デ杯:強かったマリー兄弟:意外なデルポトロのダブルスの起用

Sep.18, 2016

前日に5時間余の長時間のシングルスの試合の翌日、アンディ・マリーとデルポトロは再びダブルスで対決することになりました。すでに2敗のイギリスはダブルスを落とせば決勝へのチャンスを失うだけに、マリー兄弟で背水の陣を引いて戦うことが予想されていましたが、強敵なマリーペアに再び疲れ切ったデルポトロを当てたアルゼンチン監督作戦には驚きました。これではデルポトロが潰れてしまう? 案の定、4セットに渡る激戦のあと、デルポトロは身体中に痛いとこぼしていました。もしデルポトロがシングルスを失ってしまえば、準決勝を負けてしまうことになりかねず、監督の責任は大きい。

ツイターでいつものように実況報告しましたので、ダブルスの作戦などを加えながら、編集し直して掲載します。

日本が3勝をあげてワールドグループに復活しましたね。おめでとう!今準決勝でイギリスvsアルゼンチンのダブルスが行われていますが、どうして最強ダブルスのマリー兄弟に疲れ切っているデルポを当てたのか? 案の定1−6でぼろ負け。なぜ彼を休ませてシングルスで勝負しないのか理解出来ない。

デ杯準決勝:第3ラバー:ダブルス

ジェイミー・マリー/アンディ・マリー def デルポトロ/マジェル:6-1 3-6 6-4 6-4

第1セット

第1セットを1−6でぼろ負けで見ていられないと思っていたら、なんとデルポ/マジェルの息が合ってきてマリー兄弟をブレーク。(Mayerはアルゼンチンではマジェルと呼びます。http://forvo.com/search/mayer/es/)錦織が杉田のレベルを上げたように、強い選手と組むとぐっとレベルが上がってきたマジェル。面白くなってきた!

第2セット

屈辱の敗退で心身ともにアンディがかなり疲れているみたい。デルポはシングルスの勝利で自信満々。マジェルがうまい!シングルスが114位、ダブルスが58位の選手にはとても見えず、ゾーンに入ってしまった。デルポも「やってくれるじゃん」と気が楽になり余裕のプレー。

デルポのBHのリターンがすごい!2度ともジェイミーのサーヴをリターンウィナーしてしまった。わお!マジェルも負けてはいない。BHでリターンウィナー。アンディの足が重い。ヴォレーをネットにかけて2−5のセットポイント。しかししぶといマリー兄弟がギアアップしてデュース。ワイドサーヴでやっとキープ。

アルゼンチンのServing for the set: デルポのサーヴ:おや、ダブルフォルト。硬くなりすぎている? 甘いロブを叩かれて0−30。おお!マジェルの超アグレッシブなネットプレー!デルポのFHウィナーでセットポイント!サーヴィスウィナーで6−3で第2セットを取ってしまった。ギアがどんどん上がってきたアルゼンチン。このままで行くと5セットかも。

第2セットを取って、モメンタムがアルゼンチンにシフトしてしまった。これではいかんとマリーはロッカールームへ。気分を一新して第3セットへ。

第3セット

0−0(ジェイミーのサーヴ)マリー兄弟の1stサーヴの率は40%台で悪かった第2セット。しかも2ndサーヴのポイント率も低く、サーヴィスゲームを上げなければ流れを変えることはできない。

1−0(デルポのサーヴ)頑張りすぎたのか、マジェルの気が緩み始めた。BPへ。抜群のネットプレーを見せるジェイミー。さすがダブルス選手です。デルポのサーヴでBPをセーヴ。フォーカスし直して、マジェルがパワフルなネットプレーでゲームをようやくキープ。

10年以上前に一度だけペアを組み、しかも負けてしまったデルポ/マジェルのチームはまるで常連のダブルスペアのような息の合ったプレーを展開。マリー兄弟は子供の時からダブルスを組んできたペアでお互い知り尽くした仲。マリー兄弟はまだ本領を発揮していないので、これからが見もの。

2−1マジェルのサーヴはアンディに通用しない。15−40でBPへ。気を引き締め直してサーヴィスエースをとって挽回。それにしても昨日と同じく繰り返しアルゼンチン側にアウトコールをするラインズマン。マジェルのサーヴが蘇りゲームをキープ。挽回ぶりが素晴らしい。

2−2(ジェイミーのサーヴ)デルポにボディーサーヴを。図体の大きなデルポは取れない。アンディの見事なドロップヴォレー。ギアを上げてくるマリー兄弟。兄(ジェイミー)の役目はすぐイライラしてしまう弟(アンディ)をうまくなだめること。

3−2(デルポのサーヴ)マリーが何でもないBHをネットにかけてしまう。うまいマジェル。もう一本打たせてネットで確実に叩く。シングルスと違って、スペースの狭いダブルスは「もう一本打たせる」のが基本。40−15。

3−3(アンディのサーヴ)マジェルの動きが素晴らしい。いつもネットへ前進。アンディのゆるいサーヴに調子が狂ってしまいシャンクしてしまったデルポ。ジェイミーがヴォレーをネット。普段の彼らしくないエラー。BPに。信じられないデルポのBHダウンザラインのリターンエース!ブレークしました!ナダルのダブルスのように、ペアに強いシングルスの選手がいると、ダブルス専門の選手を破ってしまうことが多いのですが、サーヴとショットのパワーにかなりの差があります。

3−4(マジェルのサーヴ)5セットを戦い抜いた選手とは思えない軽い動きのデルポ。マジェルはダブルフォルトで0−30。しかし見事なFHダウンザラインのウィナー。ガッツのあるプレー。しかしマジェルは勝ち急ぎのエラーで15−40のBPへ。1stサーヴが入らずブレークバックされてしまった

4−4(ジェイミーのサーヴ)試合内容は互角。少しでも気を許せない。サーヴが鍵となるダブルス。デルポがアンディめがけてボディブロー。アンディが見事にカウンターしてウィナーを取ってしまった。さすが。

5−4(デルポのサーヴ)強いサーヴで甘くなったリターンをマジェルがネットで処理。ダブルスの基本。しかしデルポの攻撃が甘く叩かれてしまって30−40のBPに。アンディがダウンザラインにウィナーを打ってブレーク!このブレークで多分流れが一挙に変わってしまいそう。

第4セット

0−0(ジェイミーのサーヴ)第3セットを落としてしまったアルゼンチン。セットカウントは2−1でイギリスのリード。しかしジェイミーのサーヴィスゲームがそれほど強くないのでデュースを繰り返す。どこまで守りきれるか? やっとゲームをキープ。

1−0(マジェルのサーヴ)Iフォーメーションが読まれてしまって抜かれてしまうアルゼンチン。このパターンはやはり練習を重ねなければマスターできない。疲れかデルポのエラーが増えてきた。BHのスマッシュ失敗。すざましいヴォレー合戦!ダブルスの醍醐味です。デルポの華麗なアングルヴォレーでキープ。

1−1(アンディのサーヴ)ダブルスでは最も大切なのがサーヴ。昨日のアンディは35もエースを打ち放ったが、今日はなかなかエースが入らない。マジェルがロブを上げてしまった。素人試合ではロブが有効だが、プロではロブはジャンピングシザーズキックで打ち込まれてしまう。

2−1(デルポのサーヴ)審判のオーヴァールールでデルポがダブルフォルトになってしまった。デルポはチャレンジせず。冷静にサーヴでポイントを確実に取っていくデルポ。すごい集中力。

2−2(ジェイミーのサーヴ)ジェイミーの左利きのアドサイドからのサーヴは逆サイドのスピンがかかりリターンしにくいサーヴ。デルポがいつもクロスでリターンするのを読まれてしまう。体の内側にカーブするこのサーヴをダウンザラインにリターンするのは至難の技でデルポができるかどうか。

3−2(マジェルのサーヴ)マジェルはラインを狙うガッツのサーヴで良くなってきた。マリー兄弟はリターン出来ない。40−15。

3−3(アンディのサーヴ)最近のダブルスはシングルスの選手が多くなったので、ラリーがベースラインから続くが、本来のダブルスはネットで速攻。両チームともサーヴ&ヴォレーでネットに陣するダブルスで面白い。

4−3(デルポのサーヴ)両チームも互角でブレーク出来ない。サーヴが鍵。アンディがBHをネットにかける簡単なエラーを犯してしまう。気張りすぎてもダメ。気を緩めてもダメ。いかにバランスを取っていくか。

4−4(ジェイミーのサーヴ)ジェイミーは元ダブルスの1位だけあって、ハーフヴォレーのタッチが素晴らしい。膝を深く曲げてネットギリギリにソフトに打つ技はお手本にしたい。

5−4(マジェルのサーヴ)ブレークすればイギリスの勝利が決定。ネットぎりぎりに詰めアグレシッヴなマリー兄弟。0−30でアルゼンチンが危ない。マジェルはベースラインに引いてしまってネットに来ない。案の定ネットのマリー兄弟に叩かれてしまって0−40のマッチポイント!アルゼンチンはあっさりとブレークされてしまってセットを落としてしまった。

スタッツが示すように、マリー兄弟は88度もネットラッシュをしました。デルポのペアは約半数の45です。これではたとえ4セットを勝ったとしても勝てません。アンディーが疲れでレベルが落ちてくるとジェイミー兄が励まし、兄弟愛溢れる素晴らしいプレーを見せてくれました。