イギリスの反応
全豪決勝の後、イギリスのメジャーな新聞(BBC、タイム、ザ・インディペンデント、ガーディアンなど)を一通りざっと目を通してみました。
あれほどマリー Andy Murray に期待をよせて、30人以上の記者をメルボルンに送りマリーフィーヴァーを展開した後だけに、マリー敗退についてどのような記事を書いているか興味があったからです。そしてイギリスのテニスファンの反応にも興味がありましたので約100コメントを読んでみました。
あれほどイギリス国中が舞い上がった割には、冷静にフェデラーの勝利を褒めたたえた記事がほとんどでした。涙でイギリス国民に謝ったマリーに対して、彼に失望する残酷な記事も見当たりませんでした。しかしマリーが勝ったときは彼のことをBritと呼び、負けてしまうとScotと呼んでいるところなど、イギリスのお国柄が出ていて面白かったです。
ファンのコメントも、同じスタンスでフェデラーがクラスが一つ上であったことを認めるコメントが圧倒的に多かったのは、やはりフェデラーが文句をいわせない勝ち方をしたため、感情論が入る余地がなかったというところでしょうか。
フェデラーが「15万年間イギリスはGSタイトル無し」というコメントを大袈裟にとるふしがありますが、これはフェデラーがイギリスの過剰メディアをからかったジョークで、マリーに向けられたものではなかったことはイギリス人も承知しているように思えました。
フェデラーはスイスのプレスに個人インタヴューをなかなかしないので、スイスの記者は言い合わせたようにほとんどメルボルンにはきませんでした。このことをフェデラーの自伝を書いたルネ・ストーファーが書いていますが、フェデラーがイギリスのプレスにモテモテのマリーを見る目線が少し傾いていたかもしれません。
マリーは泣きながら「自分はフェデラーみたいに泣くことはできるけれど、彼のようにはプレーできない・・・」とフェデラーにチクッと刺したスピーチはなかなか面白かったですね。彼らのスパイスの効いたジョークのジャブは、サッカーファンの罵倒に慣れているヨーロッパのスポーツファンの間では、クシャミにもならないので余り神経をとがらすことはないと思います。
それにしてもマリーの涙はイングランドのアンチ・マリーファンのかたくなな心を溶かしてしまいました。特に女性の間では、母性本能をくすぐるに十分なアピールがあったようで、マリーファンがかなり増えたように思います。
授賞式で二人が仲良く会話を交わしていましたね。マリーの方から話かけていました。フェデラーは何度も、マリーの才能を褒めたたえ、彼が近い将来GSタイトルをとることを確証した配慮のある発言をしているために、イギリス人はそれほど傷つかず、フェデラーのジョークに対してもフェデラー・ヘイターにならなかったのだと思います。
マリーはGSタイトルがとれるのか?
さて本題のマリーに残された課題ですが、言い尽くされた「アグレッシヴさ」をどのように自分の血肉にすることができるのか?
この問題は大変むずかしい問題だと思います。というのはアグレッシヴさは、後に学習できるプレースタイルですが、状況が悪くなると守りの姿勢に入ってしまうのは、どうしても生まれ持った本能的な性格が出てしまうからです。
フェデラーのケースと比較してみたいと思います。
フェデラーのケース
フェデラーは今でこそクラシックな紳士のイメージがありますが、ジュニアの頃は手がつけられないほど、荒々しくラケットをコートに投げつけては怒鳴るので知られていたことは皆さんもご存知だと思います。彼自身「僕はとてもワイルドだった」と認めているように、ワイルドな野性馬が彼のコアだと思います。それを長年の訓練と成熟によって飼いならされた馬となったわけですで、 aggression自体に問題はなく、それをいかにコントロールするかが彼の課題でした。
父親となり人間としてもより成長したフェデラーは、体力の衰えがたとえあったとしても(とてもそのようには思えませんが)、それをカヴァーする大きなメンタルパワーがあります。ですからグランドスラムに強い。己を知る。22度のGS決勝の財産です。
マリーのケース
マリーのケースは逆のケースです。 本能的に守りに入ってしまう性格を、窮地に陥ってもアグレッシヴにはむかっていく性格に変えることができるのか?
Yes. でもこれは時間がかかると思います。
記者会見で「今お母さんと話してきたけれど・・・」の発言で、直感的にこれはまずいと思ったのです。ガールフレンドのキムから、ビデオゲームのしすぎで捨てられてしまったマリーが、またお母さんの懐に戻ってしまいました。ファミリーボックスで拳をあげながら応援する母。マミーズボーイで知られるマリーが、せっかく新しい巣をキムとつくりかけて失敗したのも、ビデオゲームが原因とはマリーの未熟さを示したよい例ではないでしょうか。
ここで真にマリーを偉大な選手に育てる気持ちがあるのなら、母親はマリーを手放すべきだと思います。サフィンの母親はロシアでは最も有名なテニスコーチでしたが、スペインにサフィンを留学させた後は一切彼のテニスに関与していません。アガシは父親から独立して初めて伝説の選手になることができたのです。
試合とは選手の全人格の発露の場です。特に長時間にわたるグランドスラムは表面的にアグレッシヴになっただけでは試合には勝てません。マリーは将来GSタイトルをとることはできると思いますが、一発屋で終わってしまわないためには、まず自己を確立した人間に成長することが先決問題なような気がします。そこから真のメンタルパワーが生まれてくるように思うのです。
試合中、彼が腰のあたりをさわっていましたので、腰が故障という噂がたちましたが、マリーは否定しました。サイクリング用の下着をはいているために体に食い込んでくるのだそうです。そのために窮屈な下着に手が無意識にいったということでした。(ナダルと同じだと言っていました)
あれほど愛していた愛犬マギーを手放すことは大変辛かったと思いますが、事実上面倒をみることができず、元ガールフレンドのキムと共有するのではなく親権を放棄しました。これでキムとの関係も完全に終わり告げ、テニスに全エネルギーを集中することになりました。
次回はティム・ヘンマンとボリス・ベッカーがポストマッチで二人のプレーを分析していますので、とても言い得てると思いますので要約してご紹介したいと思います。
『全豪オープン男子優勝するのは誰?」の投票参加ありがとうございました。これは予想というよりは人気投票のような感じだと思いますが、相変わらずフェデラーは人気が高いですね。
ロジャー・フェデラー:222票 72%
アンディ・マリー:85票 28%
ジョン・マッケンローが、数年前に男子のレベルは女子のレベルにくらべて、問題にならないくらい競争がはげしくレベルが上だと言ったことでちょっと物議をかもしましたが、皆さんはどう思われますか? 本音でもって投票お願いします。Pollの問いが偏っていたので訂正して新しくつくりなおしました。15分以内に早速投票してくださった5名の方にお詫びいたします!また投票お願いします。





テニスというのは 面白くて、たとえば、 フェデラーは 誰に対しても強いけど、 一人だけ 例外があって、 それは ナダルです。 過去2年間に二人がGSの決勝で対戦したときは ほとんどナダルが勝っています。 去年のフレンチでフェデラーが勝てたのは ソダーリングが 準決勝でゾーンにはいって、ナダルをやっつけてくれたからだと、私は思ってます。 そして、ファイナルでは ソダーリングはあっさりフェデラーに負けてます。 ナダルは反対にフェデラーに対しては 強いけど、今年のマレーとの試合も含めて、対戦相手にバンバン打たれて決勝に行く前に負けてしまいます。 決勝でフェデラーとあたれば 勝つチャンスが多いけど、 それまでに うまい選手がいっぱいいて、負けてしまうのです。 フェデラーはナダルがNo.2で ボトムハーフにいるかぎり、 GSのタイトルが増えていくことでしょう。
どうして、 フェデラーはナダルが苦手なんだろう。フェデラーは決勝で自分がやつけた、ソダーリングやマレーが、 ナダルをやっつけてくれたおかげで、 優勝できた、と ナダルが好きな私は思ってるんですが、 フェデラーファンの方 怒らないでくださいね。ナダルは新しいコーチをつけて フレンチオープンまでにもっと強くなってほしい。
マリーはナダル戦はあんなにアグレッシブだったのに、
確かにフェデラー戦だと消極的なプレーが目立ちましたね。
第三セットでもセットポイントの度に腕が縮こまるようなプレーが目立ちました。”気持ちは分かるんだけど、それじゃフェデラーには勝てないよ・・・”と思いました。
ただ精神的なものだけなので、マレーに何らかのショックや目覚めがあれば、私は次のUSオープンででもタイトルを取れるんじゃないかと思います。頑張ってほしい、けどナダルファンの私としては頑張ってほしくない。(笑)
Toranekoさんの言うフェデラーとナダルの関係は面白いですね。
この相性の原因はフェデラーのシングルバックハンド、あとテンションが異常なほど緩いガットを使っていることにあるのではないかと思います。
シングルバックハンドは肩の構造上、高い打点がどうしても打ちづらい。
ナダルのショットは高く跳ねますので、後ろに下がるか、ジャンプしながら打たなくてはいけないのでミスが多くなっていると思います。
またテンションが低いガットでスピンボールを打つのは、やっぱりフェデラーでもすごく難しいんじゃないでしょうか。ナダル戦では信じられないようなミスを犯すフェデラーを見ますが、スピンの回転にガットが負けているような印象があります。
それにしてもナダルが心配です。
靱帯や腱が痛んで、膝がもうぐらぐらしてるんじゃないかと心配しています。
足の踏ん張りが効いていないのか、ボールのスピードが全般的に遅かったような気がします。。。
toranekoさん。テニスをプレーする私の勝手な推測ですが、フェデラーのナダルに対するウィークポイントというのはひとつにシングルバックハンド(面倒なので以下SBと略します)にあると思います(私もSBです)。
ナダルのボールはあの独特な打ち方から放たれる強烈なスピンボールですが、高く弾むボールに対して、SBでは力が入りにくいのです。ところが、ダブルハンドの場合、ジャックナイフ(ジョコなんかがよくやりますね)で高く弾むボールを叩くことができるので、他の選手に対してはそれほどのアドバンテージにはならないのだと思います。対フェデラー戦ではナダルはほとんどバック側にボールを集めていることからも分かると思います。
おそらく、これからもフェデラーはなかなかナダルには勝てないでしょうね。(フェデラーファンの私としては大変残念ですが)
皆さんのフェデラーとナダルの分析興味深く拝見しました。
プレイスタイルや性格など相性の要素て大きいですよね。お遊びで両手打ちバックハンドをするフェデラーをYTで見ましたけど、ナダル戦でちょっと使ってみる・・・なんてのは素人考えですね・・・スミマセン・・・
マリーも若い頃のフェデラーのように、試合中ラケット叩きつけて壊してしまうとかペットボトルをポンポン後ろに投げるとか(これは今でもやってますね)くらいのワイルドさが有ったら違うかしら・・・アンディママの存在感は確かにすごいですね。画面でもマリー側の応援席が良く映ってましたけど、フェデラー側とは対照的に気合一杯でした。
今回のPollの内容は私も気になっていたところです。先ほどの話ではないですけど、相性ってものがあるので単純には言えないでしょうけど、興味ありますね。
みなさん どうも 解説ありがとうございました。
わたしも テニスをするのに、 フェデラーがナダルのスピンをバックハンドで 返しにくい、と言うことは 忘れてました。 だから いつまでたっても 私のテニスは だめなんだ~。
ナダルとフェデラーの決勝がみたいけど、ソンガもベルダスコも好きです。 チリッチ、マレー、デルポトロ、とほんとに戦国時代と言う感じですね。 ところで、 ここ バンクーバーは例年になく暖かくて、 ほんとに もうすぐ オリンピックが始まるの? というかんじです。
マレー、今までフェデラーに勝ってはきたけど、やはりこのままではダメなんだと、もう解ったと思います。だからこそ進化できるはず。そして、フェデがいなくなる前にGSを必ず取れると信じます。
フェデラーは確か前に、あのテニスでは勝てなくなるなんてことを、負けた試合のあとでも言ったことがあったような覚えがあります。マレーのスタイルには絶対勝つって、強い気持ちがあったのかなと思いますが、マレーにだけでなく、大会を通して全ての選手に呪をかけてしまうくらいの結果だったと思います。
こうなると、大のフェデラーファンであり、だからこそ天敵でもあるナダルに期待ですね。得意げな王者を虐めてほしいです(笑)
フェデラーがなぜナダルの球を打ちづらいか、残念ながら私はナダルを目の前で見たことはないのですが、目の前で見た人によると、スピンが単に跳ねて伸びてくるのではなく、不規則に左右にもぶれると聞いたことがあります。そうだとすれば、フェデラーのようにピンポイントでとらえる選手には悩ましいでしょうね。
それにナダル、実はゴンゾよりもっと速いフラットの球を練習では打ってるとも聞いたことがあります。試合で使ってほしいな~。
どうも元気なく見えるジョコがNo.2ていうのが、寂しいところです。マレーとジョコがライバルで引っ張っていく時代が来ると思ってるのですが…デルポとかが迫ってきそう。
はじめまして。いつも楽しませていただいてます!
マレーはいろんなことができるのに、なんでもっとガンガン攻めないのかなあとつねづね思っていたのですが、なんとなく、そういう風にしかできない?と思い始めていたところへこの記事! すごく納得がいきました。準決でマレーに負けたチリッチは、逆にちょっと引いてみては?と言いたくなるぐらいアグレッシヴですが、それも一途で真面目そうにみえる性格ゆえなんでしょうかね? チリッチ好きなので今回の躍進はとても嬉しかったです。
このコメント欄が皆さんの自由な意見や感想の場になってきたことを嬉しく思います。短い感想がすべてTwitterの方に流れてしまっているのが残念ですが、HPの方にも簡単なコメント大いに歓迎ですのでよろしくお願いしま〜す♪
niwakuさん
はじめまして! 初投稿ありがとうございます。
実は私もチリッチにすごく可能性を感じています。近い将来チリッチについて書きたいと思っていますのでお楽しみに。
今回のPollも面白いですね!
僕は女子テニスが大好きですが、レベルや競争の激しさはやはり男子にはかなわないという気がします。なので200位以下に投票しました。
ただ女子はエナンとキムの復帰、セリーナの充実で(ヴィーナスは衰えてきましたがやはり持っている才能はすごいと思います)これからまた競争が激しくなりそうです。エナンとキム、それからウィリアムス姉妹がそろって良い状態だったことはかつてありませんでしたから、今年は本当の競争が見れそうです。若手との競争にも期待しています。