ナダルがシード5:ウィンブルドンのシードとドローの決め方

2013/06/19 6

June 19, 2013 Wimbledon: ウィンブルドンの32のシードが発表になりました。ナダルはシード5となり、準々決勝でトップ4のジョコヴィッチ、マリー、フェデラー、フェレールの誰かとぶち当たってしまうことになりました。クライマックスが早々にやってくるわけですが、シードの違いによってどのような影響が出てくるのか。今日はウィンブルドンのシードの決め方。GSのドローの決め方などを説明したいと思います。 [private] ウィンブルドンのシードの決め方 ウィンブルドンは芝のサーフェスという今では特殊なサーフェスですので、ランキングだけでシードを決めるのではなく、芝に強い選手を優先する以下のフォーミュラが使われています。(1)+(2)+(3)の総ポイントで決まります。 (1)トーナメントの前週(今年は6月17日)ランキングのATPポイント (2)過去一年間の芝トーナメントで獲得したポイント (3)一昨年の芝トーナメントのポイントの75% グランドスラムの出場選手は128名です。ドローは各32のシード選手にそれぞれノーシードの3人の選手が加わって1グループを構成します。グループのことをブラケット bracket といいますが、これで32のブラケットができあがります。ブラケットの4人で、まずは1回戦と2回戦を行いますので、32人のシード選手は2回戦までは対戦することがありません。 一昔前まではシードが16名でしたので、シードにもれたトップ30の選手が1回戦で早退してしまうハプニングがありました。たとえば今年のシードでいうとジョコヴィッチ(1) vs ラオニッチ(17) という危険な1回戦がありうるわけで、初戦からスリルがあったのですが、現在の32シードのGSではそういうスリルも減りつまらなくなってしまったという批判がよく聞かれます。 シードによる大きな差 シード4(フェレール)とシード5(ナダル)の違い フェレールは準決勝までトップ4とは当たりませんが、ナダルは準々決勝でトップ4と当たってしまいます。 シード8(デルポトロ)とシード9(チリッチ)の違い チリッチはトップ8と4回戦で当たりますが、デルポトロはトップ8とは準々決勝まで当たりません。 シード16(コールシュライバー)とシード17(ラオニッチ)の違い ラオニッチはトップ16と3回戦で当たりますが、コールシュライバーはトップ16とは4回戦まで当たりません。こうなると悲劇の人はラオニッチです。芝でないGSならシード15をもらえたはずなのに、シード17まで落ちてしまったのですから、ちょっとかわいそう。 このようにシードによっては大きな違いがでてきます。錦織はシード12ですので、トップ16とは4回戦まで当たりませんのでホッですが、ハレのユズニーのように、ランキングは錦織よりもはるかに低くても、決勝まで進んでしまうようなとんでもない選手と3回戦までに当たってしまう可能性はあります。しかしシード順からいけば錦織は4回戦まではいけるはず。 ウィンブルドンのシード選手をグループ別に色分けしてみました。 (1)ジョコヴィッチ (2)マリー (3)フェデラー (4)フェレール 赤の4選手はお互い準決勝までぶつからない。 (5)ナダル (6)ツォンガ (7)ベルディヒ […]

全仏オープン:フランス語に強くなる!カウントの仕方と正しい選手名の呼び方

2013/05/26 9

May 26, 2013 フランス語の美しさに惚れて日本の大学で4年、モントリオールのマクギル大学で1年、計5年もかけて学びましたが、私の片思いに終ってしまい全く使い物になりませんでした。しかし発音だけはマクギル大学の先生にパリジェンヌみたいだなんて言われて喜んでパリまで飛んだのですが・・・あはは(涙)お話になりませんでした・・・フランス語の発音は本当にむずかしいですね。ではまずスコアのカウントです。そしてちょっと意地悪くアナウンサーや解説者の発音を採点してみませんか? [private] ローランギャロス:Rorandのdはサイレントで発音しません。    スタジアムの名前    フィリップ・シャトリエ: スザンヌ・ロングロン:Lenglenのenはオンとアンの中でオンに近い発音    テニス用語    カーンズ: quinze 15    トロント: trente 30  tの発音は日本語で表現できませんが、強いて書けばトゥロントゥとなります。 キャラント: quarante 40   エガリテ:égalité デュース  パルツゥ:partout オール: 例えば15オールはカーンズ パルツゥquinze partout   ジュ デシジフ:jeu décisif タイブレーク  フランスのトップ100選手の名前 ( )はランキング    ジョーフリー・ツォンガ(8) Jo-Wilfried Tsonga リシャール・ギャスケ(9) […]

こんな『時間』のルールがあるのをご存知ですか?

2013/03/21 10

Mar.21, 2013: 前記事では、多くの選手たちが基本的なルールをよく知らない実態について書きましたが、特にルールの一つ『タイムヴァイオレーション』ついてはよく理解されていないようで、今日はケーススタディを紹介しながら説明したいと思います。こういうルールを知っていると観戦の楽しみが倍増します。 [private] まず前記事の質問の答えです。トップ選手たちが正確に答えられなかった基本的な質問です。 (1)何秒以内にサーヴ(レシーヴ)をしなければならない? 答え:25秒 主審はポイントが終った時点でストップウォッチ押します。サーヴァーは25秒以内にサーヴを打たなければなりません。 今年のドーハの2回戦でモンフィスは25秒を過ぎてしまいタイムヴァイオレーションを受けてしまいました。その時にモンフィスは「僕は黒人で汗の量が多いんだから・・・」と抗議。 もちろん抗議は聞き入れられませんでしたが、”I’m black so I sweat a lot”は傑作でした。 (2)試合中許されるメディカルタイムアウトの数? 答え:症状が違えば際限無し 腕が痛い、肩が痛い、腰が痛い・・・故障の場所が違えば際限はありません。足がひきつった場合はメディカルタイムはとれませんが、チェンジオーヴァー(コートチェンジのこと)でトレーナーからマッサージを受けることはできます。しかしこのマッサージは3回まで。 (3)試合中に許されるトイレットブレークの数? 答え:ATPツアーの3セットマッチは1回。グランドスラムとデ杯の5セット試合の場合は2回。 許される回数以上をとると、コードヴァイオレーションとなり、ポイントを失います。 (4)何分以内に自分のコートに戻らなければデフォルトとなる? 答え:チェンジオーヴァーは90秒。セットブレークは2分。 試合がTV放送でされる場合はTV局のリクエストで時間が多少延長される場合があります。しかしその際は主審がコイントスの時に両選手に知らせます。 この4つの質問以外にもう一つ忘れてはいけない基本ルールに、エレクトリックリヴュー Electronic Review、つまりホークアイを使ったチャレンジのルールがあります。 (5)チャレンジは何回できるのか? 答え:1セットに3回。各タイブレークでは1回追加。 多くの選手がチャレンジの権利を失いたくなくて、主審にボールが入ったかどうか尋ねていますが、これは止めてほしいものです。ボールの跡を歩いて確認するのも禁止して、直ちにチャレンジをしなければフェアでありません。またオーヴァールールですが、コートの中央にいる主審がどうしてベースライン近くに落ちる球が正確に分かるのか? 主審はオーヴァールールは絶対確信のある場合だけにしてほしいものです。入っていたボールをオーヴァールールされてアウトにされてしまった選手は悲劇で、立ち直るのが大変なのですから。 さてケーススタディです: 25秒を超過してしまった選手がタイムヴァイオレーションを受けてしまった。「観客が移動していて邪魔になったので、彼らが座るまで待っていた」と抗議したが・・・ サーヴィスのモーション中に、観客が邪魔になった場合は、選手は直ちにストップして主審に知らせなければならない。しかし観客のインターフェアランスは最前列の数列のみが考慮されるだけで、そうでなければタイムヴァイオレーション。 タオルをボールボーイに頼んだが、25秒を過ぎてしまってタイムヴァイオレーションを受けてしまった。「ボールボーイが遅かったので僕のせいじゃない」と抗議したが・・・ タオルを受けるとるか、受け取れないかはボールボーイの責任ではなく選手の責任。タイムヴァイオレーションとなる。 […]

トップ選手でもルールをよく知らない・・・タイムヴァイオレーション

2013/03/20 4

Mar.20, 2013 (更新しました) 試合中に、よく選手たちが主審に抗議をしています。抗議をするにはルールを知っていなければなりません。そこでUSA Todayの記者が、どれだけ選手たちがルールを知っているのか、インタビュー調査を行いました。驚くべきことに、選手たちはよくルールを知らないでプレーをしている事実が浮かびあがりました。いろんなルールについて、選手の反応を紹介しながらシリーズを始めたいと思います。 [private] 試合を観戦していて、ときどき??という場面に出くわすことがあります。審判の判定に抗議する選手の中で、ルールを知らないで抗議している選手がいるのです。 選手が知っておかなければならない最低のルールを選手たちは知らないのでは? と不思議に思っていました。 錦織が出始めた頃、全米オープンの時でしたが、ウォームアップが終ってから、錦織がロッカールームに駆け込んだことがあります。えっ? 帽子を忘れた・・・ショーツが大きすぎた・・・という理由からだったのですが、ウォームアップの直後はこのような理由ではトイレットブレークはとれません。コートを去るとヴァイオレーションの対象になりますが、審判がいいよと簡単に許可してしまって、私はびっくりしたものです。 (説明更新)ウォーミングアップが始まってから、トイレットブレークは許可されますので、トイレに行く場合は錦織はトイレットブレークを使うことはできます。しかしトイレに行く理由ではなくて、ロッカールームに行くことは許されません。他の誰かに取りに行ってもらわなければなりません。 ルールを知らない選手・・・ルールを徹底しない審判・・・メディカルタイムアウトなどのルールを作戦に乱用する選手・・・それを見逃す審判・・・ 選手がルールを知らない原因の一つに、ATPルールブックの途方もない厚さにあります。「長過ぎて読む気がしない」という選手がいて、彼らの気持ちは分かりますが、職業なのですから、重要な点だけでもしっかりと把握するべきだと思います。 またATPも選手のルールの理解度を深めるために、重要なルールだけを抜粋した簡単なマニュアルを作るくらいの努力はできるはず。(ATPルールブックはここをクリック) 以下のルールは選手にとって最も大切なルールです。具体的に誰がどの質問に答えられなかったかは、選手たちの名誉のために公開されていませんが、15名以上のトップ選手に以下の質問をしたそうですが、どの選手も正確に全問答えられなかったそうです。ジョコヴィッチも「へえ〜、僕知らなかったよ」 (1)何秒以内にサーヴ(レシーヴ)をしなければならない? (2)試合中許されるメディカルタイムアウトの数? (3)試合中に許されるトイレットブレークの数? (4)何分以内に自分のコートに戻らなければデフォルトとなる? 皆さんはご存知ですか? 答えは次記事に掲載します。 【タイムヴァイオレーション Time Violation】 とりあえず今年の1月から最大の課題「試合時間を縮小する」にATPが取んだのが、25秒ルールの厳守です。コイントスの前に審判が両選手にこの25秒ルールを説明しています。これで選手は「知らなかった」という言い訳は立たなくなったのですが・・・ アンディ・マリー グランドスラムのように時間を同じ25秒にすると、同じルールとなっていいんじゃないの。 (tennisnakama: うん? グランドスラムは20秒、ATPは25秒なんですけれど・・・?) 今年最も問題になっているルールがタイムヴァイオレーションです。ナダルは25秒のタイムヴァイオレーションについて公然と不満を表明しています。フェデラーはルールはルールなのだから守るべき、とクールな態度をとっていますが、多くの選手が新しいルールだと勘違いしているようです。そうではなく25秒ルールは既存していましたが、審判がウォーニングを与えないので、形だけのルールに終っていたのです。 テニス観戦はエンターテイメントです。Xスポーツなどのように、新しいスポーツが人気を得はじめ、競争がますます激化してきています。長時間だらだらとやっていては、観戦者にとっても退屈なもの。試合が長引いてしまうので、放送局もスケジュールが組み辛くなります。 最近の傾向とてしあげられるのが、ポイント間にタオルで顔を拭く習慣です。サンプラスの時代にはこのような習慣はありませんでした。汗が出てくればリストバンドで拭っていました。しかも汗がまったく出ていないのに、ボールボーイにタオルを要求する選手が多いのに驚きます。なぜタオルの習慣がでてきたかというと、心身を落ち着けることに役立つからです。 ナダルのせいにするわけではありませんが、最初の頃、サーヴの前にソックスをなおし、お尻に手をやり、ヘアをなおし、ボールを何度がバウンドさせていた時がありました。40秒近くもかかっていたことがあります。またジョコヴィッチのボールを突く回数は18回もありました。サンプラスは2度のみ。なぜ時間を稼ぐことを選手たちがやり始めたのか? 最近のテニスは、テクノロジーの発達でベースラインのテニスが主流を占め、ラリーが長くなり、フィジカル的にも過酷なゲームとなってきました。ポイント間を長くとることによって、体力を回復し、心をリフレッシュし、次のサーヴに全神経を集中させることに役立つのです。 サンプラスのように、ゲームが1−2−3で終ってしまっても退屈しますが、ラリーが長過ぎても退屈してしまいます。試合のスピード化が叫ばれて久しいのですが、まず手始めに実行されたのが、この25秒ルール厳守の徹底化でした。 最も声を大にして不満を表明するナダルの言い分は「ハイレベルなラリーが多くて25秒では回復できない。」と彼は抗議しています。しかし同じ条件で相手もプレーをしているのです。ラリーが長ければ、ラリーを減らすアグレッシヴなプレースタイルをとればよいのです。30回も毎回ラリーを続けるプレースタイルは、彼自身の肉体にもよいはずがありません。ここでナダルを批判しているのではありません。膝のためにも、出来るだけアグレッシヴに早いテンポでプレーをしようとしているナダルにとって、25秒ルールはマイナスになるのではなく、プラスになるとはずです。誰よりもフィットしている彼は早く回復できるのですから。 ストップウォッチはポイントが決まった段階、つまりプレーが終った段階でスタートします。しかし主審によってスは25秒を過ぎてもウォーニングを与えない主審もいます。忠実な主審は、サーヴァーがボールを突き始めてサーヴィスモーションに入る直前に26秒となり、ウォーニングを与えた主審もおりました。むずかしいですね。 1回目のヴァイオレーションはウォーニング。しかし2度目のタイムヴァイオレーションをおかすと、1ポイント失ってしまいます。(相手のポイントになる)。そして3度目にはゲームを失う(相手のゲームとなる)という厳しいものです。 […]

サーヴィスレットをなくしたら?

2010/09/15 6

『国枝慎吾USオープン車いすテニス優勝』の記事で「サーヴをレットなしにすればよいのに・・・」と書いた理由の説明をしたいと思います。 「レット」とは、もう一度やりなおすという意味で、語源はネットという意味のフランス語のfiletからきているそうですが、サーヴがネットコードに触れてサーヴィスコートに入った場合は、サーヴィスレット Service Let と呼ばれ、私たちのアマチュア試合でも、このサーヴィスレットが当たり前になっています。 ですからレットのないサーヴだと「ええっ!そんな!無茶な!」と拒否反応を起こしそうですが、しかし現実にはノー・サーヴィスレットで試合を行っているところがあり、有名プロ選手のワールドチームテニスとか、カレッジの最も強いレベルの男子Division 1で適用されているのです。

ワールドカップの構想

2010/01/17 6

いよいよ全豪がカウントダウンの段階に入りましたね! 日本はメルボルンと2時間違いなので楽な観戦ですが、NYは16時間違いで時差地獄です。ストリーミングのおかげで自宅のTVの前に座って観戦しな くてもよくなったのは、本当に革命的なこと。昔の夢(世界のトーナメントが観戦できる)がこんなに早く到来するとは感無量です。

全豪ドローのミステリー

2010/01/16 6

オーストラリアンオープンでドローに関して不思議なことが2件起こりました。 この二つのミステリーをご紹介します。

クーヨンクラシックとは?

2010/01/13 2

WTCは前記事で説明しましたが、今回は 1月13日から開催されているAAMI Kooyong Classicを紹介したいと思います。 この AAMI とはスポンサーのAustralian Associated Motor Insurers Limited の略で、一般にはクーヨン・クラシックで通っているエグジビションです。8名の参加で昨年はフェデラーが優勝しました。このエグジビションはメルボルンにあり、コンディションが全豪オープンに近いことから、最後の仕上げとしてかなりのトップ選手が参加することでも知られています。

WTCをご存知ですか?

2010/01/13 0

(Updated) WTCをみるとニューヨークのワールド トレード センターを思い出してドキッとしますが、私の紹介するのはワールド テニス チャレンジのWTCです。 昨日からオーストラリアのアデレールAdelaideで始まっています。クーヨンKooyongでもエグジビションがありますし、今週はATPワールドツアーのシドニーも同時に行われていますので計3大会。さすがオーストラリアはテニス天国で、全豪オープンの前哨戦としてどこの会場も満員で大盛況です。

ストリーミングで生観戦しよう!

2010/01/12 11

(更新) 皆さんはストリーミングを活用されていますか? ストリーミング (streaming) とは、主に音声や動画などのマルチメディアファイルを転送・再生する方式の一種で、この方式によってコンピューターでテニスの試合が生観戦できるようになりました。 昔のライヴ・ストリーミングはプツーンと画像がフリーズしてしまうことが多く、とてもみれたしろものではありませんでしたが、最近はHD (High Definition)のクウォリティーで途切れることもなく観れるようになりました。

とてもラッキーなラッキールーザー

2010/01/11 1

(更新しました) 今週から始まったシドニーのMedibank International でおもしろい事態が生じましたので、ちょっと説明させていただきます。この仕組みを知るとますますトーナメントがよく理解できるようになりますので、しばらくお付き合いください。 ラッキールーザーとはLLの記号で表示されますが、シドニー大会では第1シードのモンフィスの棄権によって、なんとモンフィスのポジションにこのラッキーな選手がおさまることになりました。つまりドロー表のトップです。ラッキールーザーとは、エントリーしている選手が棄権した場合、予選で敗れた選手の中で最もランキングが高い選手がラッキールーザーとしてエントリーが許されます。

いよいよシーズンの幕開けです!

2010/01/03 0

1月4日からいよいよ本格的にトーナメントが始まります。ブリスベン(オーストラリア)、ドーハ(カタール)、チェンナイ(インド)で、いずれもツアー250のレベルです。そこで思考をテニスモードを切り替えるため、ATP World Tour 250についておさらいをしてみたいと思います。またこの3トーナメントのみどころなどを書いてみました。 ハイライトの文字はリンクがついていますので、クリックすると大会サイトや選手のプロフィールなどがご覧になれます。