キリオスが試合中にワウリンカの三角関係を暴露

Aug. 13, 2015:(事件の発展を追って更新を続けています)

昨夜のモントリオール2回戦のワウリンカ vs キリオスでちょっとした事件が起こりました。タイブレークの激戦で第1セットを落としてしまったフラストレーションから、キリオスがつぶやいた言葉がコートのマイクが拾ってしまって大騒ぎとなってしまったのです。内容がセックスに関するものだけに、このニュースが世界中を飛び回っています。この事件の背景と詳細を順を追って説明したいと思います。

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モントリオール2回戦:キリオス def ワウリンカ:6-7(8) 6-3 4-0 リタイア

昨日の朝もまたモントリオールは豪雨にみまわれ、問題のセンターコートの調整に時間がかかり、大幅にスケジュールが遅れてしまいました。センターコートのサーフェスは水はけが悪く、ペイントの下に水が溜まってしまって、このままプレーすれば表面が破れてしまう可能性があり、とても危険な状態になります。ですからこのようなハンドドライヤーで水はけの悪い部分を乾かしていくのですが、作業は遅々として進まず、待っている選手のフラストレーションがたまるのは確か。

Montreal wet surface

このような状況で深夜の試合となってしまったキリオスvsワウリンカ戦でしたので、二人の精神状態はすでにイライラしていたのかもしれません。

キリオスは何かにつけて審判に文句をつけてきます。怒りをぶつけることによってエネルギーを生み出し、集中力をましていくやり方は「まるでミニマッケンロー」と元GSチャンピオンのリンジー・ダヴェンポートが表現していましたが、昨夜のキリオスは乗り越えてはならないエリアの個人的中傷をしてしまいました。

第1セットで3度も同じラインジャッジからアウトコールを受けてしまって、ウィナーポイントを失ってしまったキリオスはすでにプッツン直前。しかもタイブレークでイライラが生じて、エラーで自身のセットポイントを落としてしまってワウリンカの勝利となり、ベンチに戻ったキリオスはラケットを投げつけ怒りが沸騰点に近くなってきました。

第2セットの第1ゲームはキリオスのサーヴから始まりました。30−0 観客がうるさいのでキリオスが静まるまで待っていると、イライラしたワウリンカがキリオスに叫びました。「時間ばっかりとってないで早くやれよ!」キリオスはサーヴィスウィナーをとって40−0にした後、頭にきたキリオスがつぶやいたのです。

Kokkinakis banged your girlfriend, sorry to tell you that mate

君には申し訳ないけど、コキナキスが君のガールフレンドとセックスしたぜ。

小声でしたので、TVを観ていた私には聞こえませんでしたし、もちろんコートの反対側にいるワウリンカにも聞こえず、問題になることなく試合が続行されたのですが・・・テクノロジーを軽視してはなりません。

コートサイドの隅々にはマイクがとりつけられているのです。選手がFxxkなどという卑猥な言葉を発しようなものなら、即座にウォーニングをうけるルールになっているのですが、第2セットが始まり、キリオスがつぶやいた独り言がしっかりとTVに録音されてしまい、テニスファンがTwitterで暴露してしまったのです。

 

相手にどんなに腹が立とうが、こういう内容は腹の中にしまっておくもの。キリオスを非難するソーシャルメディアが殺到する中で、アザレンカが、「マイクロフォンから離れなくちゃ」なんて冗談ぽくTwitterでつぶやいた後、ことの重要さに気がついてあわてて「対戦相手をどんな場合でもリスペクトしなくちゃ」と真面目なコメントを加えていました。

全仏オープンの公式サイトで、ワウリンカの離婚を掲載した記事にアプセットしたワウリンカが不満を表明して、彼の離婚問題が表面化してしまいましたが、またこのようなかたちでワウリンカの私生活がクローズアップされてしまいました。

ワウリンカは数年前に一方的に妻と赤ちゃんを置いてTwitterで別居を宣言。離婚もTwitterで発表。やり方がフェアでなく、彼に対してはあまり好ましいイメージを抱いていない私ですが、それでもこんなことをコートで若造から言われる筋合いはありません。トミックと同様、オーストラリアを代表する若者たちの常識を外れた言動に驚いてしまいます。スター選手は何をやってもよいというおごりが感じられます。

キリオスの独り言の意味を説明しますと:

まずタナシ・コキナキス Thanasi Kokkinakis ですが、キリオスよりも1歳若い19歳(76位)。今年のデ杯にキリオスと共に出場し、オーストラリアの未来を担う選手です。彼が16歳の時から紹介してきましたが、キリオスと違って成熟したマナーでとても好感のもてる青年で、二人は大の仲良しですが、今回はとんでもないスキャンダルに巻き込まれてしまいました。(右のグリーンのシャツ)

Kyrgios-Kokkinakis

ワウリンカのガールフレンドとは、ネクスト・シャラポヴァと言われるブロンド美女、クロアチアの19歳のドナ・ヴェキッチ Donna Vekic。ワウリンカの離婚は彼女が原因と噂されていますが、ウィンブルドンでは熱狂的にワウリンカを応援する姿がメディアを賑わしました。

Vekic 19

コキナキスもヴェキッチも同じ19歳。この二人が仲良くなったのは、全豪オープンでミックスダブルスとして出場して以来で、かなり親密なTwitterの交換で二人の仲が噂されていました。

まあ、いってみれば犬も食わない選手の三角関係。

しかし試合の後でこんなことを言われていたとは知らなかったワウリンカは激怒してTwitterを4回連投しました。

「同じアスリートとして想像できないような侮蔑的な行為に失望しています。」

「最悪の敵に対してでも、こんなことは私は言いません。こんなに(レベルの)低い言動は止めるべきで、受け入れてはならないと思います。」

「このような言動はコートの中でも外でも必要のないものです。組織(ATP) が取り締まるべきだと思います。」

「スポーツの尊厳のために、私たちは一生懸命に尽くしてきたのですから。」

またワウリンカのコーチのノーマンも怒りをTwitterで表明しました。

「これは最低だよ、ニック・キリオス。君の周りの人たちが、今晩人生について少し教えてくれることを願っているよ。最悪だよ。」

このニュースは世界中に報道され、またESPNやテニスチャンネルでも、他の試合を実況中継しながら、この事件を何度も取り上げています。

世界中のテニスファンが注目する中、昨夜のコートサイドインターヴューでは「あんまりワウリンカが気に触ることを言ってきたので、つい口からすべってしまった。」とキリオスは言い訳をしていましたが、謝罪はありませんでした。

しかし今朝、キリオスの陳謝のメッセージがフェイスブックに投稿されていました。

昨夜の試合でワウリンカに対して行ったコメントに対して謝りたいと思います。私のコメントはカッとしたはずみで口から出てしまったもので、どんな場合においても許されるものではありません。ワウリンカに個人的に謝るだけでなく、公的にもこの機会を通して謝ります。私の言動に対して、全責任をとるとともに、自身の行いを深く後悔しています。

キリオスのPR担当者が書いた文章ですね。テキストブックに出てくる謝罪文の例文のようで、悪かったという想いが感じられず、また評判を落としてしまいました。しかし本人が後悔しているかどうかは別として、謝罪がなければ、スポンサーが降りてしまい、ファンが彼を見捨て、国の尊厳にかかわるデ杯の出場も怪しくなってきますので、まずはひとまずこれで火事が広がるのを食い止めなければなりません。

キリオスはもう二十歳。いつまでもティーン的な無責任な行動は許されません。コーチを解雇してしまって、野生の動物のようにワイルドなキリオスをチームのボックス席で心配そうに見守っていたヒューイットの姿が印象的でした。彼はしばらくキリオスのアドヴァイザーとしてキリオスをサポートしているのだそうです。

一昔前、ヒューイットは全米オープンでジェイムス・ブレイクとの試合で人種差別をする発言をして、総スカンを食ってしまったことがあります。ですからカッとなるとついとんでもないことを口走ってしまう衝動的な言動を、彼自身最もよく理解していますので、説得力があるのではないでしょうか。

今日の午後はイズナーとキリオスの3回戦がありますが、ピンクとイエローのスカンクヘッドのパンク野郎のイメージのキリオスが、優等生の代表のようなイズナーに対して、どのようなプレーをするのか楽しみです。もうすっかりバッドボーイのレッテルを貼られてしまったキリオスですが、この機会に言動をコントロールでるスキルを身につけ、プレーに専念してエキサイティングな試合を観せてほしいとおもいます。類稀ない才能と運動神経に恵まれているだけに、このまま自滅してしまうのはテニス界にとって大きな損失なのですから。

ではこの事件の総括です。

 

(更新1:8月13日)

ただいまATPがプレッシャーを受け、キリオスに最高1万ドル(約125万円)の罰金を課しました。その他にも制裁措置がとられる可能性もあるとのこと。どのようにこの事件が発展していくのか興味がありますが、サッカーやバスケットボールの選手は「おまえの母さんは娼婦」とか、「おまえのワイフはあばずれ女」とか、選手たちが言いたい放題で喧嘩しているのをみますが、テニスは紳士淑女のスポーツ。このけじめが大切。窮屈なマナーは必要ありませんが、最低限のマナーだけは守ってほしいと思います。

(更新2:8月13日)

5時45分。ストレートでイズナーの7-5 6-3の勝利に終わりました。キリオスがコートに現れると、会場からブーイング。今日はさすがにおとなしく、観客とも会話をすることなく、スムーズな試合運びでしたが、普段のファイアパワーはなく、借りてきた猫になってしまってました。

しかし自己コントロールのよいトレーニングになり、このワウリンカ事件は長い目でみれば、キリオスの未来に大きなプラスをもたらしたと思います。

(更新3:8月13日)

イズナーとの試合に敗れたキリオスは「(ブーイングを受けることは)予想していたのでそれほどひどいものではなかった。公けに謝り、個人的にも謝り、しかも罰金を受けたので、これで終わりにしたい。 気持ちを切り替えて今後に当たりたい。」と語っていましたが、試合の最後に観客に向かって怒鳴っていましたから、せいぜい感情のコントロールも試合時間の1時間しかもちませんでした。

(更新4:8月14日)

キリオスのお母さんが、息子をかばって“A sledge for a sledge…do your research before piping up like sheep! #moaners,”とTwitterに投稿して、批判が殺到して削除してしまいました。

ここで彼女が使ったsledgeという言葉はアメリカではあまりみかけませんが、オーストラリアではよくスポーツで使われる言葉だそうです。つまりtrash talkで相手を挑発する言動。彼女の言い分は「息子はワウリンカが喧嘩を売ってきたので買ったまでのこと。羊が群がったように息子を批判する前に、その背景をちゃんと調べてほしい。」

キリオスの悪童ぶりは、母親の反応の仕方をみて何となく納得してしまいました。「喧嘩を売られて買うのがなぜ悪い?」この事件の本質を取り違えています。息子は超えてはならない領域、相手のプライヴァシーを公に傷つけてしまったのです。ここは息子のためにもタフラヴで、彼を叱りつけなくてはなりません。

4 Comments

  1. あはは~(^_^;)

    まぁ、バブリンもバブリンな発言得意だしなぁ・・・・・

    テニス選手て以外に大人気ないな(笑)

  2. トミックは郷土の大先輩のラフタ-を老いぼれ呼をばわりしてデ杯チ-ムから追い出されたとか、

    某トップ選手は大会中に未成年の少女を買春してホテルで現行犯逮捕された、とか

    その友人は次々にテニス選手のゴシップを教えてくれるのですが、どうも眉唾みたいですね。

  3. あの集音マイクの性能は凄いんですね、驚きました。

    独り言が識別できる音質で拾えるんですね。

    でも、おかげで口の悪い他の選手たちは自分でなくて、ホッとしてるんでしょう。

    公になったのは運が悪かったですが、まさかこんなことになるなんてと思ってる筈なので、真剣に謝罪なんかしないでしょうね。

    僕はバブリンカが棄権したのは、キリオスのつぶやきが会場で放送されてそのショックでと思ってましたが、ケガだったんですね。

    友人はメ-ルで

    「バブリンカは離婚協議中で慰謝料でもめてるらしいけど、キリオスが試合中に負けそうになったので、マイクの近くで、バブリンカは若い女の子と浮気してるんだぜ、と言ったのが会場や放送で流され、慰謝料の桁が跳ね上がるのにショックを受けて棄権したぞ!」

    なんてわざわざ教えてくれてたのですが、他人のスキャンダルなんてこの程度のことなんですね。

    真実を管理者殿の記事で知って、ちょっとガッカリするやらで、更にハチャメチャな展開を期待してる自分がいい歳して情けないです。

  4. 口は災いの元…
    二十歳と言えば、日本でももう少年Aでは済まされない年齢。
    分別を持って、せっかく持って生まれた才能を無駄にしないためにももう少し自分を冷静に見つめられるようにならないといけませんねぇ。
    いくら親友とは言え、こんなことに名前を出されたコキナキスもいい迷惑では?(^。^;)

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