チリッチに注目

(更新:ボブとチリッチの写真を掲載)

ボブ・ブレットのテニス哲学を学ぶ

「チャンピオンとは自分のポテンシャルを最大限に伸ばすことができる選手で、No.1のランキングをもつ選手ではない。」

ボリス・ベッカーやゴラン・イヴァニセヴィッチをチャンピオンに育てあげた名コーチ、ボブ・ブレットの言葉です。

イヴァニセヴィッチの推薦で、ボブ・ブレットのサンレモのテニスセンターにマリン・チリッチ Marin Cilic が留学したのが15才。めきめきと頭角を現したチリッチは、すでに翌年16才でフレンチオープンのジュニア部門で優勝。これを機にプロに転向して以来、ジュニアからプロへのトランジションはスムーズで、2年後にはトップ100入りを果たしています。

「チャンピオンになるためには、才能、忍耐、自己犠牲、忠実、決意がなくてはならない。」

「試合を左右する重大なモーメントに、自分のベストのプレーができる能力があること。苦境に陥ったときに這い上がれるメンタリティをもっていること。そして自分だけでなく家族やコーチに忠実であること。」ブレットのチャンピオン哲学です。

Photo by tennisnakama

(昨年のUSオープンでボブ・ブレットと作戦を練るチリッチ。ジル・シモンとの練習試合でシモンがこのときは勝ちました。)

チリッチのプレーを観て感心するのは、彼の冷静さです。リスクを負ったショットが多いアグレッシヴなプレーをしますので、エラーがつきものですが、決して態度が乱れることはありません。

私のコーチのジェフがいつも言う言葉を思い出します。「今打ったショットがミスしてもウィナーになっても、すぐそのことは忘れなくてはならない。最も肝心なことは次のポイントであって、過去のポイントではない。」

ウィナーをとってもにこりともせず、淡々とプレーするチリッチはストイックにすらみえます。

ゴラン・コネクション

先週、クロアチアの首都ザグレブでチリッチは優勝しました。チリッチはこのザグレブで15才になるまでトレーニングを積んでいたのですが、そこでゴラン・イヴァニセヴィッチと運命的な出会いをします。

マリオ・アンチッチを覚えていらっしゃる方も多いと思います。アンチッチは現在弁護士のライセンスももち、ハーヴァード大学でゲストスピーカーとして招待されるなど活躍しているクロアチアの選手です。あのくりくりした目で最後まで諦めずに必死で戦うプレーに感動を覚えた方も多かったと思います。

10才のときからゴランと共にトレーニングを行ってきたアンチッチは、ベイビー・ゴランとも呼ばれ、イヴァニセヴィッチの後継者として注目を浴びましたが、残念ながらモノの病気を患って以来健康をくずしやすく、なかなか以前のような結果を残すことができず低迷しています。(活動を休止と書きましたが訂正します)

ゼグレブ大会ではこのゴランがコーチとなってチリッチを指導したため、「チリッチのコーチにゴランが新しく就任」というニュースが流れましたが、ゴランは直ちに否定しました。

「ボブがツアーに一緒にいけないときに、彼の代理をすることを引き受けただけ。年に3回くらいはできそうだと思う。次はインディアン・ウェルズでマリンのコーチ役をやることになった。」

ボブとゴランの強力な両輪で走るマリンカー。今年はどんな活躍をしてくれるでしょうか。

(次回はボブ・ブレットのチリッチに対する評価です。)

Reference:
http://timesofindia.indiatimes.com/From-Becker-to-Ivanisevic-Bob-Brett-has-seen-it-all/articleshow/1989147.cms

2 responses to “チリッチに注目”

  1. rymon

    イワニセビッチ、リュビチッチ、アンチッチ、チリッチ…
    皆、サーブを軸にしてる選手と理解してます。そういう流れの国なのでしょうか。

    旧ユーゴ諸国のスポーツへの才能とそのやる気、精神力の強さはテニス以外でも十分見せつけられてますが、チリッチも今年一気にのしあがりそうな感じですね。

    イワニセビッチはウィンブルドンでクロアチアサッカー代表のユニフォーム着たり、愛国精神の強そうな人だったけど、しっかり後輩をサポートしていて強く影響しているのですねぇ。しかしアンチッチにしてもチリッチにしても彼のちょっと弱いメンタルは見習ってなくてよかったですねぇ。

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