トップ選手でもルールをよく知らない・・・タイムヴァイオレーション

Mar.20, 2013 (更新しました)

試合中に、よく選手たちが主審に抗議をしています。抗議をするにはルールを知っていなければなりません。そこでUSA Todayの記者が、どれだけ選手たちがルールを知っているのか、インタビュー調査を行いました。驚くべきことに、選手たちはよくルールを知らないでプレーをしている事実が浮かびあがりました。いろんなルールについて、選手の反応を紹介しながらシリーズを始めたいと思います。

[private]

Tennis-Umpires

試合を観戦していて、ときどき??という場面に出くわすことがあります。審判の判定に抗議する選手の中で、ルールを知らないで抗議している選手がいるのです。

選手が知っておかなければならない最低のルールを選手たちは知らないのでは? と不思議に思っていました。

錦織が出始めた頃、全米オープンの時でしたが、ウォームアップが終ってから、錦織がロッカールームに駆け込んだことがあります。えっ? 帽子を忘れた・・・ショーツが大きすぎた・・・という理由からだったのですが、ウォームアップの直後はこのような理由ではトイレットブレークはとれません。コートを去るとヴァイオレーションの対象になりますが、審判がいいよと簡単に許可してしまって、私はびっくりしたものです。

(説明更新)ウォーミングアップが始まってから、トイレットブレークは許可されますので、トイレに行く場合は錦織はトイレットブレークを使うことはできます。しかしトイレに行く理由ではなくて、ロッカールームに行くことは許されません。他の誰かに取りに行ってもらわなければなりません。

ルールを知らない選手・・・ルールを徹底しない審判・・・メディカルタイムアウトなどのルールを作戦に乱用する選手・・・それを見逃す審判・・・

選手がルールを知らない原因の一つに、ATPルールブックの途方もない厚さにあります。「長過ぎて読む気がしない」という選手がいて、彼らの気持ちは分かりますが、職業なのですから、重要な点だけでもしっかりと把握するべきだと思います。

またATPも選手のルールの理解度を深めるために、重要なルールだけを抜粋した簡単なマニュアルを作るくらいの努力はできるはず。(ATPルールブックはここをクリック

以下のルールは選手にとって最も大切なルールです。具体的に誰がどの質問に答えられなかったかは、選手たちの名誉のために公開されていませんが、15名以上のトップ選手に以下の質問をしたそうですが、どの選手も正確に全問答えられなかったそうです。ジョコヴィッチも「へえ〜、僕知らなかったよ」

(1)何秒以内にサーヴ(レシーヴ)をしなければならない?

(2)試合中許されるメディカルタイムアウトの数?

(3)試合中に許されるトイレットブレークの数?

(4)何分以内に自分のコートに戻らなければデフォルトとなる?

皆さんはご存知ですか? 答えは次記事に掲載します。

【タイムヴァイオレーション Time Violation】

とりあえず今年の1月から最大の課題「試合時間を縮小する」にATPが取んだのが、25秒ルールの厳守です。コイントスの前に審判が両選手にこの25秒ルールを説明しています。これで選手は「知らなかった」という言い訳は立たなくなったのですが・・・

アンディ・マリー

グランドスラムのように時間を同じ25秒にすると、同じルールとなっていいんじゃないの。

(tennisnakama: うん? グランドスラムは20秒、ATPは25秒なんですけれど・・・?)

今年最も問題になっているルールがタイムヴァイオレーションです。ナダルは25秒のタイムヴァイオレーションについて公然と不満を表明しています。フェデラーはルールはルールなのだから守るべき、とクールな態度をとっていますが、多くの選手が新しいルールだと勘違いしているようです。そうではなく25秒ルールは既存していましたが、審判がウォーニングを与えないので、形だけのルールに終っていたのです。

テニス観戦はエンターテイメントです。Xスポーツなどのように、新しいスポーツが人気を得はじめ、競争がますます激化してきています。長時間だらだらとやっていては、観戦者にとっても退屈なもの。試合が長引いてしまうので、放送局もスケジュールが組み辛くなります。

最近の傾向とてしあげられるのが、ポイント間にタオルで顔を拭く習慣です。サンプラスの時代にはこのような習慣はありませんでした。汗が出てくればリストバンドで拭っていました。しかも汗がまったく出ていないのに、ボールボーイにタオルを要求する選手が多いのに驚きます。なぜタオルの習慣がでてきたかというと、心身を落ち着けることに役立つからです。

ナダルのせいにするわけではありませんが、最初の頃、サーヴの前にソックスをなおし、お尻に手をやり、ヘアをなおし、ボールを何度がバウンドさせていた時がありました。40秒近くもかかっていたことがあります。またジョコヴィッチのボールを突く回数は18回もありました。サンプラスは2度のみ。なぜ時間を稼ぐことを選手たちがやり始めたのか?

最近のテニスは、テクノロジーの発達でベースラインのテニスが主流を占め、ラリーが長くなり、フィジカル的にも過酷なゲームとなってきました。ポイント間を長くとることによって、体力を回復し、心をリフレッシュし、次のサーヴに全神経を集中させることに役立つのです。

サンプラスのように、ゲームが1−2−3で終ってしまっても退屈しますが、ラリーが長過ぎても退屈してしまいます。試合のスピード化が叫ばれて久しいのですが、まず手始めに実行されたのが、この25秒ルール厳守の徹底化でした。

最も声を大にして不満を表明するナダルの言い分は「ハイレベルなラリーが多くて25秒では回復できない。」と彼は抗議しています。しかし同じ条件で相手もプレーをしているのです。ラリーが長ければ、ラリーを減らすアグレッシヴなプレースタイルをとればよいのです。30回も毎回ラリーを続けるプレースタイルは、彼自身の肉体にもよいはずがありません。ここでナダルを批判しているのではありません。膝のためにも、出来るだけアグレッシヴに早いテンポでプレーをしようとしているナダルにとって、25秒ルールはマイナスになるのではなく、プラスになるとはずです。誰よりもフィットしている彼は早く回復できるのですから。

ストップウォッチはポイントが決まった段階、つまりプレーが終った段階でスタートします。しかし主審によってスは25秒を過ぎてもウォーニングを与えない主審もいます。忠実な主審は、サーヴァーがボールを突き始めてサーヴィスモーションに入る直前に26秒となり、ウォーニングを与えた主審もおりました。むずかしいですね。

1回目のヴァイオレーションはウォーニング。しかし2度目のタイムヴァイオレーションをおかすと、1ポイント失ってしまいます。(相手のポイントになる)。そして3度目にはゲームを失う(相手のゲームとなる)という厳しいものです。

私はこのタイムヴァイオレーションのルール強化に賛成です。しかしまだまだ曖昧ですので、思い切ってチャレンジのようにエンターテイメント化しても面白いのではないかと思います。バスケットボール、サッカー、フットボールは残りの時間を秒単位でスクリーンに映し出しています。ストップウォッチを押した瞬間から、スクリーンにカウントダウンを表示すればどうでしょう。25秒がくれば容赦なくブー!とブザーがなる仕組み。邪魔が入ったりした場合の特殊な場合は、もちろん25秒が延長されますが、これは審判に任せるとして、カウントダウンの表示は新しいスリルとなるかもしれません。(一度試験的にTVがやっていたのを見ましたが、なかなか面白かったです。)

次回のテーマはメディカルタイムアウトです。新しくITF(国際テニス連盟)がルールをつくりました。面白い試みですので紹介したいと思います。

(更新)今日クロアチアの元プロのダミールにレッスンを受けてきました。「マリーやジョコヴィッチのようなトッププロでもルールのことをよく知らないのに驚いた」と私が言うと、ダミールは「僕はそれほど驚かないね」という返事。

「選手はどのようにプレーするかでいつも頭が一杯。ルールのことは審判に任せておけばよいと思っている。」という返事でした。ふうん、そんなもんですかねえ・・・でもよく知らなければ抗議もできないとおもうのですが・・・

抗議は何度までできるのか? いろいろ知りたい質問が湧いてきます。メディカルタイムアウトに移る前に、「時間」について、今度はいろんなケースを上げてみたいと思います。

上記の4つの質問の答えは次回に掲載します。

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4 Comments

  1. ガチョーンですね。

    ううむ、日本No2-3の二人、頑張って欲しいのですが。

    特に添田はそろそろポイントを稼がないと、去年、稼いだポイントが次ぎ次に消滅するので、非常にランク維持が厳しいですね。

    悪い循環を断ち切るために、ちょっとチャレンジャーでポイントを稼ぐというのも必要かもしれませんね。

    ATPのデカいのばかりで、250大会が久しくなくて、厳しい状況が続いているので、とても心配です。

    ドラゴンもリライアですか、ちょっと落ち込みが続いてますね。

    状況はドラゴンの方が添田より厳しいのですが、年零がまだ若いので、添田の方が気になります。

  2. comoestamiyasitaさん

    添田選手がフルセットで敗退。伊藤選手が3セット目でリタイアしてしまいましたね。ちょっと心配ですね。

    stefanfanさん

    いろんなルールがあってケースバイケースの場合が多いので、審判も大変だと思います。あまり問題の起こるようなコールはしたくないでしょうし。私も勉強するよい機会です。

  3. おお・・・面白そうなシリーズですね。
    こういった記事は仲間さんにしか書けません。
    続きが楽しみです。

    ロジャーもバブリンカ戦でかなり主審にクレームつけてました(^_^;)

    25秒ルールについては去年のインタビューでロジャーが「自分も犯すときもあるけれど、出来るだけ皆で守るように努力しようよ。」と言ってましたね。

    質問の記者たちが(意地悪ですよね~)ラファはこう言ってる、ロジャーはこう言ってると言って二人の仲に亀裂を起こされるような質問の仕方までしてました。

    ロディックが主張していた方法(バスケットの試合のようにタイマーを設置する?)でいきますか(笑)

    ラファは色々主張してきましたが、結局は対応(順応)出来る能力が人一倍有りますね。

  4. 昔と比べて今のテニスはかなり体力を消耗するので、25秒じゃちょっと酷な気もしますね。

    コート上なんて40度とかざらですもんね。

    互いに同じコンデションとはいえ、誰もクレームはつけませんもんね。

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