得られず、従って添田の昨年のポイントは0。
    すいません。ご説明がよく分かりません。
    5試合目開始の段階では2-2で勝敗はまだ決まっていない認識です。
    結局5試合目でチームとしての勝敗が決まった認識です。
    点数のつけ方は分かりましたが、今回の日本にそれが当てはまることが分かりません。
    ご説明をお願い致します。

  9. atomさん

    今回はダブルスのポイントシステムは掲載しておりませんが、ポイントが違って、ダブルスの1回戦に勝つと50ポイントが入り、負けても10ポイントもえらます。しかしこれはあくまでもダブルスのランキングポイントです。

    杉田・伊藤両選手はダブルス戦で負けていますので、10ポイント入りますが、残念ながらこれはシングルスのポイントとはならず、ダブルスのポイントとなります。

    カーロヴィッチの例をとってみると、ダブルスでも出場して勝ってますが、シングルスのポイントはシングルスで勝った80ポイントのみ。ダブルスの50ポイントは彼のダブルスランキングに加算されます。

  10. なるほど・・・おかげで圭&豪両選手は、またまたランキングキャリアハイとなったわけですね。
    できればセカンドシングルを戦った選手(豪君)にも、あと10ポイント加算されたら良いのだけど。
    ちなみにダブルスの二人にも10ポイント加算されているんですよね?
    デビスカップも前年度と差し変わるんですよね?
    つまりは、9月のプレーオフに勝たないと15ポイントを失っちゃうってことか・・・こつこつポイントを稼いでいる選手達にとっては、決して小さくはないポイントですね。

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