スコットランドが独立すれば・・・マリーの複雑な立場

Sep. 17, 2014:

いよいよスコットランド独立の住民投票が9月18日に行われます。世論調査では独立反対の意見が多かったのですが、ソーシャルメディアでは独立賛成が優勢で、票がどちらに転んでも不思議でない緊迫した状況となってきました。もしスコットランドが英国との307年の結婚を解消し独立してしまったら・・・政治、経済、社会に限らず、スポーツ界に与える影響が大きいだけに、マリーは独立に関しては固く口を閉ざしていますが、マリーの立場は微妙なものがあります。

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9月18日に投票が決定して以来、「スコットランドの独立に対してどう思いますか?」という質問が繰り返しマリーに投げかけられてきましたが、マリーは彼の意見が与えるインパクトを考慮してコメントを控えてきました。

しかし一度だけマリーが「あれは止めてほしかった」と不快感を表明したことがあります。ウィンブルドンでマリーの優勝が決定した瞬間、この時とばかり、カメロン英国首相の横で、独立運動のリーダーであるスコットランド国民党党首のアレックス・サルモンドがスコットランドの旗を大きく掲げたのです(写真)

Murray-Scotish-flag-Wimbledon

「私は子供の時から16年間英国のためにプレーをしてきたのです。」と語るマリーは、I did not like it. とはっきりとサルモンドを批判しました。スコットランド人も、あの旗はサルモンドが政治的目的に使ったもので、恥ずべき行為だったとして、マリーに同情を示しました。

マリーはスコットランドのダンブレンに生まれ育ったれっきとしたスコットランド人です。現在はロンドン郊外のサリーに住んで英国暮らしをしていますが、もし独立が決定すれば、1年半後の2016年3月に独立国となるスコットランドの旗のもとでオリンピックに出場することになります。

英国のオリンピック選手はワールドクラスプログラムに属して政府から援助を受けていますが、10.7%を占めるスコットランドの選手の問題は援助金です。新政府となれば援助金がどれくらい与えれるのか未知数となります。

またチームスポーツのアスリートの問題は複雑なものがあると思います。今までユニオンジャックの旗のもとで、共にトレーニングに励んできたチームメートたちがある日突然敵になってしまいます。トレーニング場やスタジアムの問題も出てきます。

ゴルフではBritish Openからあの由緒あるSt. Andrewが消えてしまう?という疑問が湧いてきます。毎年英国とスコットランドで交替で開催されるオープンでは、たぶん半分のスコットランドの開催地が消えてしまうことにはならないと思いますが、ともかく選手も応援するファンも複雑な心境におかれるのは確か。

昨年マリーはBBCの名誉あるSports Personality of The Yearを受賞しました。しかしBBCは「もしスコットランドが独立すれば、スコットランド人を受賞の対象にするかどうか再検討しなければならない」と発表しました。ということは、マリーは将来の受賞対象リストから外されてしまうかもしれないのです。

もしスコットランドが独立することになれば、英国人はマリーに対して冷たい態度をとるかもしれません。しかし、たとえマリーがスコットランド代表となり、英国の敵となっても、英国はマリーに対する恩を忘れてはいけません。

ウィンブルドン優勝という77年の英国の悲願を叶えてくれたのはマリーです。もしマリーの優勝が昨年ではなくて、2016年になったとしたら・・・英国の悲願はあと77年の月日を有することになったかもしれないないのですから。

スコットランドが独立しようがしまいが、英国民の皆様、Be kind to Andy.(最近は勝てないマリーに冷たくなってきていますので)

Better Togetherキャンペーン(独立反対)

Yesキャンペーン(独立賛成)

5 Comments

  1. 投票所の出口調査では開票前に大体結果は分かるそうですが、投票前日に払い戻しというのは凄いですね。

    或いは「独立阻止」したい向きが、白けさせて棄権票狙いでbookmakerに損失補償請負で依頼したんでしょうか。

  2. スポーツギャンブルのメジャーなBetfairが数時間前に、詳しいデータを得ているので、投票結果に自信があるのだそうで、支払いをTweetで発表したそうです。

    しかし、こんな重大な出来事もすべて賭けにしてしまう根性はたいしたもんです。

    この投票はTVのCMなども含めて最初はお祭り騒ぎだったようですが、エリザベス女王の “I hope everyone thinks very carefully about the referendum this week.” の言葉が大きな影響を与えたようですね。

    政治に不関与の立場の女王ですが、「よく考えてから投票してください。」というメッセージは、「アホなことはやめましょうね」と言う意味にとれ、独立反対者が増えてきたとか。

  3. CNBCのライブで言ってました。どういうことか良く分かりませんが・・。

  4. 英国のbookmakerが「独立反対派勝利」ということで、独立反対投票者に払い戻しを既に10時間前から開始したそうですよ。

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