セリーナとエナンの宿敵の歴史

2010年全豪オープン女子決勝

Serena Williams def Justine Henin: 6-4, 3-6, 6-2

セリーナはさすがNo.1の貫禄をみせ、ここぞという肝心なポイントをエースで決めて全豪オープン2010のタイトルを見事に獲得しました。このメンタルとサーヴィス力は、フェデラーにも当てはまるように、チャンピオンの必須条件です。

その点エナンはまず第1サーヴが決められなかったことと、2ndサーヴがかなり叩かれてしまったことが敗因のひとつでした。それにせっかくブレークポイントをいくつもとりながらブレークに結びつけられなかったことが、大きく響きました。

第1セットを落としてしまったエナンですが、第2セットに入るとギアがあがってきて、第7ゲーム(3−3)でウィナーを連発してセリーナをブレーク。1ポイントも落とさずに再びセリーナを0−40でブレークしてしまったあたりは、もはや完全にエナンにモメンタムがシフトされた感がありました。エナン自身もこれで勝てると思ったに違いありません。

しかし第3セットの第2ゲーム(0−1)でせっかく2ブレークポイントを取りながらセリーナをブレークできなかったことが尾を引いたのか、エナンは第3ゲームでブレークを簡単に許してしまいます。この第3ゲームだけでも3度のエラーです。勝ち急ぎが目立ったエラーです。

一方セリーナは徐々にギアを上げだし、エナンの2ndサーヴをアタック。エナンもアグレッシヴな攻撃の手をゆるめることなく、エラーを犯してもガンガンとウィナーを狙って攻めます。しかし肝心なポイントがとれない。エナンは15のブレークポイントうち11回もブレークチャンスを逃してしまいます。

逆にモメンタムを取り返したセリーナは、第3セットの第6ゲーム(3−2)でエースでゲームポイントをとり、第7ゲーム(4−2)でリターンエースをとってブレーク。ここで5−2となってしまったエナンはカムバックは不可能になってしまいました。

リズムに乗ったセリーナは最終ゲームをエース2本。フォアのクロスウィナーでエナンの息の根を止めてしまいました。

セリーナの度胸のよさとメンタル力には目を見張るものがあります。まずサーヴで肝心なポイントをとっていく力は、女子プロの中では他の選手に追随を許さないと思います。

以下はゲームを左右する決定的なポイントである、ブレークポイントとゲームポイントでセリーナが放ったエースとサーヴィスウィナー(タッチエース)です。

第1セット
第3ゲーム(1−1)2度のエースで2回ブレークを免れる
第5ゲーム(3−1)サーヴィスウィナーでブレークを免れる

第2セット
第1ゲーム(0−0)エースでゲームポイントをホールド
第7ゲーム(3−3)エースでデュースへ

第3セット
第2ゲーム(0−1)エースでゲームポイントをホールド
第6ゲーム(3−2)エースでゲームポイントをホールド

エナンは今までのプレースタイルを変え、宿願のウィンブルドンに備えてひたすら走っているような気がします。どんなにミスをおかしてもかたくなに作戦を変えず、アグレッシヴに攻めまくるエナンは、サーヴが進化すれば恐ろしい存在になることは確か。

「エナンはチーター」とセリーナが涙の記者会見

さてセリーナとエナンの過去のちょっとした事件をご紹介しましょう。2003年のフレンチオープンのSFでの出来事です。

第3セットの第7ゲーム(4−2)でセリーナがリード。(ビデオでは9:30をご覧ください)セリーナが1stサーヴィスモーションを起こしたときに、エナンが手を挙げました。これを見たセリーナはフォルトをしてしまいます。エナンが手を挙げたので、もう一度1stサーヴする権利はあるはずだと主審に抗議をしますが、主審は見ていなかったとして、セリーナのクレームを受け付けません。手を挙げたエナンは自分は挙げなかったと事実を否定したのです。

観客はフランス語を話すエナンの味方でセリーナにブーイングをする始末。このことに頭にきたセリーナは冷静さを欠いて敗退。試合後の記者会見で、セリーナはエナンのとった行為を、スポーツマンシップに反するインチキ行為だと泣いて抗議をしました。結局この年はエナンが優勝してしまったのです。

今日の全豪で二人の対戦成績はセリーナの8勝6敗となりました。最後の試合は2008年のマイアミで、エナンが2ー6、0−6でセリーナに完敗しています。ウィリアムズ姉妹のパワーゲームがエナンの引退の原因と言われていますが、カムバック後パワーが倍増したエナンは、セリーナに引けを取っていないだけに、これからの二人の対決が楽しみです。

たった一日間だけの投票でしたが、『全豪オープン女子は誰が優勝?』の投票にご協力くださってありがとうございました。予想というよりエナンに勝ってほしいというテニスファンの気持ちが反映した投票だったように思います。

ジュスティン・エナン 115票(82%)
セリーナ・ウィリアムズ 25票(18%)

4 responses to “セリーナとエナンの宿敵の歴史”

  1. naoki

    こんにちは。
    うう・・・投票逃してしまいましたが、わたしはセレナ応援していましたのでうれしかったです。
    エナンはtennisnakamaさまが紹介しているRGの件で決定的に悪印象を植え付けられています。間違いなく手を挙げていますものね・・・。
    いえ、今は決して嫌いではなく、セレナのほうが好きというだけですが。
    他にもキムがエナンに対して「彼女は時々卑怯なことをすることがある」といったニュアンスの発言もみたことがあるし、AO決勝のvsモレスモ戦のこともあるのに、日本でこんなにエナンとセレナの人気の差があるものかと驚愕させていただきました。
    近年の女子決勝の中では最高の試合だったと思いました。
    ストリーミング紹介していただいたおかげでとても楽しかった。
    ありがとうございました。

    ところで・・・ロジャー唄うまいですね!びっくりです(´∀`∩)

  2. かおり

    エナンファンとして言わせていただきますと、03全仏の件はエナンだけが悪者になっていますがお互い様だったと思いますよ
    エナンはそれまでも度々手を上げていましたが、セレナはそれを無視して自分のペースでサーブを打っていましたから
    そのこと自体は別にいいのですが、あの重要なポイントでフォルトしたからといってやり直させてくれってのは虫が良すぎるかと思いました。
    結局エナンは会見で何も言いませんでしたし、泣いたもん勝ちですね。

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