錦織圭はシンシナティを棄権:インジャリー・タイムアウトをなぜ取らない?

Aug. 16, 2015: (更新)

マリーとのモントリオール準決勝で、急に足の動きが鈍くなり、0−6で第2セットを終えてしまった錦織圭でしたが、ただいまマネージャーからメールが入り、検査を受けた結果、錦織はどこも故障はないということでした。よかったですね。疲労が重なったものだと思われますが、シンシナティは棄権をして、次は全米オープンとなります。フロリダに帰って休養したあと、全米にむけてトレーニングに入りますが、ベストな判断だと思います。前々から思っていたインジャリー・タイムアウトについて書いてみたいと思います。

Nishikori lost to Murray 2015

 

(更新)

satoさんからいただいたコメントで、日本の放送では錦織のパーフォーマンスが急に落ちてしまったことに対して、「戦意喪失・・・?」といった解説があったようです。ちょっと驚きました。こちらの解説では「なぜインジャリー(メディカル)・タイムアウトを取らないのか?」でした。私も同じ想いで観戦していました。

インジャリー・タイムアウトの取り方

アメリカでは、TVではESPN 、コンピューターではストリーミングのTennisTVの二つで観ることができますので、両メディアで同時観戦していましたが、解説者の誰もが声をそろえて、「錦織はどこか故障をしたに違いない」と話し合っていました。

トミックは以前自暴自棄なプレーでやる気をなくし、批判を買ったことがありますが、これは例外としても、選手が急にパーフォーマンスが落ちる時は必ずどこかに故障が生じた時で、「戦意を失う」などという態度はトップ選手には考えられないことです。

しかしインジャリー・タイムアウトを取ると、相手に故障していることがわかってしまうために、何でもない素振りでプレーをしなくてはならないのが辛いところ。ジョコヴィッチが若い頃、頻繁にインジャリー・タイムアウトをとってひんしゅくを買ってしまい、今ではほとんど取らないで頑張っていますが、「いつタイムアウトを取るのか?」は難しい問題です。

試合中に痛みが激しくなり「もうだめだ」と思う時があります。しかしリタイアはしたくない。このような時は、選手にインジャリータイムアウトをとってほしいのです。

スポーツはエンターテイメントです。観客なしでは成り立たない商売なのですから、観戦しているファンに納得してもらうことはとても重要なことだと思っています。

急にリタイアすることは、観ている私たちに何が起こったのか理解できず、「やる気がないのか?」などの誤解を招くことになります。特に重要な準決勝や決勝では、世界の多くのテニスファンが観ているのですから、走れない状態や十分に打てない状態で、ダラダラと試合を続けることは避けてほしいのです。

ベストはインジャリータイムアウトを取り、専門家と相談することです。その結果リタイアしてもテニスファンは納得。またリタイアしないと決めた時でも、たとえパーフォーマンスが落ちても、観客に納得してもらうことができます。逆に痛いのを我慢して頑張っている選手への応援で、しらけてしまう試合を盛り上げることができます。「なんだ、こいつ、やる気がないのか!」では痛みを我慢している選手にとっては辛いものがありますが、観ている方も訳がわからず辛いものがあります。

錦織は以前、インジャリータイムアウトをとりすぎて批判を買ったことがありましたので、できるだけ避けたい気持ちはわかりますが、痛みが引かず、とても勝てそうにない時は、誤解を招かないためにも、故障を悪化させないためにも、タイムアウトをとってほしいと願っています。

1 Comment

  1. tennisnakamaさん、

       早速に、インジャリー・タイムアウトを取り上げて
       いただき、有難うございます。

    本当に、「いつタイムアウトを取るのか?」は難しい問題ですね。

    誤解を避けるのはどちらにしても難しいですが、ご指摘の通り、
     「やはり観戦しているファンに納得してもらうことはとても
       重要なこと」なので
    、取る取らないの選択肢はあるにしても、今回は結果論としては
       取った方が良かったのかもしれませんね。

    ただ、そうした誤解の余地も、プロ解説者には
      本来ありえないですね
     第一セットの攻防をみて、第二セットでの異変を察知できず、
      表現能力不足もあってのこととは思いますが、
       きわめて主観的な「戦意喪失」に結びつける一部マスコミ
         には、その影響力の程度に於いて困ったものです。

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