ジョコヴィッチ優勝「最後は意思の力だった」

Feb. 2, 2015 Australian Open Final:

(少々記事が遅れてしまいましたが更新します。)午前2時。ハッと目が覚めると、すでに全豪オープンの決勝の第1セットが始まっていました。ジョコヴィッチもマリーもお互い譲らず、長いラリーが続いています。しかし好試合は2セットしか続かず、最終セットの第4セットではマリーが0-6で完敗してしまいました。 何が二人に起こったのか? 彼らが語る勝因、そして敗因は?

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Djokovic-won-AO-2015

ジョコヴィッチ def マリー:7-6(5) 6-7(4) 6-3 6-0

第1セットはどちらに転んでも不思議でない、エラーの少ないハイレベルな拮抗したゲームでした。

しかし第2セットからジョコヴィッチのふらつきが始まったのです。

第2セットの第1ゲーム、マリーのサーヴの時でした。ジョコヴィッチがサーヴをリターンして転倒。最近、ジョコヴィッチは時々バランスを崩し、転倒したりふらつくことがあります。YouTubeでは酔っぱらいのジョコヴィッチと題したビデオもアップされるほど、よくみられる現象です。

次の第2ゲームのジョコヴィッチのサーヴィスゲームでも、またふらついて15-40のプレークポイントに。そしてBHをネットにかけてブレークされてしまいました。一体どうしたのでしょうか?

このふらついたジョコヴィッチをみて、気が散ってしまったのか、次のゲームでマリーが簡単なFHをネットにかけてしまい、ブレークバックを許してしまいました。

ジョコヴィッチはちょっと疲れているようで、ラリーを出来るだけ短縮するためにネットラッシュをし始めました。このジョコヴィッチの作戦の変化でマリーは戸惑い、エラーが増えてまたブレークされてしまいました。

第2セットも第1セットと同じく長い激しいラリーが続き、二人の集中力がふっと薄れてしまう瞬間があり、二人ともアップダウンを繰り返すゲーム展開となり、ブレークしたりブレークされたり・・そして再びタイブレークへ。

フィジカル的にみれば、この時点ではマリーのフィットネスの方が上回っていたと思います。マリーが普段になくアグレッシヴに攻め、ダウン気味のジョコヴィッチの追随を許さず、タイブレークを勝ち取りました。

ジョコヴィッチの転倒

第2セットをとったマリーは第3セットでアグレッシヴに攻撃。明らかにジョコヴィッチのフットワークが鈍くなってきました。15-40のBPで、ジョコヴィッチはFHをネットにかけまたもや転倒!一体どうしたのでしょうか?

マリーはこのブレークでますます勢いづき、エースにつぐエース。しかしちょっとした心の弛みがでてきたのか、マリーにエラーが出始め、BPでネットにかけてしまいブレークバックされてしまいました。

ジョコヴィッチのターニングポイントは第7ゲーム(3-3)で、BPを免れたときだったと彼は語っています。結局第3セットをジョコヴィッチが取りましたが、残念ながらこのあたりから、眠気がおそい記憶がなくなってしまいました。ジョコヴィッチいわく、このBPのセーヴで固さがとれ、体が軽くなったのだそうです。

それからのジョコヴィッチは思い切って攻撃に出て、ラインに落ちるミラクルショットを連打。リラックスしながらゾーンに入ってしまったようで、マリーは手がつけられなかったと語っていました。

記者会見での彼らのコメントを要約してみました。

危機をメンタルで乗り切ったジョコヴィッチ

今日の試合はとてもフィジカルで疲労困憊する内容でした。私は第2セットの後半から第3セットの前半まで窮地に陥ってしまいました。とても疲れてしまったのです。フォーカスし直して、体力をリチャージする時間が必要でした。

そこで長いラリーはやめ、ショートポイントで決着がつくようにアグレッシヴに攻め始めました。第3セットの3-3でブレークから逃れることができ、ホッとしました。それからはボールをhitting throughできるようになり、この機会を逃さずモメンタムを自分の方にシフトさせることにつとめました。

足のクランピングはありませんでした。タイムアウトもとりませんでしたし。ただフィジカル的に弱ってしまったのです。この危機的な状態が20分くらい続いたと思います。

このようなハイレベルな激戦においては、ダウンした時は特に意思力、メンタル、フィジカルパワー、熱情のすべてを見つけ出さなくてはなりません。私は100%の状態ではありませんでしたが(ヴィールスにかかって回復時にあった)、何度も危機に面しながらもメンタルで最後まで戦い抜くことができたと思っています。

(tennisnakama: 誰もがダウンする時があるものです。しかし自身をよく理解しているジョコヴィッチはどのようにカムバックをすればよいのか熟知していました。そういう時は慌てず、あがかず、2nd windがやってくるのを待つ。やってきた時は思いっきり勝負に出る。決勝での二人の姿勢は対照的だったと思います。)

言い訳一杯のマリー

(tennisnakama: マリーの敗因は大きくわけて二つあったと思います。一つは言い訳してしまう態度。二つは2ndサーヴの弱さで、決勝進出でランキングが4位にもどったとしても、ジョコヴィッチ、フェデラー、ナダルのティア1のグループにはまだ無理かもしれません。)

「成功とは幸せになることです。(中略)決勝で勝っても家に帰って惨めな気持ちになるなら、ハッピーな気持ち負けた方がよいと思っています。」

(tennisnakama: このコメントは理解に苦しみます。アスリートの成功と私生活の成功とは全く異なる問題です。アスリートであるなら、勝たねばなりません。「優勝して惨めな気持ちなるなら、負けても幸せならよい・・・」この理屈は言い訳。混乱した考えが頭のどこかで燻ぼっているかぎり、最後の踏ん張りは出てきません。どんな地獄の想いをしても、勝利の道を選ばなくては、ジョコヴィッチのいうinner strength(心の強さ)は生まれてこないと思います。)

「ジョコヴィッチがクランピングしたようだったので、気が散ってしまった。」とマリーが答えたことで、「ジョコヴィッチが作戦としてわざとやったと思いますか?」という質問を受けたマリーは以下のように答えました。

I don’t know.  I don’t know.  ただそうでないことを願っている。もしクランプなら、すぐに回復してあのような素晴らしいプレーをするのは困難なことだからね。気が散って集中力を10分くらい失ってしまい、モメンタムを失ってしまったことは残念だった。

(tennisnakama: I don’t knowの答えは、ニュアンス的にはI think soとなります。心の中で、あれはジョコヴィッチの作戦だったと思っていても、相手を根拠なしに想像で語ることはしてはなりません。

ジョコヴィッチは私がみるかぎりクランピングした様子ではありませんでした。少し足を動かしたり、手を足に当てたりはしていましたが。マリーは手術を受ける前までは、しょっちゅう腰に手を当てていましたし、痛そうなジェスチャーをしていました。自分がやっているのに、相手がやって気が散るというのは、やはり言い訳にすぎません。

どんな状態になろうと(相手のクランプだけでなく、審判との口論、観客の邪魔・・・などなど試合中に気が散ってしまう出来事は山ほどあります)、集中力を途切れさせてしまった方が負け。レンドルだったら、そんな言い訳をするマリーを叱り飛ばしていたと思います。

「最後はメンタル」

言い古された言葉ですが、スポーツだけでなく、人生にも当てはまりますね。頑張らなくては! 今日は乗馬に挑戦です。

5 Comments

  1. 貴重な裏話ありがとうございます。ジョコは圭くんは苦手なタイプなので、これからも厳しいかなと思ってます。でも悔しがり二度と同じ過ちはしないと言ってるのであれば、頑張ってくれるかな。マリーがもし優勝し、相手が同じ事を言ったら傷つくとは思わないのでしょうか?ましてGS、みんなが欲しいタイトルであり、戦意を失うなんて、考えられない。試合中も常にネガティブな発言、あれを治さなければ優勝はないのでしようね。試合中、そんな事を言ったのですね、もう本当にガッカリです。表彰式の態度が変だなと思ってましたが、やはりです。まるで駄々をこねてる子供のようでしたね。

  2. 記事に書き落とした情報をTwitterで書いています。よかったら右のサイドバーの『ホットニュース』もご覧ください。

    Twitterのホットニュースより

    全豪オープン決勝でのマリーの言動がいろいろ批判されていますが、その決定版はジョコがふらついた時のマリーの罵声、”Don’t worry about him, he does it all the time,” 「気にするなよ。彼(ジョコ)のいつもの手なんだから(怪我のふり)」

  3. Chaoさん

    全豪オープンの決勝で最終セットがベーグルで終わったのは史上初めてなのだそうです。マリーもとんでもないところで記録を残してしまいました。それにしてもラリーが長くてまるでクレーでしたね。

    nolefanbakaさん

    ジョコはメンタルと技術においては、誰よりも優っていることを証明しましたね。全米オープンで錦織に敗退してしまった時、彼は私の所属するクラブのオーナーの家に泊まっていたのですが、自身に対して激怒していたそうです。「あの過ちは2度と繰り返さない!」と誓ったジョコでしたが、崩れかかっても見事に立ち直りました。

    マリーのコーチのモレスモがL’Equipeのインタビューで、「I want him to be independent.」と答えていました。コーチ席を振り返らないで、自己の感情をうまくコントロールして、危機から自力で立ち上がってほしい・・・というニュアンスが伝わってきます。

  4. 御無沙汰しております。ジョコの記事ありがとうございます。ご存じの通りジョコファンであります、今回の出来事にはガッカリです。マリーはいつまでも誰かのせいなんですね。tennisnakamaさんが言う通り昨年は自分が酷い状態にも関わらず、他の人には寛容ではないみたいです。GSを取るために、大変な努力家で二年振りの優勝が霞んでしまい、本当にガッカリしてます。あれだけ長い間友達でジョコの性格も分かると思うのですが。過去にも散々叩かれてますので今回は心配でしたが、大方ネガティブな意見は少なかったと思います。ただ海外のマリーファンからは、恥を知れとも言われてました。ファンは盲目なんですね。それでもジョコはマリーはこれからも大切な友人と言ってるし、大人な対応なジョコに安心しています。

  5.  あの決勝は観戦しているほうも疲れました(笑)。1ポイントが決まるまでの長いこと長いこと。激しいラリーが続き、テニスというよりは格闘技を観ているかのようでした。

     それだけに第4セットは「???」な結果でした。マリー、もうちょっと粘ってほしかった!最近、トップ選手同士の試合でも、ベーグルを見ることが多い気がします。でも、グランド・スラムの決勝では起こってほしくなかったです。残念。

     それより私は目下のところ、フェデラーの右手小指の状態が気がかりです。大事ないといいのですが…(祈)。

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