ティーン選手が大活躍:2回戦進出は西岡とチュンのアジア選手二人

2015/09/02 2

Aug. 2, 2015 US Open: 2日連続で炎天下の観戦に出かけましたので、今日は涼しく自宅観戦をすることにしました。湿気がものすごく、立っているだけで汗が出てきます。話によると全米オープン記録の17選手がリタイアしてしまったとか。さて今年は歴史的に最多のティーン選手が予選を通過して本線入りを果たしました。その中でも2回戦にへ進出を決めたのは、西岡良仁とチュンの選手で、アジアの意気と気概を見せてくれました。

ジョコヴィッチと準決勝で対決するドルゴポロフのサーヴを解剖

2015/08/22 3

Aug. 22, 2015:(ジョコvsドルゴ戦を更新) 今日66位のドルゴポロフがシンシナティの準決勝でジョコヴィッチと対戦します。トップ選手でない選手が登場するのは楽しいもの。3年前には13位だったランキングも、怪我やロシアのウクライナ侵攻などによる心憂い状況の中で、ランキングも停滞していましたが、予選から勝ち抜いて、昨日はベルディヒに快勝。見事なオンザライズの速攻と電光サーヴで、ジョコヴィッチは苦戦するかもしれません。

ペアーのTweenerがめっちゃ面白い!

2015/08/20 5

Aug. 19, 2015 Cincinnati: シンシナティのマスターズは錦織圭の棄権で、観戦への勢いがちょっとそがれてしまいましたが、その分チョリッチ、ツヴェレフ、コキナキス、ドナルドソンの4人のティーンの活躍が見応えありました。今日のハイライトはジョコヴィッチvsペアー、マリーvsフィッシュの2回戦。ペアーは頻繁なドロップショットでジョコヴィッチのリズムを崩し、ネットのTweenerで会場から大喝采。こういう選手がもっと増えてくれると嬉しいのですが。まずは彼のTweenerのビデオをどうぞ。

カーロヴィッチが1万本のエースを達成:記録の秘密を公開

2015/08/12 3

Aug. 12, 2015 Karlovic:(更新) イヴォ・カーロヴィッチが1万本目のサーヴィスエースを昨日モントリオールで達成しました!世界記録は、引退して現在チリッチのコーチを担当するゴラン・イヴァニセヴィッチの10,183ですが、カーロヴィッチのこの速いペースですと、年内に新記録が樹立されそうです。ゴランは「同胞が抜いてくれるのなら本望」と語っていますが、ゴランがクロアチアのネクストジェネレーションに与えたインパクトは大きく、彼のサーヴはカーロヴィッチ、チリッチ、そして18歳のチョリッチに脈々と受け継がれています。

ワウリンカをエピック戦で倒して男を上げたガスケ

2015/07/14 2

July 13, 2015(更新) 読者の皆様のご要望に応えられるような読み応えのある記事を!という想いが強すぎて、writer’s blockがますますひどくなってしまいました。何度もドラフトを書いたのですが・・・ゴミ箱へ。スランプです。 先週、ある著名なピアニストが突然舞台で弾ひけなくなってしまったという話を放送していました。プレッシャーで指が動かない・・・そこで大先輩のピアニストが「誰もいない倉庫で、そこが舞台だと思って自由に弾きなさい」と助言しました。「うまく弾かなければ!」という想いから解放されたピアニストは、再びピアノを弾く喜びを味わうことができ、コンサートは大成功。 原点に戻る・・・私も書く楽しみをまず取り戻したいと思います。時にはテニスから離れてしまうかもしれませんが、また質も保証できませんが、「まずは書くことを楽しむ」ことから出発したいと思います。

シード選手を脅かす未来のスター6選手がウィンブルドン初集合

2015/06/28 4

June 28, 2015 Wimbledon: 本当に長い間お休みしてしまって申し訳ありませんでした! 手術をしたものの、回復をまたずに動き回ったせいか、悪化してベッドで安静という事態を招いてしまい、かなりのショックで気持ちの立て直しに時間がかかってしまいました。どうも昨秋の咳からついていませんが、もう大丈夫です。 さていよいよウィンブルドンが始まりますね。ATPがウィンブルドンに出場する未来スター6選手の楽しいビデオを掲載していますが、肝心の名前が紹介されていないので、一体彼らは誰なの?になってしまっています。彼らのウィンブルドンの活躍を期待して、この機会に詳しく未来のスター選手たちを紹介したいと思います。 [private] Young Guns Featured In Daily Mail On Eve Of Wimbledon 2015 チョリッチ Borna Coric 年齢:18歳5ヶ月 ランキング:39位 国籍:クロアチア 身長:185cm プレースタイル:右利き、両手BH(安定したショットとディフェンスが抜群によく、メンタル的にも成熟した選手) コーチ:ヨハンセン(全豪オープンに優勝したスウェーデン選手) (関連記事) 『クロアチアの17歳のチョリッチがATPの「明日のスター賞」受賞』 『デ杯1日目:出場選手の採点とこぼれ話』チョリッチも16歳の時に紹介しました。デ杯でマリーと対戦。以下が私の感想です。 Borna Coricはまだ16歳。デ杯のドローで彼の名を見て驚きました。全米オープンのジュニアでシード1で入っていましたので、どれどれ、どんな選手かな?と思って覗いてきましたが、私の応援していたオーストラリアのコキナキスを破って優勝してしまった選手です。現在世界ジュニアランキング1位。ATPでは525位。 マリーはこんなランキングの低い選手と試合をするのはたぶん始めてだったのではと思いますが、「彼はすぐトップ100になるよ」と言っていました。マリーから1ポイントもとるのは大変なのに、気後れすることなくよく頑張っていました。特にネットにラッシュしたり、なかなかのもんでしたよ。 ウィンブルドンのドロー 1回戦(vsスタコフスキー)2回戦(vsセピ)3回戦(vsマリー) コキナキス Thanasi […]

新コーチのギメルスタブによって生まれ変わったイズナーの新戦略

2015/04/03 5

April 3, 2015:(更新) マイアミの準々決勝で、錦織圭がイズナーにストレートに敗退してしまいました。錦織はトーナメントで失ったゲームは10ゲームのみという快進撃を続けてきましたが、イズナーのアグレッシヴな攻撃でリズムを得ることができずストレートで敗北。ディミトロフ、ラオニッチ、錦織を撃破し、今晩ジョコヴィッチと準決勝で対戦する新生イズナーの陰の功労者、ATP の幹事でテニスチャンネルの解説者のジャスティン・ギメルスタブの新戦略とは・・・ [private] イズナーとギメルスタブに触れる前に、錦織の今後の課題について感想を述べてみたいと思います。 マイアミ準々決勝:イズナー def 錦織:6-4 6-3 錦織の緊急課題:サーヴの高率と強化 サーヴの向上とアグレッシヴなリターンゲームで、エリートのトップ5の仲間入りを果たした錦織ですが、イズナー、ラオニッチ、Fロペスのようなサーヴィス強豪選手にブレークされてしまうことが目立って多くなってきました。それはサーヴが向上したとは言え、サーヴィスウィナーでビッグポイントを救えない錦織のサーヴィスゲームがまだもろい状態にあり、特にOne-Two-Punchでアタックされると、プレッシャーが高まってダブルフォルトをしたり、1stサーヴの率が下がってしまい、BPに瀕するケースが増えてきました。 快進撃を続けた錦織でしたが、対戦相手はユーズニー、トロイツキ、ゴファンと、いってみればビッグサーヴァーでない選手たち。ショット力にかなりの差があり、ラリーに持ち込めば錦織の得意なゲームに展開ができましたが、イズナーは違います。 イズナーはBP無し。錦織は5BP。強いサーヴァーが相手ですと、錦織自身のサーヴ率を上げなければアグレッシヴなリターンで攻撃されてしまう典型的な試合でした。 ベースラインからの攻撃を得意とする錦織は、ラリーに持ち込めば勝てる率も増えるのですが、プレッシャーが多いと固くなってしまい、エラーも増えてきます。「エッ! こんな肝心なポイントを簡単に落としてしまうの?」 エラーには二種類あり、フォーカス度が落ちた時と、プレッシャーで固くなった時のエラーがありますが、錦織のエラーはプレッシャーからくる勝ち急ぎのエラーが多くなってきたと思います。どんなにストロークでウィナーを打っても、サーヴィスゲームが弱ければ、絶えずBPに瀕する恐れと闘わなければならず、そのプレッシャーで自滅を招いてしまいます。 イズナーのエースは13本。錦織のエースは1本。イズナーのような高いサーヴのポイント率の選手はブレークされることも少ないので余裕があります。「思い切って振り切れた」と語ったイズナーは、錦織のサーヴをアタックすることに集中すればよいのです。たとえそれがエラーになったとしても、バンバンとウィナーを打ってこられると、プレッシャー度が高まってきます。 錦織がリターンゲームで獲得したのはわずかに11ポイントでした。これはイズナーのサーヴが強烈でリターンできなかったのは分かりますが、問題はイズナーがリターンゲームで獲得した24ポイントの多さです。明らかに錦織の弱点であるサーヴが狙われていました。 サーヴィスリターンが五指に数えられるほど強い錦織ですが、最近は長身のビッグサーヴァーが増えきて、リターンゲームが困難になってきています。なかなかブレークできないビッグサーヴァーが速いテンポでアタックしてくると、平均60%の1stサーヴでは、彼らには勝つのは難しいと思います。せめてイズナー並みの70%はほしいところ。 錦織はメンフィスで優勝しましたが、対戦選手がすべてビッグサーヴァーで、決勝以外は1セットを落としてしまう試合が続きしんどいトーナメントとなりました。試合時間が増えると体への負担も増え、怪我の原因にもなります。 サーヴがよければストロークもついてくるものです。一にも二にもサーヴの強化が錦織の緊急課題なのでは・・・という思いを強く抱いたイズナー戦でした。 退屈だったイズナー ジョン・イズナーの試合はサーヴ一本やりで、ゲームの展開も単調で退屈。母国のアメリカでも人気がなく、驚いてしまったのは2013年のモンフィスとの試合を生観戦した時でした。この試合は『全米オープン現地報告 Day4:ニューヨークがパリに!』でも詳しく書いていますが、抜粋して紹介します。 ……………………………… 本当はアメリカNo.1の選手を応援をするはずのアメリカ人の観客たちが、モンフィス!モンフィス!とチャンティングをやり始めたのです。(中略) イズナーはくそ真面目でボーリングなキャラクターです。テニスもサーヴが命で、シンプルで面白さに欠けるテニス。しかも武器のFHもエラーの多いたよりない武器です。しかし昼の観客だとこういう無礼な態度は起こらなかったと思います。夜はとにかく騒々しくワイルドで有名なのが全米オープン。 正直言ってニューヨークの観客にはがっかりしました。パリだったら絶対にこんなこと(フランス選手を応援しないでアメリカ選手を応援すること)はありえないのに・・・ ……………………………… マイアミではあの退屈なイズナーが、ガンガンと攻めまくって錦織を完封に近い状態で破り、会場を湧かせたのは言うまでもありません。退屈な選手からエキサイティングな選手に3ヶ月で育て上げたのは、元ジュニアチャンピオンで「テニスのタイガーウッズ」と騒がれたジャスティン・ギメルスタブです。 Who is Justin Gimelstob? […]

ドバイ:33歳のフェデラーが優勝、18歳のチョリッチが準決勝

2015/02/28 4

Feb. 28, 2015 Dubai:(更新) トップ3が出場した激戦ドバイのトーナメントは、フェデラーがジョコヴィッチを破って7度目の優勝を飾りました。ネットラッシュを増やし、果てしなくアグレッシヴに攻めるフェデラーテニスは惚れ惚れするほど強く華麗でした。ドバイでは18歳のチョリッチの準決勝進出で、最年長とティーンが活躍するエキサイティングなトーナメントとなりました。 [private] 果てしなくアグレッシヴなフェデラー 決勝:フェデラー def ジョコヴィッチ:6-3 7-5  ドバイの決勝はシード1とシード2の対決となり、エキサイティングな決勝となりました。昨年は二人は6度も対戦し3−3の同成績で、ライヴァルとして見応えのある好試合でした。 フェデラーは最初から最後までアグレッシヴにジョコヴィッチをアタック。自信に溢れているせいか、フットワークも軽く、鋭いショットメイキングでジョコヴィッチの追随を許しませんでした。 ビッグポイントに強いフェデラー ジョコヴィッチに7度もBPに迫られながら、7度ともセーヴしたフェデラーのビッグポイントの強さが印象的でした。逆にジョコヴィッチはわずかに2度のBPでしたが、2度ともセーヴすることができなくてブレークされてしまったことは、まだまだジョコヴィッチのメンタルに課題が残されているように思いました。 第2セットはかなりの接戦になり、フェデラーは5度もBPになってしまう危機に瀕しましたが、エースやサーヴィスウィナーでセーヴ。この試合でエースを9000を記録したフェデラーは、サーヴでジョコヴィッチとの差をつけました。 限りなくネットラッシュを続けるフェデラー サーヴ、ウィナー、エラーの二人のスタッツはあまり変わりはありませんが、大きな違いがあったのはネットラッシュの回数です。ジョコヴィッチの6回に比べてフェデラーは21回。成功率は4割で高くはありませんが、2ndサーヴでもサーヴ&ヴォレーをしてポイントを取ったフェデラーは、ジョコヴィッチに絶えずプレッシャーを与えていました。 フェデラーは時々ネットラッシュが遅れてポジションが下がってしまうことがあり、ジョコヴィッチにパッシングショットを食らっていましたが、それでもヴォレーのミスが減り、見事なネットプレーで観客を楽しませてくれました。それにしてもまるでホームゲームのような(まあ、家があるのでホームなのでしょうが)フェデラー応援一色の会場は、華麗なフェデラーのプレーにわき上がっていました。 今年はデ杯に出ないと宣言し「これからは僕のやりたいことをやる」との発言に、「なんと傲慢な!」とスイス国民から反感を買ってしまったフェデラーですが、ま、彼の気持ちも分からないでもありませんが・・・ちょっと表現がストレートすぎました。 来年はオリンピックの年。同年に一度はデ杯に出ていなければ出場資格が与えられませんので、出場するためにどっとトップ選手がデ杯に出場してきそうで、形骸化されたデ杯を象徴する来春になりそうです。 ジョコヴィッチのメンタルラプス メンタルラプスmental lapse(メンタルのレベルが落ちてしまうこと)を克服するためにベッカーを雇ったジョコヴィッチですが、トップ選手との対戦で追いつめられると、途中でエネルギーが下がってしうためか、フォーカスが落ちてエラーが増え、ディフェンシヴとなってしまう弱点をまだ克服できていないようにみえます。「第2セットはジョコヴィッチがとれるセットだった」とフェデラーも語っていました。 ベルディヒとの準決勝の第2セットの第8ゲームでも、急にジョコヴィッチのプレーがあやしくなり、エラー、エラー、エラー! ベッカーが「一体どうした?」と目を白黒。ブレークされたり、ブレークしたり。ウィナーを打つかと思えばエラー。アップダウンを繰り返して、第2セットを落としてしまったジョコヴィッチでしたが、このような一時的なメンタルラプスはフェデラーとの決勝でも見られました。 ベッカーのピアノのサイン ベルディヒ戦でおかしかったのは第3セットでのベッカーのサインです。第8ゲームのジョコヴィッチのサーヴィスゲームで、ベルディヒに追い上げられデュースとなってしまったジョコヴィッチに、ベッカーは両手でピアノを必死で弾くジェスチャーをしました。これは足を動かせ!というサイン。コーチングは違反ですが、あまりにもケッサクなジェスチャーに思わず解説者も笑っていました。ジョコヴィッチとベッカーの相性が疑問視されていますが、こういうベッカーの面白い性格が合っているのかもしれません。 成熟したメンタリティとコンシスタンシーで未来が期待される18歳の青年 準々決勝:チョリッチ def マリー:6-1 6-3  チョリッチがまだ16歳の2013年に、『デ杯1日目:出場選手の採点とこぼれ話』で無名の彼を紹介しました。 …………………………………… チョリッチ(Coric): […]

テニスの新時代の幕開け:17歳のヴンダーキント(天才児)ツヴェレフ

2014/07/19 6

July 19, 2014 Hamburg: ドイツでWunderkindと呼ばれ、センセーションを巻き起こした17歳のアレクザンダー・ツヴェレフでしたが、連戦で疲労が重なり、また元3位の壁は厚く、準決勝でフェレールに全く実力を出させてもらえず惨敗してしまいました。しかしセンセーションを起こした17歳のナダルの記録に優る素晴らしいパーフォーマンスで未来のチャンピオン誕生です。 [private] テニスの新時代がやってくる? 3度もツヴェレフの記事が続きうんざりされている方も多いと思いますが、テニス界の歴史的な出来事ですので、もう少し書かせてください。 5年毎にテニスのチャンピオンが交替し、プレースタイルが変化してきていますので、テニスのジェネレーションは5年とされています。フェデラー(32歳)の後、ナダル(28歳)/ジョコヴィッチ(27歳)が引き継ぎましたが、ネクストジェネレーションがなかなか育たず、ビッグ4がGSタイトルを独占する時代が続いています。やっとラオニッチ(23歳)/ディミトロフ(23歳)がトップ10に入りましたが、彼らを飛び越しそうな勢いをみせるのがティーネージャーたちです。 ウィンブルドンで準々決勝まで進出し、ランキングが66位となった19歳のキリオス。そして今回のATP500のハンブルグで準決勝まで進んだ17歳のツヴェレフ。彼らはナダルよりも約10歳も若いネクスト・ネクストジェネレーションの選手です。 ドイツ語でWunder(ヴンダー)とはWonder、Kind(キント)とはChild、つまり天才児という意味ですが、最後のティーンのセンセーションは18歳で全仏オープンに優勝したナダルでした。しかしナダルは17歳までは、ATP500のカテゴリーではドバイの準々決勝がベストでしたので、ツヴェレフはナダルを追い越したことになります。テニス界が熱くなるのも無理はありません。 ハンブルグ準決勝:フェレール def ツヴェレフ:6-0 6-1 しかしはやり17歳の体では強靭なフェレールにはかなわず完敗でした。連戦の疲労がたまっているせいか、サーヴは第1セットの前半は全く入らず7%でベーグル。しかし準々決勝でカムケに第1セットを同じくベーグルで落としてしまったツヴェレフは、見事に挽回してフルセットで勝ちましたので、望みはあったのですが、さすがベテランのフェレール。挽回する余地を与えず、第2セットは一時9割をいく高率でサーヴィスゲームを勝ち取り、まったくツヴェレフを寄せつけませんでした。 武器のBHが入らず、サーヴも入らず、エラーの連続で、もう頭が真っ白になってしまったツヴェレフに満杯の会場は必死のエールを送ります。普段はラケットを投げる選手にはブーイングが起こるのですが、何度もラケットを投げるツヴェレフに同情のため息が。解説者も「投げたくなる気持ちは分かりますね」と全く批判する気配なし。しかし、やはりあの態度はいけません。兄のミーシャがギルバートに「弟は実力があるのに、メルトダウンしてしまうのが最大の欠陥」と嘆いていたそうですが、こういうことだったのですね。まだまだ修行が足りません。スポーツはメンタル。記録ではナダルに優っても、メンタルではやはりかなり差があるようです。 未来のチャンピオンと騒がれながら、多くの選手がトップ10にもなれないのが実情。解説者が「ツヴェレフはデルポトロとジョコヴィッチを足して二で割ったような選手だ」とべた褒めしていましたが、期待外れの選手に終ることなく、惨敗の口惜しさをバネとして、実力をシャットアウトされてしまったフェレールから多くを学び、チャンピオンへの道を邁進してほしいと願っています。 (追記) 今私はニューヨークから北上ドライヴ5時間のベルモントWoodstock にいます。美しいリゾート地で、Jackson House Innというホテルでこの記事を書いています。元ウォールストリートのビジネスマンが退職後、夢を実現するために由緒ある邸宅を買い取り、ホテルに改装したもので洗練された雰囲気が気に入りました。 私たちの部屋のテラスは庭に面してとても静かです。 昨日から運転ばかりしていましたので、運動不足ですので、ハイキングの代わりに広大な庭を散歩することにしました。 夫は早朝から走っていますので、彼を出発地点まで見送ったあと、一人でゆっくり庭を眺めながら朝食。 すべてオーガニックな素材を使っているそうで、フリーレンジの卵で作ったキッシュにベーコン(ベーコンもオーガニックなんだそうですが、どこがオーガニックなのかよくわかりませんが)。   今夫はベルモントの100kmのレースに参加して走っている最中で、夜中の1時ごろに完走する予定。その間時間をつぶさなくてはなりません。美しいベルモントの自然を満喫しようとハイキングに出かけるつもりでしたが、どうしてもツヴェレフvsフェレールの準決勝が観たくて、ホテルのバーの大きなスクリーンで観戦することにしました。 ツヴェレフが6-0 6-1で惨敗となり、これならハイキングに行っておけばよかったと、ちょっと後悔されましたが、それでもはやり常時トップ10のフェレールと、ツヴェレフが破ってきたトップ50の選手たちとのメンタル/実力の差を知る上でとても参考になりました。 さて、そろそろ夕方の4時になりますが、夫を最終地点でピックアップするまでにまだ9時間もあります。さあ、これからどうしようか・・・    

ニック・キリオス特集:ちびデブのボールボーイがナダルを破った!

2014/07/02 8

July 1, 2014 Wimbledon: 大変な選手が出現して今テニス界は大騒ぎです。何度もしつこく未来のスターだと紹介してきたニック・キリオスですが、まさか19歳でNo.1選手を破ってしまうとは!マッケンローはキリオスの態度は勝利を信じて疑わないオーラがあり、このような選手はベッカー以来だと絶賛。17歳でウィンブルドンのチャンピオンとなったベッカーはキリオスをみて”Here I am!”(私がそこにいる!)と叫んだとか。まだ日本には知られていないキリオスの楽しいエピソードを紹介します。 [private] ナダルにとってパワーヒッターでビッグサーヴァーの苦手な選手と当たってしまったことは不運でした。しかしビッグ4があまりにも長期にわたってGSタイトルを独占してきましたので、新鮮味に欠けていたテニス界に、センセーションを呼ぶ若者の出現は嬉しいニュースです。しかも144位のWC選手がNo.1選手を破ったのですから、歴史的なアップセットとなり、マッケンローが言うように、まさにベッカーの再来を彷彿させるビッグ選手の登場です。 ウィンブルドンのビッグアップセットを列記しますと: 2013年2回戦 スタコフスキー(116位)def フェデラー(3位) 2013年1回戦 ダルシス(135位)def ナダル(5位) 2012年2回戦 ロソル(100位)def ナダル(2位) 2003年1回戦 カーロヴィッチ(202位)def ヒューイット(1位) 2002年2回戦 バストル(148位)def サンプラス(6位) 2002年2回戦 スリチャパン(67位)def アガシ(3位) キリオスはチャレンジャーで優勝してWCを獲得し、本戦入りを果たしましたが、WCで優勝してしまった選手は2001年のイヴァニセヴィッチ(WC125位)です。モヤ、ロディック、サフィン、ラフターなどの元チャンピオンを破った快進撃は今でも忘れることができません。 ウィンブルドン4回戦:キリオス def ナダル:7-6(5) 5-7 7-6(5) 6-3 キリオスは舞台が大きければ大きいほどハッスルして実力を発揮する選手。センターコートでしかもNo.1のナダルと対戦という、夢のような(本人曰く)試合で全くあがった様子がありません。身長が193cmもあり、ナダルが小さくみえます。普通ならナダルに威圧されてしまうのですが、まったく気後れしない堂々とした態度にマッケンローやクーリエが感心していました。 試合中継はマッケンローとヘンマンが解説をしていましたが、キリオスのプレーに「信じられない!」という言葉を連発。スタジオではクーリエとアナコンが解説して、一年半前は800番台だった選手がNo.1を倒すなんて「考えられないショッキングなことだ」と驚きを隠せない様子でした。 キリオスの武器については『ウィンブルドン Day 4: 最年少のキリオスが 9つのマッチPointをセーヴしてガスケを打倒』で詳しく述べていますが、簡単に言ってしまうと、武器が多すぎるのが武器。 ビッグサーヴ 193cmから打ち込まれるサーヴはラオニッチのサーヴのようにすざましく、しかも長時間の試合でもレベルが落ちないません。ガスケとの試合で、9回もマッチポイントに瀕しながら、エースで救うサーヴ力は圧倒的な武器です。ナダル戦でも37本エースを打ち放ち、最後のマッチポイントもエースで決めました。 固くならずあくまでもポジティヴなメンタル ガスケ戦で有名になったタフなメンタルはナダル戦でも発揮しました。 特に第2セットを失ったにもかかわらず、リバウンドできる頑強なメンタルと、ビッグポイントで固くならずアグレッシヴ攻めることのできるメンタルは例をみません。 […]

ウィンブルドン Day 4: 最年少のキリオスが 9つのマッチPointをセーヴしてガスケを打倒

2014/06/27 0

June 26, 2014 Wimbledon: (更新) 今年のウィンブルドンは若い選手の大活躍で興奮気味です。一作日のセンセーションはフェレールを破ったクズネツォヴァ。作日は19歳のオーストラリアのニック・キリオスがガスケを、そして20歳のヴェセリーがモンフィスを5セットのフルセットで破りネクストジェネレーションが話題をさらいました。錦織圭もスッキリとクルダにストレート勝ち。話題のナダルvsロソルの対決もナダルのリヴェンジがかなってビッグ4がそろって3回戦進出を決めました。 [private] 頑張るネクストジェネレーション 24歳の錦織までの年齢をネクストジェネレーションとするならば、128選手から3回戦(32選手)に生き残ったネクストジェネレーションは以下の7名となりました。 キリオス(WC:19歳 オーストラリア) ヴェセリー(WC:20歳 チェコ) ディミトロフ(23歳 ブルガリア) クズネツォヴ(23歳 ロシア) ラオニッチ(23歳 カナダ) ヤノヴィッチ(23歳 ポーランド) 錦織(24歳 日本) ネクストジェネレーションの中で実力で本戦入りを果たしたのは、上記以外に16名がおりますが、(WCのコックスとエドムンドを除く)、6名のアメリカと4名のオーストラリアが頑張っています。 ティーム(20歳 オーストリア) サヴィル(20歳 イギリス) クルダ(21歳 アメリカ) ソック(21歳 アメリカ) トミック(21歳 オーストラリア) ダックワース(22歳 オーストラリア) […]

グルビスのコメントが女性蔑視と批判が集中

2014/05/31 3

May 30, 2014: 全仏オープンでグルビス(17位)がステパネックに勝ち4回戦に進出を決めました。彼には妹が二人いますが、「彼女たちもプロを目指しているのですか?」との質問に、「彼女たちにはプロになってほしくないね。女性は結婚して子供を作ることを考えなくてはならないので・・・」おお!プロフェッショナルな女性の生き方を否定するような時代遅れな答え!「27歳までに子供を・・・」というコメントに、27歳のシャラポヴァが反撃しました。 [private] 記者会見でグルビスは以下のように答えました。 妹たちにはプロのテニスプレーヤーにはなってほしくないね。女性にとってはタフなことだから。女性は人生をもっとエンジョイする必要があると思っているし、家族や子供のことを考える必要があるからね。もしプロのテニスプレーヤーだったら、27歳までに子供をつくることは考えられないし・・・ともかく女性にとってはタフなことだから。 「27歳」という歳に思い出すのが二人の男性です。 「27歳以上の女は歳をとりすぎていて興味がない。」と平気で私の前で語った無神経な日本の30歳の男性。(その時の私は35歳。) 「27歳以上は女じゃないよ」と私に言ったアホな27歳のスイスの男性(私の夫ではありません)(その時の私は29歳) 昔は女の27歳という年齢は、日本だけでなく、ヨーロッパでも、「もうお前は歳をとりすぎている」と死刑宣告の年齢だったかもしれませんが、しかし今の時代に25歳の青年が公言する言葉ではありません。私も25歳の息子がいますが、全く住む世界が違う異人種のようで驚いてしまいました。 さっそく27歳のシャラポヴァが反撃 グルビスのいうことは真剣に誰も受け取りませんよ。彼はエンターテイメントをやってくれるので、そういう意味では彼の言っていることは面白いと思いますが。もしプロの選手であることがそんなによくないことだったら、彼もやっていないのでは? スポーツは女性にとって素晴らしい機会を与えてくれるます。もし私に子供ができれば、この素晴らしい経験をしてもらいたいと願うでしょう。 プロの選手生活は厳しい・・・というのは理解できます。選手だけでなく、プロフェッショナルの世界は厳しいのは当たり前の話です。しかし仕事をプロとして真剣にやっていこうという女性に対して、子供を27歳までにつくることを考えなければならないので・・・という考え方に頭を傾げてしまうのです。 女性は子供を27歳までにつくるために生まれてきたのではありません。私は40歳で子供を産み、仕事と両立させ、今では息子はしっかりと自立して仕事に励んでいます。クライスター、グラフ、ダヴェンポート、エナン・・・多くのレジェンドと言われる女子プロがGSタイトルをとり、27歳以上で子供を産み、幸せな結婚生活を送っています。アガシがグラフに夢中になったのは、彼女が絶頂期にあった頃です。彼女は32歳で子供を出産しました。 「プロの選手生活が大変だから、妹たちにはプロにはなってほしくない。」これは妹を想いやっての言葉で理解できますが、その後の「女は・・・だから」というところが批判の対象になってしまったのは当然だと思います。 幸せなプロ選手カップル:メルツァー夫妻のミックスダブルス ユルゲン・メルツァー(33歳)は今ではトップ50にランキングが落ちてしまいましたが、元トップ10のオーストリアの選手です。2011年にイヴェタ・ベネソヴァ(31歳)とミックスダブルスを組み、ウィンブルドンで優勝。この二人は翌年結婚し、今年全仏オープンでミックスダブルスに挑戦しました。残念ながらシード1のペアと当たってしまい敗退しましたが、メルツァーが女子プロとの結婚について以下のように答えています。 スポーツ選手の生活はアップダウンの激しい生活です。そういう生活をよく理解してもらえる配偶者がいることはとてもよいことだと思います。特にダウンしている時に、そっとしてもらえるのが助かりますね。 プロ同士の選手の恋愛関係はキャリアの妨げになるとは思いません(マキロイの結婚解消の理由)。むしろ恋愛は利点だと思いますね。愛はプランして生まれるのではありません。私たちの場合は、すべてを受け入れ愛し合った自然な結果だったのです。 美しいモデルをトロフィーのように選手ボックス席に座らせる選手が多いのですが、グルビスはどういう女性と結婚するのでしょうね。 (追記)そういえば、12年前にウィンブルドン優勝者のクライチェックが「女子プロは太った怠惰な豚だ」と言ったことがありましたっけ! これは大変な騒ぎとなりました。 グルビスは昨年の全仏オープンのインタービューでも「ビッグ4は退屈な選手たちだ」と語ってました。「自分はいいたいことを言う」のが主義なのだそうですが、ロシア文学を愛読しインテリと言われる割には、インテリさを感じさせない発言の数々。言いたいことを言うのは結構ですが、少し頭を使った発言をしてもらいたいものです。 4回戦はその退屈な選手の一人のフェデラーが対戦相手です。 ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ブログランキングに参加しています。下のアイコンのクリックをお願いします♡

モンテカルロの1回戦:WCをもらった未来の星ティームに注目!

2014/04/12 0

April 12, 2014 Monte Carlo:(更新) クレーシーズンがいよいよ始まりました!スローでバウンスが高いクレーでは、やはりクレーで育ったヨーロッパ勢が圧倒的に強いと思いますが、錦織はモンテカルロをスキップしてバルセロナからスタートします。ナダルがあっけなくマイアミでジョコヴィッチに敗れてしまいましたが、クレーでは水を得た魚のように生き返るはず。フェデラーのWCで久しぶりにトップ5の集合となっただけでなく、最年少の未来の星20歳のティームがWCを受け、新旧混じったスリルのあるトーナメントとなりそうです。 [private] ベテラン選手のフィットネスが上がり、ハイテックなラケットとストリングの機能アップにより、若い選手がセンセーショナルに登場してトップに駆け上れる時代は終わりを告げてしまったような感じがします。無名の選手がバッタバッタと強剛をなぎ倒すのはスポーツの醍醐味なのですが、これはむしろ女子プロの世界ではまだ可能で、ハプニングがいろいろ起こっているようですが、男子プロではジュニアの流星のようなブレークスルーはみられなくなってしまいました。 変わりつつある未来のジェネレーション ナダルのようなセンセーショナルなジュニア選手の登場はなくなったにせよ、20歳と21歳の若い世代が堅実に実力を発揮してランキングを上げてきているのが注目されます。今まで若いとされてきた22歳のディミトロフはもう中堅層に入ってしまった感がします。 100番の20歳の選手は180位のフランスのルカ・プイレがただ一人ですが、21歳の選手は以下の8選手がひしめきあっています。その中にダニエル太郎も入ってきました。 100番台の21歳の選手 108位:グドラ(アメリカ) 115位:ハリソン(アメリカ) 123位:アルグエロ(スペイン) 128位:シュウォルツマン(アルゼンチン) 168位:チェキナト(イタリア) 172位:クレザー(ブラジル) 191位:ダニエル太郎(日本) 199位:ヴェロッティ(アルゼンチン) 21歳のトミック(75位)とハリソン(115位)に代表される過去の星 トミックとハリソンはジュニアの頃から国の期待を一斉に浴びてきた未来の星でした。期待にそって19歳でベストランキングが27位にも昇ったトミックでしたが、父親の暴力事件や腰の手術で、最近はランキングも降下していく一方。才能がありながら・・・と惜しまれる選手の一人ですが、才能だけではトップ選手になれないことを実証しているのがトミックです。彼に最も欠けているのは絶対勝つという強いメンタル。 しかし絶対勝つという強い意志があっても、ここぞというビッグポイントを落としてしまって勝てないのが、アメリカのホープのハリソン。彼もベストランキングは19歳の時にすでに43位と駆け上がったものの、最近は同じ21歳のソック(94位)に追い抜かれてしまいました。 「まだ僕は若いのだから・・・」と口ぐせのように語っているトミックですが、オーストラリアは3歳も若い18歳のキリオス(222位)とコキナキス(415位)をデ杯に出場させ、トミックはもう過去の星になってしまったような感があります。 20歳のヴェセリー(67位)とティーム(81位)に代表される新しい星 イリ・ヴェセリー Vesely は、4月の日本とのデ杯準々決勝でダニエル太郎と戦い、6-4 6-4で5勝目をあげた選手で、皆様にも馴染みが深いかと思います。左利きでランキングも上昇気流にあって67位と駆け上ってきています。20歳とは思えない堂々たる198cmから放たれる爆弾サーヴが武器ですが、コンシスタンシーのある成熟したプレーで今後が期待される選手です。 彼はモンテカルロをスキップして、次は4月21日から始まるブカレストに出場の予定。 ドミニク・ティーム Dominic Thiem (写真)については、2014年3月8日の『片手バックハンドの新スター誕生:ドミニク・ティーム』で紹介しましたが、20歳のオーストリアの選手で、未来の星として最も注目される選手の一人です。昨年は300番でしたが、フューチャーズで2タイトル、チャレンジャーでも2タイトルを獲得し、今年は見事にトップ100の厚い壁をブレークスルーしました。ルックスよし、性格よし、エクストリーム・トレーニング(後ほど紹介します)で鍛え抜いたメンタルで、テニス界が久しぶりに興奮する新人登場です。 32歳でキャリアハイの39位に上がったマウ ティームの1回戦対戦相手の ニコラ・マウ Mahutは芝を得意とするサーヴ&ヴォレーの選手です。ウィンブルドンで最長時間の11時間試合を記録したことで世界的に名が知られる選手ですが、今年はランキングがキャリアハイの39位に上がりました。しかもダブルスもベストの12位とまさに絶好調の選手ですが、好調とはいえクレーは最も苦手なサーフェスです。 […]

片手バックハンドの新スター誕生:ドミニク・ティーム

2014/03/08 1

March 8, 2014: 新しいスター誕生にはいつも興奮してしまいますが、ヴァヴリンカを彷彿させる片手バックハンドのダウンザラインのウィナーで、アンディ・マリーから1セットを奪った20歳のオーストリア青年、ドミニク・ティームが今熱い注目を受けています。ランキングも2月に99位を記録。インディアンウェルズで予選を勝ち抜いて本戦1回戦を突破しました。なかなかのイケメンで、オールコートを使ったドロップショットも見事。嬉しい選手の登場です。明日2回戦でシモンと対戦しますが、華のあるテニス選手だけに今後の活躍が楽しみです。 [private] Photo: ティーム(左) グルビス(右) 彼のコーチはグルビスのコーチも兼任するグンター・ブレズニク Gunter Bresnik です。元オーストリアのデ杯キャプテンをつとめ、ボリス・ベッカーの元コーチで、ウィーンでテニスアカデミーを経営しています。ユーニークなのは医学を学んだブレズニクの科学を取り入れたサイエンステニスです。 数学教授だったボリス・ソブキン Boris Sobkin も科学的分析で知られ、ユーズニーを育て上げました。(『ユズニー優勝の陰に数学教授のコーチ』)プロ選手でなくとも、多くのNo.1選手を育て上げたニック・ボレテリは今年テニス殿堂に選ばれましたね。分析力とトレーニング方法で大きな成果をあげることを実証した彼らのコーチングは大変興味があります。 私がティームの素晴らしさを述べる前に、今年2月ロッテルダム2回戦でのアンディ・マリーとの3セットバトルをまずご覧ください。 一昔のテニスプロは数カ国の選手で占められていましたが、この10年間で世界中のジュニアがプロを目指すようになり、想像を絶するほど激しいプロ世界となってきました。いくらジュニアでトップであっても、プロに転向して成功せず、去っていく選手が大半という厳しい現実の中で、将来を託されている20歳の選手が二人います。 チェコのユリ・ヴェセリ Jiri Vesely(77位)とオーストリアのティーム(101位)ですが、両選手とも1回戦を突破して2回戦に挑戦です。今回はエクストリームトレーニングで話題を呼ぶティームについて紹介したいと思います。 トップ10選手になるには、本人の才能はもちろんのこと、成長する過程で様々な正しい選択を行っていかなければなりません。ティームの今まで行ってきた選択はまさに正しい選択でした。 コーチの選択 コーチの選択は選手の将来を決定します。ティームはラッキーにも父親のコネで11歳の時から、ブレズネクから週一回のレッスンを受けることができました。フェデラーの基礎を築いたのはピーター・カーターです。サンプラスにチャンピオンへの道を導いたのはティム・ガリクソン。ティームはブレズネクをコーチにすることによって、トップ選手になる基礎が築かれました。。 片手バックハンドの選択 サンプラスがチャンピオンになれたのは、両手バックハンドから片手に変えたことだと言われていますが、ティームも最初は両手バックハンドでした。しかしディフェンス気味になってしまうティームに片手BHに変更するように指示したのはブレズネクです。 両手BHがメジャーな時代に片手に変更することは大きな賭けでしたが、ティームはコーチを信じて練習に励みました。この結果、ガスケやヴァヴリンカに近い、あの華麗な片手BHのダウンザラインを武器にすることができたのです。 片手BHは両手BHよりはパワーに欠けますが、ダウンザラインは相手にとっては読むことがむずかしい強力な武器です。 片手BHはフェデラー、ヴァヴリンカ、ガスケのジェネレーションから、ディミトロフに、そして20歳のティームに受け継がれて、片手BHの威力が見直されようとしています。これは嬉しい傾向です。 WCをもらわず予選に挑戦しつづける選択 ジュニアで1位であっても、フューチャーズでは1回戦も勝てないのがプロの世界です。またフューチャーズで優勝してもチャレンジャーでは予選から挑戦していかなければなりません。ティームはWCを受けることもできましたが、より高いレベルのトーナメントの予選に挑戦しづつけてきました。 ドナルド・ヤングが逆の例で失敗しています。ジュニアで1位だったヤングはジュニアのGSのタイトルもとりながら、プロになってもトップ50になれないのは、WCをもらい続けてきたことが大きな原因だと言われています。ヤングの弱点はメンタルです。予選で苦労して勝利を勝ち得たことが少ない選手にはメンタルの強さは培われません。 ティームは今年からチャレンジャーはやめ、すべてツアーの予選に挑戦してきました。ドーハ、全豪オープン、ロッテルダム、そしてインディアンウェルズの予選を突破。しかしチャレンジャーでは優勝してきたティームが、なぜポイントの少ない予選に挑戦するのでしょうか。 予選でレベルの高い選手と試合することによって、今まで学べなかったことを経験することができるのです。試合の結果はわずかなポイントの差で決まってしまいます。コンシスタンシーとフィットネスが大きく影響してくることを学びました。(ティーム) エクストリームトレーニングの選択 ティームはジュニア時代に急激に身長が伸びたため(現在185cm)、様々な故障に悩まされてきました。ランキングを上げるためには、強靭な体とメンタル、そしていつまでも戦い続けることができる体力が不可欠となってきます。 […]

4回戦でマリーと対戦するラッキールーザー、カジノテニスのステファン・ロベール

2014/01/19 7

January 19, 2013 Australian Open: 今年の全豪オープンの最大の話題は、エクストリーム・ヒート・ポリシーの適用でしたが、その他にもラッキールーザーで本戦入りを果たした二人の選手クリザンとロベールの活躍が話題となりました。特にロベールは全豪オープン始まって以来初めて4回戦進出したラッキールーザーで、月曜午後4時半にマリーと対戦します。ではカジノテニスで知られるステファン・ロベールとはどんな選手なのでしょうか? [private] Who is ステファン・ロベール Stephane Robert ? ジャーニーマン フランス人で33歳。 ランキング116位(ベストは61位)。 ジャーニーマン(チャレンジャーやフューチャーズを転戦する選手)で、キャリアのハイライトは2011年全仏オープン1回戦でベルディヒに勝利。 昨年の全豪オープンでは予選で敗退してしまいましたが、ホテルに泊まるお金がなく、ユースホステルに宿泊。そこで部屋を共にした男性と仲がよくなり、彼に無料で入場できるパスを提供。彼はロベールのファンとなりソーシャルネットワークでロベールの応援を熱心に続けているとか。 カジノテニス ギャンブルの好きなロベールは昨年の全豪オープンでは予選1回戦で敗退してしまいましたが、毎日のようにメルボルンのCrown Casinoでギャンブルをしていたそうです。トーナメントのプレッシャーから逃れるよい息抜きになるそうで、彼のプレースタイルも彼曰く「カジノテニス」だとか。 私はテニス人生でいつもクレージーなショットを打ってきました。私はそれをカジノテニスと呼んでいますが、ビッグなショットを打ったり、時には目をつぶって打ったり、つまりギャンブルのテニスなんですよ。(ロベール) ラッキールーザーの二人 ラッキールーザーとは、予選の最終戦で負けたルーザーが本戦入りをした選手の棄権によって、本戦入りとなったラッキーなルーザーのことですが、今年のラッキールーザーはアルマグロの棄権でクリザンが、コールシュライバーの棄権でロベールがラッキールーザーとなりました。 従来は予選敗退者の最高ランキングの選手がエントリーできるシステムでしたが、誰がラッキールーザーになるか分かってしまうと、内緒の取引で棄権する選手も出てきたため、予選最終戦の敗退者からくじでラッキールーザーを決めるシステムに変更されました。 クリザンが最初ラッキールーザーに決まった後でも、ロベールは他の選手の棄権でラッキールーザーになれるチャンスに賭けメルボルンに残りました。この賭けがあたり、試合直前にコールシュライバーが棄権となり、ロベールの本戦入りが決定。さすがカジノテニス選手です。 全豪オープンが開催される前夜に、レストランで松葉杖をついたシモンをみかけたロベールは、シモンが棄権することを願っていたのですが、何とシモンは怪我の足でブランズにフルセットで勝利。しかも2回戦のチリッチにもフルセットで破ってしまったのです。 ラッキールーザーの二人の3回戦は皮肉にもラッキールーザー同士の戦いとなり、ロベールがクリザンを破って4回戦進出となりました。 3試合の対戦相手の最高ランキングが64位で、イージーなドローで幸運がついてまわったロベールでしたが、運も4回戦のマリーで息が切れてしまったようです。 マリーはロベールが逆立ちしても勝てそうな相手ではありませんが、何が起こるかわからないのがスポーツの面白さ。目をつぶったカジノテニスでロベールはマリーを翻弄してくれるかもしれませんね。 2013年全米オープンでガスケと対戦したロベール ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ブログランキングに参加しています。下のアイコンのクリックをお願いします♡

全米オープン予選1日目:現地レポート by Tim

2013/08/21 8

August 21, 2013 US Open: 全米オープンの予選が8月19日から始まっていますが、ジョコヴィッチやマリーに会うために1日目と2日目は会場に出かけられませんでしたので、またTimさんに現地レポートをお願いしました。守屋宏紀が予選1回戦に辛勝しましたが、フルセットの様子をレポートしてもらいました。 [private] 守屋宏紀 def サミュエル・グロス:6-4 4-6 6-3 グロスGrothは25歳のオーストラリア選手。ランキングは196位。守屋宏紀は22歳で181位。昨年は予選で見事に勝ち残り本戦入りを果たしました。しかし残念ながらドディックに初戦で敗退しましたが、彼を昨年応援しましたが、とてもチャーミングで感じのいい好青年でした。 では遅ればせながら初日観戦のティムのレポートです。 Photo & Report by Tim 全米オープンの初日は晴天に恵まれました。例年になくニューヨークは涼しく、選手たちにとってプレーしやすい最高の日となりました。(過去には35度にもなった激暑の観戦を経験していますので) 昨年は守屋の試合を全部観戦しファンとなりましたので、今日は守屋の応援にやってきました。対戦相手はオーストラリアからきたサミュエル・グロス。彼はものすごくデカくてかなり心配になってきました。彼は時速263kmの世界新記録を昨年打ち立てたサーヴの持ち主だということを知ったのです。グロスの身長は194cm。93kg。彼のサーヴがネットに当たると、ネットがあまりのスピードに倒れてしまうかと思うほどでした。 (tennisnakama: 新記録の263kmのサーヴのスローモーションをどうぞ) しかし守屋は数ゲーム後にはグロスのサーヴに慣れ始め、しかも単純なので読みやすく、80%の割で4ストローク以内でポイントを取っていました。グロスはすぐカーッとなりやすいのにくらべて、守屋は落ち着いていました。その落ち着きがますますグロスを苛立たせたようでした。 守屋が第1セットを取りましたが、第2セットは4−5のサーヴィスゲームで固くなってしまったのか、ブレークされてしまいセットを落としてしまいました。 第2セットのあと、バスルームブレークをとった守屋はリフレッシュできたようで、第3セットは早々にブレーク。3−5のグロスのサーヴィスゲームでは、守屋はアグレッシヴに攻めグロスをダブルブレークして、1回戦を勝ち取りました。 from tennisnakama: 守屋の試合は最後の試合で、観客もチラホラしかいない寂しい試合となったようですが、Timは最後まで守屋を応援しつづけました。守屋は試合後Timに何度もThank you!と感謝したそうです。応援があると選手はエネルギーを得て頑張ることができます。過去に幾度か経験したことがありますが、応援を激しく展開すると、選手たちは「頑張るぞ!」モードになりインテンシティが増して勝ってくれることが結構ありました。ですから皆さんも、特にモメンタムが相手の選手にシフトしてしまった時は、恥ずかしさを振り切って応援してあげてくださいね。 Kenny Michiokaが守屋の写真を沢山撮ってくれましたので、ご覧になってください。登録すればダウンロードは彼の名が入っていますので自由だそうです。 https://www.dropbox.com/sh/jfbn75il5ejsh9x/UMqTKfHuAv/Moriya 第3日目の今日私は久しぶりにTimと一緒に観戦しました。添田豪と伊藤竜馬が1回戦をクリアして2回戦へ進出しましたが、残念ながら杉田祐一はフルセットで負けてしまいました。フェデラーとヴァヴリンカのプラクティスマッチを観ることができましたよ。ミルカのランニングパンツは初めてみました・・・などなど、書きたいことが山ほどあるのですが、明日早朝に執筆に取りかかります。 実は全米オープンが終ってから、国連プラザホテルでテニスをしてきたのです。予選でかなりハイレベルなテニスを観てきましたので、刺激され張り切ってプレーしましたが、全くお粗末で最悪でした。頭は興奮して元気なのですが、体が熱暑の観戦で(35度でした)かなりまいっているようです。 ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ ✦ […]

ユズニー優勝の陰に数学教授のコーチ

2013/07/29 6

July 29, 2013: ミハエル・ユズニーMikhail Youzhny がスイスのグスタートでハーセを破り優勝しました。ユズニーは試合に勝つとラケットを頭にのせ、敬礼をするジェスチャーで有名ですが、その敬礼の由来をはじめ、彼の数学博士のコーチの影響まで、今日は31歳でまだまだ進化する「ユズニーのすべて」をお送りします。 [private] いろんなトーナメント会場で選手たちの練習風景を見てきましたが、ユズニーはいつ観ても黙々と練習に励み、練習試合の合間に相手の選手と冗談を交わすわけでもなく、とにかく真剣そのもの。彼の片手バックハンドのスライスはたぶんプロでもベストに入るほど優れ、BHの豊富な種類でクロス、ダウンザラインと自由自在に相手選手を揺さぶって、ハーセを破り優勝を勝ち得ました。 ユズニーのキャリアハイのランキング8位でトップ10の選手でしたが、2010年の腰の故障でそれ以後はカムバックがむずかしくトップ30に甘んじてきた選手です。 BHにくらべてFHとサーヴがまだ若干弱いのが、彼がまだトップ10にカムバックできない原因となっていますが、ネットにラッシュしてヴォレーでポイントを取るのが実にうまくオールコートの選手です。今のパワー一点ばりのテニスではなく、早めに打って相手に時間を与えず、コート全面を駆使した立体的な3Dのテニスは私たちにも非常に参考になるスマートで賢明なテニスです。 父は息子のテニスのために大佐を退職 ミーシャMischa (ユズニーのニックネーム)には2歳年上の兄がいて、いつも二人でテニスの練習をしてきました。息子二人がテニスに才能があるのをみて、彼らをモスクワのエリートクラブのSpartak Clubに送るために、父は大佐の職を辞職して彼らのテニスのキャリアを手伝ってきました。 Spartak Clubはサフィンの母がコーチでサフィンやサフィーナを育てたクラブですが、元no.1のカフェルニコフ、ディメンティエヴァなど多くのトップ選手を輩出したロシアのエリートクラブです。ユズニー兄弟はモスクワに住んでおりませんでしたので、電車とバスを何度も乗り換えて通わなくてはなりません。ミーシャが10歳、兄が12歳のときでした。 ミーシャはカッとするとラケットをコートに投げつけたり、負けると泣き叫んだり、コーチングがむずかしく誰も彼のコーチを担当しようとはしませんでした。仕方がないので兄と空いているコートで練習していましたが、練習も他のジュニアのレッスンが始まると、別の空いているコートに移動する、といったコーチなしの時期が続きました。 育て親のソブキン教授 あっちこっちのコートで兄と打っているミーシャに目をつけたのは、当時7位のランキングでロシア最強のチェスノコフ Chesnokovのコーチングアドヴァイザーをしていたボリス・ソブキン Boris Sobkinです。それ以来現在までミーシャのコーチングを20年間勤めてきたミーシャの育て親でもある彼は、コーチングのきっかけについてミーシャの目が違っていたと語ります。 ミーシャの目には何かが違っていた。何かが輝いていた。彼はトップ10の選手にはなれるとは思わなかったけれど、何か特別なものが彼にはあると直感した。 面白いのはソブキンは元テニスプロではないのです。大学の数学の教授だったのですのが、給料が安いためにテニスクラブでコーチングのアルバイトをするアマチュア選手でした。しかし研究熱心で革新的な練習方法で効果を上げてきたソブキンは、コーチとしてめきめきと手腕を発揮するようになり、果てにはトップ選手たちのコーチを担当するまでになったという風変わりなコーチ歴をもっています。 フェデラーを破ったスタコフスキーがソブキンについて以下のように語っています。 彼はテニスをみる角度が違う。非常にインテリでミーシャとの練習は多くのアングルを使ったとてもユニークなものだ。彼らの関係もまたユニークで二人は読書家で、ミーシャは暇さえあればしょっちゅう本を読んでいる。二人の会話は冗談でもものすごくハイレベルで、一体どこの惑星の生き物かと思うくらい(僕にはチンプンカンプン)。 2002年のデ杯優勝の立役者 初めてミーシャがタイトルをとったのは2002年のシュツッツガルトで20歳のときです。この優勝でランキングも40台にジャンプしました。この年はロシアがサフィンとカフェルニコフの活躍でデ杯決勝まで躍進した歴史的な年です。 2002年11月。フランスvsロシアのデ杯決勝がパリで行われました。ロシアの悲願をかけた決勝戦で、サフィンとベテランのカフェルニコフがシングルスで戦う予定になっていました。サフィンはシングルスで2勝をあげたものの、カフェルニコフはシングルスとダブルスに負けてしまいどうも自信を失ってしまっている様子。2−2の同点となり、どうしても決定戦のラバー5で勝利を勝ち取らなくてはなりません。 監督は大きな賭けに出ました。カフェルニコフを起用せず、ユズニーにラバー5に出るように命じたのです。 ユズニーはもうカチンカチンに固くなってしまったのはいうまでもありません。パリで行われた決勝戦にはフランスの大統領までが出席。国をあげての大変な騒ぎです。ユズニーを子供の時から知っていたChesnokovのコーチTatiana Naumko(女性)がユズニーにささやきました。 ミーシャ、あなたはロボットになりなさい。BH、FH、クロス、ダウンザライン。何も考えないでロボットになって打つのよ。 息子のテニスのために生涯を捧げた父が1ヶ月前に急死してしまった後だけに、ミーシャの心は揺れ動いていました。それでなくとも感情の起伏の激しいミーシャです。感情の嵐に崩れてしまうことを恐れたコーチは、感情を持たないロボットになれと彼に言い聞かせたのです。 しかし固くなってしまったミーシャはマチューにあっけなく第1セットと第2セットを3-6, 2-6で失ってしまいました。絶対絶命の2セットダウン。兄がミーシャにトイレットブレークをとることを命じたのです。トイレに駆け込んだ兄はミーシャをつかまえて耳元でささやきました。 […]

フェデラーを破り決勝に進んだ22歳のデルボニスのテニス

2013/07/20 10

July 20, 2013 Hamburg: (フェデラーのコメント更新) ハンブルグは初日からテニスチャンネルで生放送をやってくれていますのでたっぷりとTV観戦をすることができました。特にフェデラーの新ラケットの使用ということもあって、話題のトーナメントとなりましたが、アルゼンチンの22歳のデルボニスが予選からどんどん勝ち抜きスリル満点のトーナメントとなりました。今日は準決勝でフェデラーをストレートに破ってしまったデルボニスと新しいラケットのフェデラーのテニスについて触れてみたいとおもいます。 [private] デルボニス:22歳にしては成熟した欠陥のないテニス 何度か彼のことを書こうと下書きをしたものの、「このままいけばフェデラーを破るかも」という予感がして今日まで原稿をためておいたのですが、予感が的中しました。昨年のパリのマスターズで予選から上がってきたヤノヴィッチを彷彿させる勢いです。ヤノヴィッチのような激しいカリスマ性のあるテニスではありませんが、成熟した大人のテニスと現代のパワーテニスをうまく調和させたすばらしいプレーで、フェデラーを破ってしまいました。 デルボニスはこの決勝進出でランキングは114位から58位くらいにアップします。もしフォニーニに決勝で勝てば40位です。 いつも思うのですが、チャレンジャーレベルの100番台の選手がよい機会に恵まれれば急に伸びてくる時期があるのですね。しかしせっかくトップ10の選手を倒しても、ナダルを破ったロソルやフェデラーを破ったスタコフスキーのように、一発屋で終ってしまう選手が多く残念なのですが、デルボニスは近い将来トップ20に昇ってくる選手だと思います。 2回戦:def ロブレド:6-1 4-6 6-4 ロブレドはシード10の選手。この勝利でデルボニスは自信をえました。 3回戦:def ツルスノフ:6-4 6-3 デルボニスの1stサーヴは45%と低いですが、2ndサーヴのポイント率は77%で2ndサーヴが強く、BPも一つしかなく強いサーヴィスゲームを展開。 準々決勝:def ベルダスコ:6-7(5) 7-6(8) 6-4 好調なベルダスコと熾烈な戦いをみせ、メンタルの強さを見せたデルボニス。第2セットを落としたベルダスコは怒りの感情を沈めるためにトイレへ。しかしロッカーをぶちたたいて利き腕の左薬指を怪我をするという、ベルダスコらしいハプニングで(彼は感情のコントロールができないのが大きな弱点)メディカルタイムをとり治療するという自滅の第3セットを迎えてしまいました。 ベルダスコは29歳。デルボニスは22歳。カーッとなる性分は年齢には関係ないようですが、ブレークポイントになっても始終冷静だったデルボニスのメンタルゲームの勝利でした。 準決勝:def フェデラー:7-6(7) 7-6(4) 接戦でした。ベテランのフェデラーから2度タイブレークをとったメンタルの強さと冷静さに目を見張りました。技術は向上してもメンタルを強化させることははるかに難しく、多くの選手が自滅していくなかで、デルボニスの落ち着いた洗練されたゲーム戦略は光っていました。 デルボニスは愛称デルボと言われるだけあってデルポ(デルポトロ)に似たプレースタイルです。しかしデルポほどのファイアーパワーはありませんが、彼よりも武器が多くヴァラエティに富んだゲームを展開することができます。 デルボニスのテニス 左利きで190cmのサーヴ パワフルなサーヴですが、1stサーヴの確率が低いのが難点。それでもサーヴィスゲームを落とさないのは2ndサーヴのよさです。ラインぎりぎりに入る2ndサーヴでフェデラーはリターンゲームをアグレッシヴに展開できませんでした。 パワフルなBHの武器 何度もBHのクロスでフェデラーからウィナーをとっていました。パワフルでコントロールがきいたすばらしいBHです。左利きでBHが強いと右利きの相手のFHと対等に打ち合うことができ弱点がなくなります。しかもダウンザラインのウィナーも打つことができラリーに穴がありません。 パワフルで激スピンのFH デルポトロに似ていないのはフォアハンドです。デルポトロのFHはフラットですが、デルボニスはスピンがきいた重くて深いショット。フェデラーのBHコーナーを狙ってFHで打ち込んできますので(ナダルのように)、フェデラーにとっては嫌な相手だったと思います。 ネットプレーが抜群にうまい […]

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